2018年度 太陽系科学研究系 STPセミナー

■場所  :研究・管理棟 (A棟) 6F会議室1639 (変更の場合は赤字)
■時刻  :毎週火曜日 10:00-12:00
■連絡先 :齋藤研D2 星 康人 (hoshi [AT] stp.isas.jaxa.jp)
■備考  :発表時間は一人当たり45分程度 * 2人
履歴と予定
開催日時・場所 発表者 (所属・身分)
4/24(火) 10:00- 6F 会議室 自己紹介
5/1(火) 休み
5/8(火) 10:00- 6F 会議室 自己紹介
福山 (M1)
5/15(火) 10:00- 6F 会議室 村上 (助教)
5/22(火) JpGUの為お休み
5/29(火) お休み
6/5(火) 10:00- 6F 会議室 中村 (教授)
6/12(火) 10:00- 6F 会議室 佐藤 (PD)
6/19(火) 10:30- 4F 会議室 川畑 (D3)
6/26(火) 10:00- 6F 会議室 Ngan (D1)
7/3(火) 10:00- 6F 会議室 自己紹介
桑原 (PD)
7/10(火) 10:00- 6F 会議室 中間審査
Nehpreet Walia (M2)
7/17(火) 10:00- 6F 会議室 川手 (PD),Carlos (PD)
7/24(火) 10:00- 6F 会議室 大場 (PD)
7/31(火) 10:00- 6F 会議室 高島 (准教授)
8/7(火) 休み
8/14(火) お盆休み
8/21(火) 休み
8/28(火) 10:00- 6F 会議室 川手 (PD)
9/4(火) 10:00- 5F 会議室 松岡 (准教授)
9/11(火) 10:00- 5F 会議室 自己紹介
松田 (PD)
9/18(火) 10:30- 4F 会議室 Anthony (D1)
9/25(火) 10:00- 5F 会議室 長谷川 (助教)
10/2(火) 10:00- 6F 会議室 修士論文中間発表
石城 (M2)
10/9(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
阿部 (M2)
10/16(火) 休み
10/23(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
加藤 (本郷M2)
10/30(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
乾 (本郷M2),高田 (本郷M2)
11/6(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
浅見 (本郷M2)
11/13(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
鈴木 (本郷M2)
11/20(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
滑川 (M2), 長谷川 (M2)
11/27(火) SGEPSSのためお休み
12/4(火) 10:00- 6F 会議室 修論中間発表
大早田 (M2),田寺 (M2)
12/11(火) AGUのためお休み
12/18(火) お休み
12/25(火) 年末休み
1/1(火) 元日 休み
1/8(火) 10:00- 5F 会議室 齋藤 (教授)
1/15(火) 10:00- 5F 会議室 山崎 (助教)
1/22(火) 10:00- 5F 会議室 阿部 (准教授)
2/5(火) 10:00- 5F 会議室 篠原 (准教授)
2/12(火) 10:00- 5F 会議室 高島 (准教授)
2/19(火) 10:00- 5F 会議室 坂尾 (准教授)
2/26(火) 10:00- 5F 会議室 浅村 (助教)
3/5(火) 10:00- 5F 会議室 清水 (准教授), Peralta (PD)
3/12(火) 10:00- 5F 会議室 福山 (M1)
3/19(火) 10:00- 5F 会議室 長谷川 (D1)



発表の概要
開催日時・場所 発表者 (所属・身分)
12/4(火) 10:00- 6F会議室 大早田 (M2)
超高層大気観測のための真空計開発に関する検討
概要:  地球の高度約70km以上の大気では、さまざまな電離過程によって中性大気の一部が電離し電離大気となる。中性大気と電離大気は衝突し運動量が輸送される。この運動量輸送が超高層大気領域固有の電子密度擾乱等の現象に関わっていると考えられており、これらの現象を理解するためには中性大気の密度および中性粒子の運動である中性風の情報を精確に把握することが必要である。  本研究では観測ロケットに搭載することを前提に、熱圏下部での中性大気密度の測定および中性風に関する情報の検出を可能にする測定器の開発を目的とする検討を行う。具体的には高度約150kmに相当する、大気圧10^(-4)Paまでの測定を可能にする電離真空計の開発を目的とする。  観測ロケット上での測定においては電離真空計をどのような容器に収納するかが大変重要である。これまでに海外で行われた観測ロケット上での真空計による大気密度測定では球形や円筒形状の容器に真空ゲージが収められていたが、最適な形状についての共通的な理解は得られていない。本研究では収納容器の形状検討のため、希薄気体のシミュレーションが可能なDSMC(Direct Simulation Monte Carlo)法を用いる。  まず、DSMC法によって真空計周辺の流れのシミュレーションが可能かどうかを確かめるため、室内実験とその実験を再現したシミュレーションを比較することでDSMC法の妥当性を検証した。実験結果と計算結果を比較したところ、両者に概ね一致が見られたことから、DSMC法に基づく我々のシミュレーション手法の妥当性を検証することができた。  現在は電離真空計を収納する容器の形状についてDSMC法を用いて検討を行っている。本発表では観測ロケット上での測定法、DSMC法の妥当性の検証結果および現在検討している真空計収納容器の形状について述べる。
12/4(火) 10:00- 6F会議室 田寺 (M2)
帯電する飛翔体で使用可能なラングミューアプローブの開発
概要:  宇宙空間の飛翔体の浮動電位はその表面への荷電粒子の入射と放出の数によって変化する.低高度の人工衛星の場合,電離圏中の熱電子の入射により負に帯電する.その電位はプラズマ空間電位に対して負に数ボルトにまでなることがある.また,人工衛星表面にはその電位に対応した厚さ約数センチの鞘が形成されることが知られている.衛星上で能動的な実験を行う場合は,その電位はより大きくなる可能性があり,鞘の厚さも数十センチにまで広がる可能性がある.衛星上で電子温度や密度の推定を目的としてラングミューアプローブを用いる場合,I-V特性を得るための掃引電圧振幅は数ボルト程度であるため,大きく帯電した衛星電位を基準にこの程度の掃引を行ってもプラズマパラメーターの推定に必要な情報を得ることは困難である.したがって,このような状況下では一般的なラングミューアプローブを用いてプラズマパラメーターを推定することができない.さらに,飛翔体表面に形成された鞘がラングミューアプローブの設置された位置にまで成長し,プラズマパラメーターの推定に影響を及ぼす可能性があることが考えられる.そのため,飛翔体上でプラズマ測定を行った際にプローブが鞘の内側もしくは外側での測定なのかの判別が重要となっている.  本研究の目的は大きく帯電する飛翔体上で使用可能なラングミューアプローブのための回路の開発である.また,本回路を用いてプラズマ測定を行った際に,衛星表面上に形成される鞘がプラズマパラメーターにどの程度の影響を及ぼすのかについての調査を行う.  今回は,これまでに行ってきた実験結果について発表する.
11/20(火) 10:00- 6F会議室 滑川 (M2)
マイクロバースト観測用の高エネルギー電子観測機器開発
概要: 地球磁気圏において、数100 keV-数10 MeVといった高エネルギープラズマ粒子が存在している領域は放射線帯と呼ばれ、高エネルギー粒子の生成と散逸を繰り返す非常にダイナミックな変動を見せることが知られている。放射線帯電子の散逸に大きく寄与していると考えられているのが、マイクロバーストと呼ばれる放射線帯外帯の数10 keV~数MeV電子が地球大気に降りこむ現象である。この現象は地球極域で観測される脈動オーロラと同様のメカニズムである、磁気圏粒子のプラズマ波動によるピッチ角散乱によって発生することが示唆されているが、未だ観測的な実証には至っていない。もしこの両者の同時発生を観測することができれば、放射線帯電子の散逸過程について大きな手がかりを得ることができる。そこで本研究では観測ロケットによる脈動オーロラ・マイクロバーストの同時観測を目指し、高エネルギー電子観測機器を開発した。本機器は検出部にシリコン半導体検出器SSD(Solid State Detector)を使用し、観測可能な電子のエネルギー幅は300 keV ~ 2 MeV、エネルギースペクトルの分解能は1 MeVの電子ビームに対して~5%、装置感度は~0.85 cm2 strである。また信号処理の時間は~5 ?sであり、~2.5×10^4 /str/cm2/sまでの粒子フラックスに対応可能である。本機器は脈動オーロラ・マイクロバーストのメカニズム解明を目的としたPARM(Pulsating AuroRa and Microbursts)観測器パッケージの主要構成機器として、2019年1月にノルウェー・アンドーヤから打ち上げられる観測ロケットRockSat-XNに搭載され、オーロラ発光層における降下高エネルギー電子の直接測定を行う。
11/13(火) 10:00- 6F会議室 鈴木 (本郷M2)
MMS衛星を用いたPc5波動の特性解析
概要: 地球周辺の宇宙空間には、エネルギーの高いプラズマ粒子が飛び交う領域が存在する。特に数百keVから数十MeVの、最も高いエネルギー帯のプラズマ粒子で満たされている領域は放射線帯と呼ばれ、放射線帯の電子の加速現象は宇宙空間物理学の重要な研究課題である(Millan and Thorne, 2007)。この電子の加速機構の候補として注目されているのが、Pc5波動と呼ばれる、2?10分の周期を持つULF波動である。特に経度方向の波数 (m-number) が低い波動(m<10)は、ドリフト共鳴によって相対論的電子加速に重要な役割を果たすと議論されてきた(Schulz and Lanzerotti, 1974)。その一方で、磁気嵐時に発生するような高い m-number(>10)のPc5波動 (storm-time Pc5)も、放射線帯の粒子加速に寄与する可能性が指摘されている(Ukhorskiy et al., 2009)。このようなstorm-time Pc5は、磁気嵐時にプラズマシートから内部磁気圏に輸送されるプラズマ粒子が引き起こすプラズマ不安定によって励起されると考えられており、温度異方性によって起こるドリフトミラー不安定はその有力な候補である。ドリフトミラー不安定で励起されたと考えられるULF波動は、MMS(Magnetospheric Multiscale)衛星の周回軌道(L>8) においてより頻繁に観測されている(Takahashi et at., 1990)。MMS 衛星を用いることで、複数衛星を用いた解析手法 (Timing Methodなど)と、単一衛星のデータのみを用いた解析手法の両者を用い、単一衛星のみを用いた解析手法の精度の検証が可能である。特にPc5波動と粒子の共鳴条件を考えるにあたってはm-numberの推定が重要であるが、内部磁気圏の観測では通常は単一衛星しか用いることができないため、その精度検証が困難である。そのため、単一衛星を用いたm-numberの推定手法の精度を、独立な手法によって検証することは内部磁気圏への応用においても重要である。 本研究では、2015年9月1日に磁気圏の夕方側で MMS 衛星によって観測されたPc5波動について解析を行った。Timing Methodによる解析を用いていくつかの時間帯において波長と伝播方向、伝播速度を求めた。その結果、伝播方向は西向きで、衛星静止系での伝播速度は40km/s程度であった。これは過去の研究と一致する。さらに、4衛星それぞれのデータを用いてMinimum Variance Analysisを用いて伝播方向の推定を行った。発表では上記の結果の比較に加えて、その他の解析手法の適用結果を示し、各手法の精度を検討する。
11/6(火) 10:00- 6F会議室 浅見 (本郷M2)
磁気圏における二温度イオンの密度・温度空間分布と分布関数の遷移
概要: 現在まで、様々な人工衛星の「その場」観測によって、磁気圏プラズマの加熱・加速研究が行われてきた。磁気圏において、熱いプラズマと冷たいプラズマが同時に存在していることが報告されているが、支配的な加速メカニズムや加速領域は未だよく理解されていない。また加熱・加速機構がイオンの質量によって異なっているのか未解明である。磁気圏プラズマを熱い成分、冷たい成分に分離することは磁気圏におけるイオンの加速、加熱メカニズムの理解に重要な手がかりを与える。しかし、磁気圏の広範囲にわたる地球磁気圏プラズマの熱的成分のイオン種別解析は、観測が困難であったため、特に外部磁気圏の典型的なエネルギー帯(< 1-10 keV) の粒子種依存過程に着目した研究は少ない。本研究では、プラズマを熱い成分と冷たい成分に分離し、それぞれに対して統計解析を行う。  近地点1000km から遠地点 24Re の範囲を周回する MMS 衛星に搭載されたHPCA観測器は数eV~40keVのイオンを約10秒の時間分解能で質量を区別して観測している。本研究ではHPCA観測器により得られたデータを用いて磁気圏に存在する熱いイオン、冷たいイオンそれぞれの密度、温度の空間分布の平均的な描像に関して統計解析を行った。具体的には、2017 年 6 月 1 日から 2017 年 9 月 1 日までに得られた分布関数を 2 成分 Maxwell 分布を仮定してフィッティングを行い、熱いプラズマと冷たいプラズマに分離した。磁気赤道面付近の6Re-24Reの領域を0.5Re × 0.5Reのビンに区切り、各ビンの密度、温度の中央値を示した空間分布図をそれぞれの成分毎に作成した。熱いプラズマはプラズマシートの夕方側が朝側と比べて高温になっていることがわかった。また二成分プラズマが存在する場合、熱いプラズマの温度は冷たいプラズマの数10倍になっていることがわかった。今後はより長期間の解析をHPCA観測器により得られた酸素イオンのデータも用いて、冷たいプラズマの起源、加速過程、混合過程を議論する予定である。
10/30(火) 10:00- 6F会議室 乾 (本郷M2)
Heavy ion outflows from Mars observed in the Martian induced magnetotail by MAVEN
概要: 40億年前の火星は、温暖で、表層に水が存在する惑星であったと考えられている。しかし、現在の火星は寒冷・乾燥した気候である。この劇的な気候変動の原因として、CO2などの温室効果ガスの宇宙空間への散逸が考えられている。一方で、大量のCO2を散逸させることのできるメカニズムについては、まだあまりよく理解されていない。太陽風と火星上層大気との相互作用による惑星イオンの散逸は、大量の大気を散逸させることができる候補の一つである。しかし、散逸するイオンの中で支配的であると考えられている低エネルギーイオンについては、観測による研究はほとんど行われていない。火星からの大気散逸を理解するために、MAVEN探査機は2014年11月より火星周りの環境や火星からのイオン流出を観測している。 本研究では、MAVEN観測により得られたデータを用いて、イベント解析と統計研究を行った。イベント解析においては、火星誘導磁気圏尾部領域における濃い低エネルギー重イオンの流出に着目した。フィッティングを用いることで、これまで求めることが難しかったCO2+の密度についても計算している。結果から、地殻磁場と太陽風電場によって、電離圏低高度からの低エネルギーイオン流出が引き起こされたと推測される。統計研究では、低エネルギーイオンまで含めた長期間のデータを用いて、火星誘導磁気圏尾部における重イオン流出に対して、地殻磁場と太陽風電場が及ぼす影響について調べた。この研究により、磁気圏尾部における重イオンの流出が太陽風電場の向きに依存して大きく異なること、地殻磁場は重イオン流出そのものには影響するが、地殻磁場の位置による重イオン流出の変化は小さいことなどがわかった。また、得られた結果から、重イオンの加速メカニズムについても考察する。
10/30(火) 10:00- 6F会議室 高田 (本郷M2)
Study of ion outflow mechanisms from the low-altitude ionosphere observed by EISCAT radar in conjunction with Arase satellite
概要:  内部磁気圏における重分子イオン(N2+,NO+,O2+)はAMPTE/IRM[Klecker et al., 1986] で観測されて以降、現在のあらせ衛星に至るまで様々な衛星で観測されて来た。それらの分子イオンは、地磁気の変動に伴って引き起こされる電離圏の低高度領域(<350km)から、何らかの加熱プロセスによって輸送された地球起源のものではないかと考えられている[e.g., Kosch et al., 2010] 。しかし、それらの重分子イオンを電離圏の低高度領域から輸送するには、解離性再結合などの化学反応によって分子イオンが消失するよりも速く輸送する必要があり、その速い輸送プロセスが何によって引き起こされるかと言う問題については未だ解決されていない。よって本研究ではあらせ衛星との同時観測が行われていた期間のEISCATレーダーの電離圏の観測データを用いて、この速い輸送メカニズムが何によって引き起こされているかの定量的な評価を行なうことを目的としている。  本研究で用いたデータは2017年の9月8日の16:00から20:00 UTまでの期間のものである。この時間は大規模な磁気嵐(minimum DST<-125nT)の最中であり、またあらせ衛星とEISCATレーダーは同時観測を行なっていた。あらせ衛星ではMEPiが重分子イオンを観測しており、EISCATレーダーでは16:12から16:22の間に強いイオンの加熱(> 2000 K)を伴ったイオンのアップフロー(~ 100 m/s)が観測された。このイオンのアップフローが見られたイベント期間において、電離圏のモデル(IRI)や大気モデル(MSISE-90)を補助的に用いることで、観測データを基に輸送を記述する運動方程式の各項を比較したところ、イオンの圧力勾配の影響が強くなっていることがわかった。この結果からイオンの加熱によって引き起こされたイオンの圧力勾配がイオンのアップフローに関与していることが示唆される。また過去の統計的な研究結果[Davies and Robinson, 1997]を元に電場を見積もったところ、このイベント期間についてイオンのアップフローが見られた高度よりもさらに低高度の領域(〜 110 km)では、電場がイベント期間外に比べて二倍程度になっていることもわかった。
10/23(火) 10:00- 6F会議室 加藤 (本郷M2)
Stochastic shock drift acceleration in the shock transition region
概要: 衝撃波における非熱的電子の生成は、宇宙物理・宇宙空間物理における重要な問題の一つである。このうち、非相対論的なエネルギー(0.1keV-1MeV)から相対論的なエネルギー(1MeV)までの加速過程は、解明されておらず、未だに議論が続いている。近年の地球バウショックにおける衛星観測や、大規模シミュレーションにより、電子が波動によって統計的なピッチ角散乱を受けつつ、衝撃波ドリフト加速を受けている可能性が示唆された。衝撃波ドリフト加速とは、衝撃波と電子の間の断熱的な相互作用によって、電子が対流電場を通して加速されるモデルである。そこで本研究では、この統計的ドリフト加速モデルについて理論的な解析を行い、観測との整合性にについて議論した。 理論的な解析は、電子分布のエネルギー・ピッチ角依存性のみを考慮するボックス近似を適用して行った。その結果、散乱が十分強い場合には、電子のエネルギー分布が観測と整合するベキ型スペクトルを再現し、ピッチ角散乱の強度と衝撃波速度に依存する加速限界が存在するという結果が得られた。また、この加速モデルについてモンテカルロ・シミュレーションを行った結果、理論解析の結果と整合した。一方で、理論解析で得られた結果に観測で得られたパラメーターを代入すると、観測結果が定性的にはこの理論モデルで説明できることが判明した。
10/9(火) 10:00- 6F会議室 阿部 (M2)
Hinode-IRIS-ALMAによるプラージュ領域同時観測
概要: 太陽では、光球(表面)よりも、熱源から離れた彩層・コロナ(上層大気)の方が一桁・二桁ほど高温である。太陽の熱源は内部にあるため、単純な熱伝導ではこの大気構造は達成されない。そのため、この大気構造は波動や小さな磁気リコネクション(ナノフレア)のような非熱的なエネルギー輸送によって維持されていると考えられているが、どのメカニズムが加熱に重要であるかはまだわかっていない。温度などの物理量の時間変化はこの問題を解決する鍵の一つである。ALMAによるマイクロ波観測は彩層の放射強度が測定でき、ALMAの信号の変動は主に彩層の温度変化によってもたらされる。2017年3月19日に太陽面北東部に位置するプラージュ領域でALMAの観測を行い、太陽観測衛星/可視光磁場望遠鏡「Hinode/SOT」、太陽観測衛星「IRIS」でも同領域を観測した。まず、Hinode, IRIS, ALMAのコアライメントを行い、画像のズレが数秒角以内であることを確認した。また、ALMAのノイズレベルを、Shimojo et al. (2017)の手法を用いて、2つの直交した直線偏光のデータの差分をとることで推定し、得られた像のノイズレベルは25 K (1σ)となった。本研究ではALMAのタイムプロファイルから75K(3σ)を超える温度上昇を抽出した。また、温度上昇の特徴を掴むため、温度上昇の傾きに応じて2つのタイプ(「遅い」イベント、及び「速い」イベント)に分類し、その空間分布を調べた。結果として、遅いイベントはグローバルに分布する一方、速いイベントは磁気中性線の付近でよく観測されることがわかった。この結果は、速いイベントが磁気中性線付近で頻発する突発的なエネルギー解放の兆候である可能性を示唆する。
10/2(火) 10:00- 6F会議室 石城 (M2)
微惑星衝突破壊モデル用いた微惑星系のN体計算
概要:  現在の惑星系形成論の標準的な理論では,惑星は,原始惑星系円盤の中で,微惑星の暴走的成長,寡占的成長を経て形成されると考えられている.この暴走成長段階,寡占成長段階は,主に,微惑星系の重力多体計算(N体計算)によって議論されてきた(Kokubo & Ida 1996, 1998).  これまでN体計算は,計算できる粒子数の制限により,惑星系円盤の動径方向の計算領域を広くとることや,微惑星の衝突時に生じる破片の影響を考慮することが困難であった.しかし,最近では,太陽系外惑星の多様な特徴を理解するために,惑星系形成過程における原始惑星の移動を議論することが重要となっており,惑星系円盤の動径方向に広い範囲のN体計算の必要性が高まっている.また,近年では,原始惑星が周囲の小さな微惑星との相互作用により移動するメカニズム(planetesimal-driven migration, PDM)が提唱されている(Ida et al. 2000).そのため,このような原始惑星の移動を議論するために,微惑星の破片のような小さな粒子の影響も考慮したN体計算の重要性が高まっている.?  本研究では,計算領域を惑星系円盤動径方向に広めに設定し,微惑星同士の衝突破壊モデルを導入した微惑星系の暴走成長段階のN体計算を行う.そのために,FDPS(Iwasawa et al. 2016)や, Particle-Particle Particle-Tree法(PPPT法,Oshino et al 2011; Iwasawa et al. 2017)を用いた計算コードの開発を行う.それらのコードを用いて,微惑星の衝突を完全合体と仮定した場合,微惑星の衝突破壊の効果を導入した場合について,微惑星系の暴走成長段階のN体計算を行う.?衝突破壊モデルは,Kominami et al. (2018, in preparation)で用いられるモデルを用いる.その計算結果から,微惑星の破片の効果を考えることで,暴走成長段階の原始惑星の成長過程に変化が生じるのかを調べる.それにより,微惑星の破片の効果を考慮することで,惑星系形成過程の理論にどのような影響があるかを考察する.
9/25(火) 10:00- 5F会議室 長谷川 (助教)
Reconstruction of a magnetotail reconnection region seen by the Magnetospheric Multiscale spacecraft
概要: Magnetic reconnection is a fundamental plasma process that controls transfer of solar wind energy and mass to planetary magnetospheres and causes explosive energy release associated with solar flares and sudden auroral brightening. NASA’s Magnetospheric Multiscale (MMS) mission, which consists of four identical spacecraft launched in March 2015, aims at elucidating how magnetic reconnection works with unprecedented high temporal and spatial resolution measurements of charged particles and electromagnetic fields in space. MMS has been observing Earth’s magnetotail since May 2017, and encountered the central region of magnetic reconnection, called the electron diffusion region (EDR), on 11 July 2017. In this talk, we present two-dimensional images of this region recovered from the MMS electron and magnetic field measurements, showing that the electron flow pattern in the EDR is not as simple as predicted by theory. The unexpected electron flow is discussed in combination with observed properties of electromagnetic energy conversion and electrostatic waves.
9/18(火) 10:30- 4F会議室 Anthony (D1)
Morphology of Venus Cloud Particle Size Properties as observed by Akatsuki IR2’s RD Images
概要: Restoration by De-Convolution (RD) method has been proven to be effective on near dawn/dusk images of IR2. Important dimensionless parameter Factor F in RD can be determined by ‘Calibration Indices’ method at high accuracy. RD products enable precise photometric analysis on night side data up to ~1 degree off to the terminator in 2.26 micron filter. Currently, RD can be applied on to all 3 different filters (1.735, 2.26, 2.32 microns) at slightly variable effectiveness. Re-visiting Carlson et al.1993 paper on mapping cloud particle size parameters (mode 2’ and mode 3), our observations using RD products have been able to match to the theoretical model as evaluated from the radiative transfer calculation as indicated in the paper. Mode 2’ and Mode 3 particle branches are evident. This will illustrate global distribution of particle size modes in the night-side data. In sum, achievement of this study broadens the fields of Cloud Dynamics and Microphysics of the middle/lower cloud layer on Venus.
9/11(火) 10:00- 5F会議室 松田 (PD)
Onboard software of Plasma Wave Experiment aboard Arase: instrument management and signal processing of Waveform Capture/Onboard Frequency Analyzer
概要: We developed the onboard processing software for the Plasma Wave Experiment (PWE) onboard the Exploration of energization and Radiation in Geospace, Arase satellite. The PWE instrument has three receivers: Electric Field Detector, Waveform Capture/Onboard Frequency Analyzer (WFC/OFA), and the High-Frequency Analyzer. We designed a pseudo-parallel processing scheme with a time-sharing system and achieved simultaneous signal processing for each receiver. Since electric and magnetic field signals are processed by the different CPUs, we developed a synchronized observation system by using shared packets on the mission network. The OFA continuously measures the power spectra, spectral matrices, and complex spectra. The OFA obtains not only the entire ELF/VLF plasma waves' activity but also the detailed properties (e.g., propagation direction and polarization) of the observed plasma waves. We performed simultaneous observation of electric and magnetic field data and successfully obtained clear wave properties of whistler-mode chorus waves using these data. In order to measure raw waveforms, we developed two modes for the WFC, "chorus burst mode" (65,536 samples/s) and "EMIC burst mode" (1024 samples/s), for the purpose of the measurement of the whistler-mode chorus waves (typically in a frequency range from several hundred Hz to several kHz) and the EMIC waves (typically in a frequency range from a few Hz to several hundred Hz), respectively. We successfully obtained the waveforms of electric and magnetic fields of whistler-mode chorus waves and ion cyclotron mode waves along the Arase’s orbit. We also designed the software-type wave-particle interaction analyzer mode. In this mode, we measure electric and magnetic field waveforms continuously and transfer them to the mission data recorder onboard the Arase satellite. We also installed an onboard signal calibration function (onboard SoftWare CALibration; SWCAL). We performed onboard electric circuit diagnostics and antenna impedance measurement of the wire-probe antennas along the orbit. We utilize the results obtained using the SWCAL function when we calibrate the spectra and waveforms obtained by the PWE.
9/4(火) 10:00- 5F会議室 松岡 (准教授)
Arase (ERG) magnetic field data analysis and Alfven waves observed in the inner magnetosphere
概要: The ARASE (ERG) satellite was successfully launched on December 20 2016. A fluxgate magnetometer (MGF) was built for the ARASE satellite to measure DC and low-frequency magnetic field. The MGF data are calibrated based on the results from the ground experiments and in-orbit data analysis. Magnetic field sensitivity and sensor orthogonality were measured in the magnetic test facility at the JAXA Tsukuba Space Center. The experimental details and results are discussed in Teramoto et al. (2017). Sensitivity was determined with an accuracy of 0.06% (+/-8000 nT range), and the orthogonality (angles between the measurement axes) with an accuracy of 0.03 degree. To precisely measure the magnetic field, we evaluated accurately the sensor element alignments in the spacecraft reference frame. Magnetic field disturbances often appear in the night-side magnetosphere. The disturbances carry significant energy which is considered to be released by the global configuration change of the magnetosphere. The disturbances have incompressible characteristics and are determined as Alfven waves. By studying the Alfven waves in the earth magnetosphere, we anticipate understanding the plasma heating process by Alfven waves in the universe.
7/24(火) 10:00- 6F会議室 大場 (PD)
Hinodeで得られた太陽光球大気における水平対流速度場
概要: 太陽表面(光球)の99%以上が、明るい粒上の構造である"粒状斑"とそれを取り囲む暗い溝である"間隙"で覆われている。 これは光球で生じるガスの対流運動によって形成されている。 具体的なメカニズムは、「太陽内部から上昇した高温のガスが"粒状斑"を形成し、放射冷却で低温になった下降ガスが"間隙"を生成する」というものである。 この光球の対流運動は、莫大な運動エネルギーを担っているため、太陽大気中における様々な物理現象(e.g., 大気加熱・衝撃波)の駆動機構を解明する上で重要である。 これまで光球の速度場について精力的に研究されてきたが、"ガスの水平運動"の導出は困難であった。 水平速度場をドップラー解析によって捉えるには視線方向が同じ向きになる"太陽の縁"におけるデータ解析が必須となる。 一方、太陽は球状構造を形成しているため、縁においては粒状斑・間隙の見た目の空間構造が圧縮されてしまう。 つまり、実質的な空間分解能が著しく低下してしまうのである。 そこで「ひので」が取得した分光データに対し、独自に開発した結像性能補正技術によって空間分解能の劣化を補正し、問題解決を目指した。 解析の結果、水平ガス運動の平均速度について、1.9 km/s 程度であることがわかった。 この値は過去に報告された中で最大であり、大気加熱に必要とされている速度場を優位に超えるものであった。 また、水平ガス運動の空間分布を解析した結果、間隙における速度場振幅が粒状斑のものよりも大きいことを発見した。 間隙においては様々な物理現象が生じているため、「高速な水平ガス運動が、それらのエネルギー注入に主要な役割を担うこと」を強く示唆している。  本研究は、光球における水平ガス運動について粒状斑・間隙を空間分解した上で速度場の導出に初めて成功した例であり、上述のように水平ガス運動が太陽大気中における物理現象の発現に大きく寄与することを示唆している。
7/17(火) 10:00- 6F会議室 川手 (PD)
軟X線撮像分光観測によるコロナループの加熱・冷却過程の診断
概要: コロナ加熱問題は太陽物理学の中で未解決である問題の一つである。加熱モデルの中にはインパルシブな加熱が多数発生する「ナノフレア加熱」と光球からの定常的なMHD波動がコロナで散逸する「波動加熱」があり、これらを観測的に区別するためには加熱の頻度を知ることが重要な鍵となる。 加熱過程が空間・時間的に局所的である場合、観測から得られる温度・密度構造は空間および時間積分した物理量として得られる。この局所的な時間発展を理解するための一つの方法として、電離の時間差を用いるものがある。軟X線スペクトルには自由電子からの熱放射による連続光とイオンの脱励起反応による輝線の両方が含まれている。連続光は電離の影響が非常に小さい一方、特に高階電離したイオンからの輝線放射は加熱時間が電離の時間スケールに比べて短い場合非平衡状態となり、平衡状態との差を比較することにより輝線輝度は加熱の時間スケールを反映する。したがって軟X線分光による連続光と輝線の同時観測を用いることで加熱量・加熱頻度の診断が可能となる。 本研究ではイオンの電離過程を含めた一次元流体力学数値計算を行い、加熱条件の異なるコロナループの連続光・輝線の強度の時間変化を導出した。また時間積分したスペクトルおよび温度構造からdifferential emission measureを導出し、両者を比較した。その結果輝線においては電離平衡時に比べて差が見られ、また加熱頻度の違いで輝線強度の振る舞いに差が発生した。これらの数値的な考察、およびFOXSI-3ロケット実験にて実証予定の軟X線撮像分光装置での観測により、コロナループの加熱・冷却過程への条件を与える事が今後の発展としてあげられる。
7/17(火) 10:00- 6F会議室 Carlos (PD)
Chromospheric polarimetry through multi-line observations of the 850 nm spectral region
概要: We examine in this work the capabilities of the spectral lines at 850 nm for understanding the photospheric and chromospheric magnetism. We are interested on that spectral window because it will be observed by the Sunrise Chromospheric Infrared spectro-Polarimeter (SCIP), an international instrument led by Japan that will fly on board the Sunrise balloon-borne telescope in 2021. We make use of a newly developed 3D simulation of chromospheric jets, characterized by complex chromospheric plasma flows and entangled magnetic fields. The aim of this study is to check, not only the sensitivity of the spectral lines to that phenomena, but also our ability to infer the atmospheric information through spectropolarimetric inversions of noisy synthetic data. In this regard, we found that we can recover both the global spatial distribution of atmospheric parameters at different heights as well as the vertical stratification of the atmospheric parameters for selected complex pixels. Therefore, we conclude that we already have the tools that will allow us inferring the physical information of the solar atmosphere from the analysis of future polarimetric observations.
7/10(火) 10:00- 6F会議室 Nehpreet Walia (M2)
A statistical investigation of slow-mode shocks observed in the dayside magnetopause by MMS
概要: The existence of slow-mode shocks in the magnetic reconnection region has been proposed since 1964 [Petschek, 1964]. While, there have been many reports on the observation of slow-mode shocks in the magnetotail region [e.g., Feldman et al., 1984; Saito et al., 1995; Eriksson et al., 2004], there are only two event studies which have reported the presence of slow-mode shocks in the magnetopause reconnection [Walthour et al., 1994; Sonnerup et al., 2016]. Many MHD simulations of magnetopause reconnection [e.g., Hoshino and Nishida, 1983; Heyn et al., 1985; Biernat et al., 1989, Hau and Wang, 2016] have reported the presence of slow-mode shocks and their dependence on the local magnetosphere and magnetosheath parameters. The inherent turbulent nature and the asymmetry of magnetic field and number density in the magnetopause boundary, as well as low time resolution of earlier spacecrafts before Magnetospheric Multiscale (MMS), can be the reason why there are only a few reports of slow- mode shocks in the magnetopause.
We investigated characteristics of slow-mode shocks in the dayside magnetopause based on MMS observations from September 2015 to February 2017. We analyzed 99 magnetopause crossings with reconnection jets and burst-mode (high time resolution) data, out of which 20 magnetopause crossings were observed to have slow-mode shock signatures. One crossing had slow-mode shocks on both the sides (magnetosphere and magnetosheath) and the rest (19) of the magnetopause crossings had slow-mode shock signature on only one side. In those 19 crossings, six of the slow-mode shocks were observed on the magnetosphere side while, 13 were on the magnetosheath side. The detection probability of slow-mode shocks in the magnetopause is thus found to be ~20%, which is greater than that reported in the magnetotail. We also found signature of 46 rotational discontinuities in 99 magnetopause crossings. 12 of these rotational discontinuities were found in the magnetopause crossings which also had slow-mode shocks. Our results also show that the observation of magnetosphere slow-mode shock is favored when the ratio of the number density of magnetosheath to magnetosphere is small. No clear dependence of existence of slow-mode shocks on other parameters such as, plasma beta, temperature anisotropy, jet velocity was found.
7/3(火) 10:00- 6F会議室 桑原 (PD)
将来惑星探査に向けた吸収セルの性能評価
概要: 太陽系内の惑星,衛星,彗星に含まれる水は太陽紫外光で解離して水素原子を発生する.水素原子は熱的・非熱的過程によって宇宙空間へ散逸していく.水素散逸速度は天体の質量,太陽活動,季節に依存する.天体からの水素散逸量は,天体が形成されて以降の表層及び大気の進化過程を理解する上で重要なパラメタである.
水素原子が発する輝線(ライマンα)を選択的に吸収するフィルタ(吸収セル)を利用すると天体から散逸する水素原子が共鳴散乱する水素ライマンα光強度を背景光から分離して計測することができる.吸収セルの利点は,単一の観測器で水素大気の密度および温度の情報を取得できる点,さらに複数のセルを組み合わせれば水素・重水素の同位体存在比(D/H比)も計測可能できる点である.これを探査機搭載リモートセンシング機器の2次元撮像のフィルタとして用いれば,惑星や彗星から散逸する水素の密度・温度の全球分布を捉えられる.吸収セルのもう一つの利点として,装置の構造が単純なため小型・軽量化が容易な点が挙げられる.近年,超小型衛星・探査機を用いた惑星探査という新分野が確立されつつあり,これは大型計画に比べ,開発期間が圧倒的に短く低コストで実現可能なため,高頻度での打ち上げが期待できる.その一方で,複数の装置で相補的・多角的な観測を行える大型計画に比べ,従来の超小型計画はサイズ・重量の制約から単一の科学目標を掲げざるを得ない.吸収セルによる超小型探査は惑星水素大気の密度分布,温度分布,D/H比が得られ,単独の観測器で大気散逸過程の理解に必要な複数の情報を得られる.
吸収セルの技術は1988年に打ち上げられた火星探査機「のぞみ」に搭載された紫外撮像分光計(UVS)に用いられていたが,その後約20年間開発は停滞していた.UVSでは開発期間の制約のため,吸収セルの性能を決めるパラメタ(フィラメント形状,セル光路長,充填ガス圧力等)の最適化は不十分で,さらなる開発が必要とされていた.現在,UVSに使用された吸収セルの技術を応用し,新型の吸収セルを開発している.SOLEIL Synchrotronを利用した実験によって,パラメタの最適化においては一定の成果を上げている.本発表ではその成果について紹介する.
6/26(火) 10:00- 6F会議室 Ngan (D1)
Planet migration rate in a gas disk
概要: The study of planet formation has a long history but recent ALMA observations of protoplanetary disk allowing to image planetary systems, revealing more details in the planet-forming regions have brought this topic new revolutions. Two main theories, the core accretion and disk instability models, explain successfully the formation of a planet in a planetary disk. However, the discovery of “Hot Jupiter” and “Super Earth” suggests that the planet has migrated from its original location to current one. When a planetary embryo reaches a critical size (about Mars size, approximately 10% of the Earth mass), it has sufficient gravitational interaction with its parent gas disk, which causes an exchange of angular moment and influences on the planet’s orbit. This is known as “migration”. Migration comes in to two different types: low mass planets migrate in so called “Type I migration”, and massive planets which can open a gap migrate in “Type II”. My current focus is going to be if the presence of gravitational instabilities in the disk make a difference to the Type I and Type II migration rates. The analytical calculations assume a fairly homogenous gas distribution, but we know heavy discs will fragment into spiral structures. These could interfere with the wake set up by the planet and alter its rate of progress.
6/19(火) 10:30- 4F会議室 川畑 (D3)
太陽低層大気における非線形フォースフリー磁場外挿の妥当性の検証~活動領域出現時の彩層磁場観測と外挿結果の比較~
概要: 太陽面において強い磁場が集中して分布する領域は活動領域(黒点群)と呼ばれる。太陽フレアやコロナ質量放出など、多くの突発的エネルギー解放現象は活動領域の上空で発生していることが知られている。 これらの突発現象は、上空大気(コロナ)に蓄えられた磁気エネルギーが、磁気リコネクションにより解放されることで起こると考えられている。 しかしフレアを駆動するメカニズムや駆動に至るまでどのように磁場構造が変化しているかは未解明な部分が多い。 理論的には駆動機構の候補として、磁場のねじれ度合い・鉛直方向の磁場の減少率といった磁場の3次元分布に起因する磁気流体力学的不安定が提唱されている。 つまりフレア発生前に磁場の3次元分布が定量的にどう変化しているかを知ることが重要となる。太陽大気の磁場測定は主に偏光観測から行われているが、観測は主に太陽表面である光球に限られており、偏光信号が小さいコロナでは磁場の取得は現状では難しい状況にある。 代替策として、観測された光球磁場から上空の磁場を推定するという非線形フォースフリー磁場(Nonlinear Force-Free Field: NLFFF)外挿という手法が最近開発され、広く使われ始めている。NLFFF外挿では、太陽大気においてローレンツ力が、重力・ガス圧に比べ十分大きいことが仮定されている。 しかし、光球や彩層下部といった低層大気ではこの仮定は妥当ではないことが予想されている。 本研究では、スペイン、テネリフェに設置されたヨーロッパ最大の地上望遠鏡GREGORを用いて、光球より~1000km上空の彩層磁場分布を取得した。 この彩層磁場分布を光球磁場観測からNLFFF外挿した結果と比較することで、外挿結果と観測結果の違いを議論する。
6/5(火) 10:00- 6F会議室 中村 (教授)
あかつきによる金星観測 -EPS特集号より-
概要: あかつきは金星年で4年の観測を無事終え、今年3月いっぱいで定常観測フェーズを終了した。現在、延長観測に入っている。昨年度Earth Planets, and Space誌にあかつき観測の特集がくまれた。今日はその中から電波観測、UVI観測からの風速ベクトル導出、様々な波長で見える雲のモフォロジーの3本に絞ってレビューをする
5/15(火) 10:00- 6F会議室 村上 (助教)
いよいよ打ち上げ!BepiColombo/MMOが挑む水星磁気圏探査
概要:  プロジェクト化から15年を経て、いよいよ国際水星探査計画BepiColomboの打ち上げが今年10月に迫っている。そこで本講演では、メッセンジャー探査機により得られた最新の科学成果と未解決問題をレビューしつつ、水星磁気圏探査機MMOの概要と観測計画について紹介する。
5/8(火) 10:00- 6F会議室 福山 (M1)
0次元モデルを用いたイオプラズマトーラス粒子数密度の平衡状態の研究
概要: イオプラズマトーラス内の粒子数密度は、イオ火山の噴出する火山ガス由来の中性粒子・トーラス内での化学反応・拡散によるトーラスからの流出がつりあった平衡状態にあると考えられている。本研究では、イオ大気からの中性粒子の供給レートSn、そのO原子とS原子の比O?S、粒子の輸送時定数τの3つのパラメータによってトーラス内の主な粒子(S+,S++,S+++,O+,e-)の数密度の時間発展を記述する0次元モデルを用いてトーラスの平衡状態を再現した。また、3次元パラメータ空間の調査により、EXCEEDの分光観測から計算されたトーラス内の各粒子の数密度を最もよく再現するパラメータを決定し、過去の研究により決定されているVoyager・Cassiniの数密度データを再現するパラメータとの比較を行った。
4/24(火) 10:00- 6F会議室
ひさき衛星を用いた木星紫外オーロラの太陽風応答に関する研究
概要: これまでのハッブル宇宙望遠鏡や地上赤外観測により、木星のオーロラは太陽風動圧増大時に増光することが知られている。しかし、これらの観測は断片的だったためオーロラ変動の統計的描像は不明瞭だった。そこで、ひさきの2014-2015年のデータを用い、木星オーロラと太陽風の関係を統計的に調べた。オーロラの強度変化量と太陽風動圧の変化量・太陽風が静穏な時期の長さに着目し、相関関係を調べた。その結果、太陽風静穏期の長さとオーロラの変化量の間に正の相聞があることがわかった。一方で、太陽風動圧の変化量とオーロラの相関関係は弱いことがわかった。これらを総合すると、太陽風変動は木星オーロラの増大を「トリガー」するが、どの程度明るくなるかについては太陽風が静穏な期間の長さに要因があることを示唆している。これらの統計解析は、「ひさき」の連続データによって初めて成し得たもので、木星オーロラと太陽風の新たな関係が明らかとなった。木星探査機Junoの太陽風観測データを使用し、2016年のデータを使用して同様の解析を行った結果、同じような結論が得られた。本発表ではこれらの解析の状況を報告する。






最終更新日 2018.12.08 <編集: 星>