2017年度 太陽系科学研究系 STPセミナー

■場所  :研究・管理棟 (A棟) 5F会議室1537 (変更の場合は赤字)
■時刻  :毎週火曜日 15:00-18:00
■連絡先 :齋藤研D1 星 康人 (hoshi [AT] stp.isas.jaxa.jp)
■備考  :発表時間は一人当たり45分程度 * 2人
履歴と予定
開催日時・場所 発表者 (所属・身分)
4/25(火) 14:30- 5F 会議室 自己紹介
石城 (M1),滑川 (M1),長谷川 (M1)
5/1(月) 15:00- 5F 会議室 自己紹介
大早田 (M1),田寺 (M1)
5/9(火) 15:00- 4F 会議室 自己紹介
島 (D3),阿部 (M1)
5/16(火) 15:00- 6F 会議室 塩谷 (准教授),長谷川 (M1)
5/23(火) JpGUの為お休み
5/30(火) 15:00- 6F 会議室 川手 (PD),中村 (教授)
6/6(火) 15:00- 6F 会議室 加藤 (D2)
6/13(火) 15:00- 6F 会議室 大場 (D3)
6/20(火) お休み
6/27(火) 15:00- 6F 会議室 Carlos Quintero Noda (PD),佐藤 (PD)
7/4(火) 15:00- 6F 会議室 Ngan (M2),松岡 (准教授)
7/11(火) AGU Chapman Conferencesの為お休み
7/18(火) 15:00- 4F 会議室 高島 (准教授)
7/25(火) 15:00- 6F 会議室 山崎 (助教)
8/1(火) 15:00- 6F 会議室 Special Lecture
Peter Chi
8/8(火) AOGSの為お休み
8/15(火) お盆休み
8/29(火) 15:00- 6F 会議室 山崎 (助教)
9/5(火) 15:00- 6F 会議室 修論中間発表
韓 (M2),土井 (M2)
9/12(火) 15:00- 6F 会議室 修論中間発表
今井 (M2)
9/19(火) 15:00- 6F 会議室 修論中間発表
長谷川 (M2)
9/26(火) 15:00- 6F 会議室 横田 (助教)
10/3(火) 15:00- 5F 会議室 阿部 (准教授)
10/10(火) 15:00- 5F 会議室 本郷M2中間発表@ISAS
北原 (今村研M2)
10/17(火) SGEPSSの為お休み
10/24(火) 15:00- 5F 会議室 Issaad Kacem
10/31(火) 15:00- 5F 会議室 阿部 (准教授)
11/7(火) 15:00- 5F 会議室 早川 (教授)
11/14(火) 15:00- 5F 会議室 本郷M2中間発表@ISAS
戸次 (横山研M2)
11/28(火) 15:00- 5F 会議室 本郷D3中間発表@ISAS
河野 (横山研D3)



発表の概要
開催日時・場所 発表者 (所属・身分)
9/19(火) 15:00- 6F会議室 長谷川 (M2)
活動領域NOAA12297における大規模フレアの発生と黒点の逆回転
概要: 太陽フレアは、コロナに蓄えられたエネルギーが、磁気リコネクションによって急速に解放される現象である。しかし、観測からは光球面の磁場しかわからず、エネルギーはコロナ中で散逸してしまうため、コロナのエネルギー状態を観測から直接評価することはできない。この評価のためには、磁気ヘリシティ(Berger & Field 1984)をエネルギー状態の代替として用いるのが最適である。コロナ磁場のヘリシティも直接求めることはできないが、光球磁場からコロナへのヘリシティ入射量の測定から、磁場の活動性を探ることができる(Kusano et al. 2002)。 この測定によって、フレアが[A]「ヘリシティが閾値を超えて発生」するものと、[B]「ヘリシティが飽和あるいは減少する過程で発生」するものがあることが分かった(Park et al. 2012)。これは、フレアにはエネルギー蓄積だけでなく、トリガーとなる機構が必要であることを示しているが、この機構は現在でも解明されていない。 [B]に関しては、フレア前に逆極のヘリシティをもった構造が現れる場合がある(Park et al. 2010)。しかし、[課題]この逆極のヘリシティ入射の正体やフレアへの寄与を突き止めた例はほとんどない。 我々は、[課題]について探るため、 [B]のフレアを起こした活動領域を解析した。結果、フレア前に黒点が逆回転を始め、逆極のヘリシティを入射していた。そこでさらに、逆回転の原因と、フレアへの影響を解析した。 結果、黒点のすぐ北で発生した磁気浮上に伴う磁場の結びつきの変化と浮上磁場の運動によって、黒点磁場が強くねじり直され、黒点の逆回転として現れたことがわかった。このねじれ構造では大きな電流が流れ、フレアの発生につながったと考えられる。 黒点の回転とフレアとの関係を調べた例はあるが、本研究は、黒点の逆回転に伴う磁場のねじり直しがフレアに寄与していることを初めて解明した。
9/12(火) 15:00- 6F会議室 今井 (M2)
月・惑星探査用飛行時間型質量分析装置の開発
概要: 月・惑星探査におけるその場の質量分析は、月・惑星の進化を理解する上で非常に重要であると考えられる。近年の太陽系探査において、NASAの火星探査機「Curiosity」やESAの彗星探査機「Rosetta」にはその場での元素分析を行うための質量分析器が搭載されている。しかし、ISASでは月・惑星の岩石試料の計測を目的とした質量分析器は未開発である。そこで我々は月・惑星の探査を想定したTOF-MS(Time-Of-Flight Mass Spectrometer:飛行時間型質量分析器)の開発を進めている。また、本TOF-MSはその場K-Ar年代測定への応用も想定している。その場K-Ar年代測定により、クレーター年代学で生じる不確定性を減らし、火星の気候変動や月の進化の過程に制限を設けることができる可能性がある。
我々がTOF-MSの使用を検討しているその場K-Ar年代測定は、K濃度測定を行うLIBS(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:レーザ誘起絶縁破壊分光装置)とAr同位体測定行うTOF-MSから構成されている。着陸機搭載を想定すると、重量、サイズ(直径10[cm]、全長20[cm]程度)、電圧(数[kV])などに制約があり、その条件下でAr同位体測定が可能な質量分解能のTOF-MSを設計する必要がある。TOF-MSにおいて、イオンの初期位置や初期エネルギーのばらつきを抑え、高い質量分解能を得るために、我々はイオンを反射させるリフレクター方式のTOF-MSを採用し、先行研究で試作した試験モデルの改良を進めている。先行研究で試作した試験モデルでは、イオン源で生成したイオンの加速を行うイオン加速部は1段、リフレクトロンのイオン反射部は2段の構成であったが、最適な設計を目指した性能比較試験を行うため、本研究のモデルでは、加速部を2段、反射部を1段の構成に変更した。イオンの初期位置や初期エネルギーのばらつきに依らず飛行時間が収束することを条件にして求めた解析解から、装置の寸法や印加電圧等のパラメータを設定した。これらのパラメータを基に粒子シミュレーションソフトSIMIONを用いてArイオンの飛行時間と検出器への到達率を求め、前述のサイズ、印加電圧の条件において、Ar同位体計測に必要な質量分解能が達成可能である事を確認した。その上で、限られた容積で質量分解能を向上させることを目指して、反射を複数回行うマルチリフレクター型のTOF-MSの開発を目指している。それまでの一回反射のTOF-MSと比べ、3回反射のマルチリフレクター型のTOF-MSはイオンの飛行時間が約3倍となり、分解能が向上する。しかし、飛行時間が増加するとイオンの飛行経路のばらつきが増え、検出率が低下する。そのため、レンズを用いてイオンの飛行経路のばらつきを抑える設計とした。一回反射のTOF-MSと同様にSIMIONを用いてArイオンの飛行時間と検出器への到達率を求め、前述のサイズ、印加電圧の条件において、一回反射のTOF-MSと比べ約三倍の質量分解能の向上を確認した。
本発表では、主にマルチリフレクター型のTOF-MSの設計について報告する他、Ar同位体計測用の1回反射型TOF-MSの開発状況を報告する。
9/5(火) 15:00- 6F会議室 韓 (M2)
A simulation study on long-term synchrotron variation in Jovian radiation belt
概要: Radiation belt is a layer of energetic particles (~few tens MeV) held by geomagnetic fields, ranging up to several planetary Radii in distance. Jovian Radiation Belt, where in-situ measurement is limited, Jupiter's synchrotron radiation (JSR) observation is a key tool for determining physical process therein, and various diffusion models have been proposed to account for observed JSR's short-term and long-term variations, albeit their reasons largely unknown. In my study, I contemplate on how solar wind can make itself effective on radial diffusion in Magnetosphere and discuss the possibility that it might be a clue for solving long-term synchrotron variation problem.
9/5(火) 15:00- 6F会議室 土井 (M2)
コロナ温度構造診断で見るシグモイド構造の発現
概要:  大規模フレア或いはコロナ質量放出の発生前に、軟X線でS字型または逆S字型の明るい構造(シグモイド)が観測されることがある。これはコロナにおけるねじれた磁束ロープの存在を示唆し、フレア発生時に解放できる磁場の自由エネルギーが高いことが推察され、フレア発現予測においてプリフレア現象として重要と考えられている。光球でのシア運動と磁気中性線への流れに伴う磁場のつなぎ替えにより、全体としてヘリカル構造を持つ磁束ロープが形成されることが理論的に示されており(van Ballegooijen & Martens 1989)、形成前にこのような光球運動が観測されたものがシグモイド構造の約6割であり、ほとんどのシグモイド構造がフレア発生の約2-3日前から観測されることが過去の統計的研究にて分かっている(Savcheva et al 2014)。一方で、2013年3月中旬にM1.1クラスのフレアが発生した活動領域NOAA11692にてフレア発生前に観測されたシグモイドは、フレア発生9時間前にてJ型コロナループの急速な増光が起こった後に形成されており、上述のシグモイド存続時間の統計的傾向と比較して短い時間スケールでの発現であることが、ひので衛星/X線撮像望遠鏡(XRT)により確認された。
 本研究では、NOAA11692における短時間スケールでのヘリカル構造の形成で必要となるコロナ中での細かな磁気リコネクション(MRX)がどこでどのように起きるかを、加熱や軟X線増光という振る舞いで把握することを検討する。MRXによる熱エネルギーの解放を見出すため、XRTのデータを用いたフィルター比法により、活動領域における温度の空間分布を算出した。その結果、急速なJ型の増光が見られた時刻にてJ型のシース領域での温度(logT[K]~7)が周囲(logT~6.5)より高くなっている。また、フレア発生後には4本のフレアリボンが確認できる。これらの結果は、シグモイド構造形成初期からフレア発生に至るまでの、磁束ロープの形状および周囲の磁場との間での相互作用についての推定を可能にし、本発表にて議論する。
8/29(火) 15:00- 6F会議室 山崎 (助教)
ひさき衛星による惑星間空間ヘリウムの観測
概要: 太陽圏の外側の星間ガスの状態が、星間風に乗り太陽系中心までやってくる惑星間空間の水素・ヘリウム原子分布の観測により推測できることが知られている。観測自体は1970年代から行われている古式ゆかしい方法であるが、近年の IBEX 衛星観測や Voyger 探査機の太陽圏脱出の是非をはじめ、太陽圏を取り囲む研究活動が活発になっている。特に IBEX 衛星観測結果から星間風の方向に変化があり太陽圏と周辺の星間ガスの位置関係の変化と捉えるという報告 (Frisch+13) はセンセーショナルであったが、その変化は誤差の範囲内で星間風の方向は変化しているとは言えない という報告もある(Mebius+15, Koutroumpa+17)。 惑星分光観測衛星「ひさき」も主対象ではないが、最近の星間風状態を確認するため、その視野を惑星間空間に向け、ヘリウム原子分布を観測した。この結果は、星間風方向の変化は誤差の範囲内ではあるが、変化がないと言い切れるものでもなかった。観測データや解析結果について報告し、議論を深めたい。
8/1(火) 15:00- 6F会議室 Peter Chi
Magnetospheric Seismology and Lunar Surface Magnetic Field Measurements
概要: This is a two-part presentation on investigating the space environment through the observations of magnetic field variations. The first part is focused on magnetospheric seismology, or “magnetoseismology” for short. Like in terrestrial seismology and helioseismology, magnetoseismology uses normal-mode oscillations and signal travel time to investigate the interior structure of the Earth’s magnetosphere (e.g., the plasmasphere and its variations) and the sources of impulsive phenomena (e.g., sudden impulses, substorm onsets). We will briefly review how each of the normal-mode and travel-time magnetoseismologies started, and how it can aid future investigations of the solar wind-magnetosphere-ionosphere coupling, in part through the international ISSI magnetoseismology team. The second part is centered around the findings by Apollo Lunar Surface Magnetometers (LSM). After being inaccessible since 1980s, the Apollo magnetometer data are being restored for analysis by modern tools and methods. A revisit to the Apollo Lunar Surface Magnetometer data has led to the discovery of the ion cyclotron waves in the magnetotail not reported during the Apollo era. We will also address how simultaneous satellite-surface magnetic field measurements can help investigate Moon-plasma interactions and the internal structure of the Moon.
7/18(火) 15:00- 4F会議室 高島 (准教授)
身近な高エネルギー現象 Terrestrial Gamma-ray Flashes
概要: TBD
7/4(火) 15:00- 6F会議室 Ngan (M2)
The effect of different galactic environments on star-forming clouds.
概要: The Schmidt ? Kennicutt law indicates empirically the relation between surface star formation rate, gas content and global galactic dynamics while there is a large amount of gas scattering in medium. These correlations suggest that star formation is influenced significantly by the environment of the galaxy, in which one of possible factors could be galactic potential. In this work, we implement a series of high resolution simulations to investigate the star-forming clouds in different galactic backgrounds without considering star formation and stellar feedback. The fiducial runs are set up as an isolated disk galaxy of initially constant gas profile, sitting on various galactic potentials controlled by rise, decrease, and flat rotation curves of about 200 km/s. And then, other factors are introduced in each case of fiducial runs, namely extreme rotation curves of about 500 km/s, gas density distribution proportional to stellar profile, and spiral patterns, to produce diversity of galactic environment and to compare them with the fiducial. Despite the variance of rotation curves, the rate of change of shear plays an important role in the process of gas collapse to form clouds. More massive and larger clouds are found in most cases compared to the fiducial. The biggest differences in comparisons of cloud properties are found in the rise curves of the extreme and stellar profile cases, but in the decrease curve of the spiral run. This implies that the influence of different galactic potentials on molecular clouds varies considerably when extreme circular velocity, variable gas profile, and spirals are presented.
7/4(火) 15:00- 6F会議室 松岡 (准教授)
Initial results of the magnetic field experiment by the magnetometer (MGF) for the ARASE (ERG) mission
概要: The acceleration process of the charged particles in the inner magnetosphere is considered to be closely related to the deformation and perturbation of the magnetic field. Accurate measurement of the magnetic field is required to understand the acceleration mechanism of the charged particles, which is one of the major scientific objectives of the ARASE (ERG) mission. We designed a fluxgate magnetometer which is optimized to investigate following topics; (1) accurate measurement of the background magnetic field - the deformation of the magnetic field and its relationship with the particle acceleration. (2) MHD waves - measurement of the ULF electromagnetic waves of frequencies about 1mHz (Pc4-5), and investigation of the radiation-belt electrons radially diffused by the resonance with the ULF waves. (3) EMIC waves - measurement of the electromagnetic ion-cyclotron waves of frequencies about 1Hz, and investigation of the ring-current ions and radiation-belt electrons dissipated by the interaction with the EMIC waves. A fluxgate magnetometer (MGF) was built for the ARASE satellite to measure DC and low-frequency magnetic field. The design is based on MGF-I, one of the magnetometers for BepiColombo MMO, Mercury orbiter, which would also suffer high radiation on the Mercury orbit. The requirements to the magnetic field measurements by ARASE was defined as (1) accuracy of the absolute field intensity is within 5 nT (2) angular accuracy of the field direction is within 1 degree (3) measurement frequency range is from DC to 60Hz or wider. MGF measures the vector magnetic field with the original sampling frequency of 256 Hz. The dynamic range is switched between ±8000nT and ± 60000nT according to the background field intensity. The MGF initial checkout was carried on January 10th 2017, three weeks after the launch of ARASE. The MGF normal performance and downlinked data were confirmed. The MAST for the sensor was deployed on 17th January. The initial results of the magnetic field observation and data examination will be shown in the presentation.
6/27(火) 15:00- 6F会議室 Carlos Quintero Noda (PD)
A new era of chromospheric polarimetry
概要: The solar chromosphere embodies the transition between the photosphere and the corona, an atmospheric layer with a temperature higher than a million degrees. The energy that is released into the corona is transported through and modulated by the chromosphere. Magnetic fields greatly influence the structuring and energy balance of this layer and, for this reason, future space missions such as the Japanese Solar-C, balloon missions as the German-led Sunrise 3, and ground-based telescopes such as DKIST or EST aim to understand, for the first time, the properties of the chromospheric magnetic field. In this regard, before the launch of any of the mentioned missions, we need to study the different spectral lines that are candidates for this task. To do that, we make use of realistic 3D magnetohydrodynamical simulations and available numerical codes that solve the radiative transfer equation for polarized light to synthesize those spectral lines (as the polarization signals generated by them). We aim to define an optimum selection of lines as the instrumental requirements to observe them. My plan is to introduce this topic and to show the results we have obtained in the last 2 years.

For more information, please check:
1. Quintero Noda et al. 2017b→ http://ads.nao.ac.jp/abs/2017arXiv170510002Q
2. Quintero Noda et al. 2017→ http://ads.nao.ac.jp/abs/2017MNRAS.464.4534Q
3. Quintero Noda et al. 2016→ http://ads.nao.ac.jp/abs/2016MNRAS.459.3363Q
6/27(火) 15:00- 6F会議室 佐藤 (PD)
Stationary features at the Venus cloud top seen in Akatsuki/IR2 2.02-micron dayside images
概要: The first sequential images acquired by Longwave Infrared Camera (LIR) onboard Akatsuki after its insertion into Venus orbit on December 7, 2015 provide a new insight on atmospheric dynamics of Venus. A planetary-scale bow-shaped structure seen in the LIR images has been fixed in a position above Aphrodite Terra against westward super-rotation reaching ~100 m/s at the cloud top level. This structure has been considered to result from an upward-propagating mountain gravity wave generated by the interaction of atmospheric flow with the topography (Fukuhara et al., 2017). In order to obtain a better understanding of the newly discovered stationary structure, we have analyzed 2.02-micron dayside images taken by 2-μm Camera named IR2. Since a wavelength of 2.02 micron locates in a CO2 absorption band, the images enable us to monitor the spatiotemporal variation of cloud top altitude. Up to the present, we have detected 25 stationary features on 18 areas during the period Dec. 11, 2015-Aug. 30, 2016. All of the features appear in a position above various highlands (e.g., Atta Regio, Beta Regio, and Aphrodite Terra) and have a tendency to appear in noon to late afternoon. The horizontal wavelength of the stationary features was estimated to be 200-300 km from the two most prominent features seen in IR2 dayside images. The amplitude pattern of the stationary feature seen in IR2 dayside images is opposite to those in LIR and UVI images. This relationship can be explaind by a hypothesis that the upward motion related to mountain wave lifts up the cloud top altitude (appear as bright in IR2) and supplies SO2 from the lower atmosphere (appear as dark in UVI), and simultaneously causes the decrease of the temperature (appear as dark in LIR). No evidence of stationary features is found in the nightside images of IR2.
6/13(火) 15:00- 6F会議室 大場 (D3)
デコンボリューション解析で取得した光球における対流速度場の3次元構造
概要: 太陽表面(光球)の対流運動は、その上空大気(彩層・コロナ)に対する加熱源および活動の駆動源と考えられているため、そのダイナミクスを理解することは重要である。近年、「ひので」衛星をはじめとする大口径望遠鏡を搭載した高空間分解能な観測的研究により、対流運動の理解が進展している。しかしながら、観測研究に基づく対流速度場の特徴(「対流速度場の振幅」・「上昇/下降流の大小関係」)と、従来の数値シミュレーションで報告されているものとで、大きな乖離が見られていた。我々は、これらの不一致が生じる原因について、観測装置の結像性能(点広がり関数PSF)による画像劣化で引き起こされていると考えた。そこで本研究では、上記の影響を取り除く画像回復(デコンボリューション)手法を開発し、「ひので」/スペクトルデータへ適用することで光球の対流速度場の取得を試みた。その結果、元のスペクトルデータにおいては高速な上昇流(振幅: -2 km/sから+1.5 km/s) を示していたのに対し、画像回復手法を適用したスペクトルデータからは、下降流が大幅に増幅されたことで上昇・下降流ともに同程度の値(振幅: -3 km/sから+3km/s) を得ることができた。本研究で得られたこの上昇/下降流の大小関係・振幅は、従来の観測成果で達成できなかったものである。このように、本画像回復手法を「ひので」のスペクトルデータへ適用することで、数値シミュレーションで予想されていた対流構造へ大きく近づくことが確認できた。
6/6(火) 15:00- 6F会議室 加藤 (D2)
電子反射法による月表面磁場測定
概要: 月は全球的な固有磁場は持たないが、磁気異常と呼ばれる局所的な残留磁化領域を持つ天体である。 このような地殻残留磁場は月や地球、火星などに存在することが知られており、様々な天体に普遍的に存在する可能性がある。 月磁気異常領域の存在は、その磁場によってプラズマ粒子の月面衝突を妨げる働きを持つ。 そのためプラズマ粒子と月磁気異常の相互作用は、月周辺のプラズマ環境や月表面の宇宙風化に大きな影響を与えている。 この相互作用を利用して月磁気異常の磁場計測する電子反射法と呼ばれる測定法が提案されている。 電子反射法とは月周辺電子の磁気ミラー効果を利用して月表面磁場強度を求める方法である。 月に到達した電子は、月磁気異常が存在しなければ月面に吸収されるが、存在する場合はピッチ角90度以上の反射電子を衛星上で観測できる。 このときのカットオフピッチ角と衛星周辺の磁場を計測することで、月表面の磁気異常強度を推定する。 電子反射法は衛星高度に依らずに月地表面の磁場強度を測ることができ、磁力計のみから得た測定では見つからなかった磁場強度領域まで測定することができる。 Apolloによっていくつかの月表面地点で電子反射計測が行われ、Lunar Prospectorによって月の全域に渡る月磁気異常磁場の測定が行われた。 かぐや衛星の観測データはそれらの衛星観測データよりも高い時間分解能で観測されており、従来よりも詳細な磁場構造の解明ができる。 本発表では、かぐや衛星観測データを用いて作成した最高空間分解能での月磁場マップを紹介し、他の測定法による月磁気異常磁場マップとの比較をする。
5/30(火) 15:00- 6F会議室 川手 (PD)
太陽フレアにおける加速電子の観測的・数値的特徴解析
概要: 太陽フレアにおいて粒子加速現象は硬X線や電波観測を用いて古くから確認されている。これまで様々な加速メカニズムがモデルとして考えられてきたが、どこで・どのように加速されているか未だ決着は付いていない。その一方で、フレアごとに加速メカニズムが必ずしも単一ではない可能性の存在も示唆されている。従って粒子加速現象を理解するためには、フレアの特徴毎にどのような加速メカニズムが考えられるか、観測値から系統的に理解することが必要になる。加速メカニズムごとに大きく差が現れるパラメータの一つとして、高エネルギー電子の加速直後のピッチ角分布がある。ピッチ角分布はフレアループ内の電子の輸送条件に大きく影響を及ぼし、その情報を観測的に得るためにはジャイロシンクロトロンによる電波放射の時間発展を理解しなければならない。本研究では、フレアループに沿った電子の輸送および電波放射・硬X線放射を数値的に解くことにより、異なる電子注入条件からそれぞれの放射の特徴を調査した。またその数値計算結果と野辺山電波ヘリオグラフ、Reuven Ramaty High-Energy Solar Spectroscopic Imagerで得られた電波・硬X線観測結果とを比較し、電子の注入条件に対して準統計的に太陽フレアの特徴解析を行った。その結果短寿命なフレアと長寿命なフレアで初期のピッチ角または電子注入場所が異なるという結果が得られた。
5/30(火) 15:00- 6F会議室 中村 (教授)
「あかつき」との20年
概要: 金星探査機あかつきは現在金星周回軌道を回っており、プロジェクトは順調に進んでいるが、ここに辿り着くまでは幾つかの困難な時期があった。本講演ではその経緯を振り返り、そこからどの様な教訓が得られるかを見る。
5/16(火) 15:00- 6F会議室 塩谷 (准教授)
惑星系科学に向けたスペースオプティクスの開発研究
概要: これまでに発表者が行ってきた、惑星系科学に向けたスペースオプティクスの開発研究から抜粋して概略を紹介する。   まず、系外惑星の大気組成を直接観測によって精査するための、宇宙望遠鏡搭載用コロナグラフの開発研究について述べる。特にバイナリ瞳マスク方式のコロナグラフに注力し、高精度微細加工、実証実験で成果を得た。得られた成果は、将来の赤外線、可視光の宇宙望遠鏡への搭載装置とすることで、地上望遠鏡では不可能な系外惑星大気の精査につながり得る。次に、木星氷衛星探査ミッション (JUICE) 搭載ガニメデレーザー高度計 (GALA) について述べる。科学目標、装置開発、また欧州主導のプロジェクトにおける日本の役割について示す。さらに、将来の宇宙望遠鏡・系外惑星観測に向けたスペースオプティクスの基礎研究についても紹介する。   これらのプロジェクト、研究の共通項は、科学目標においては、生命関連科学への志向である。手法としては、天文学的衛星か惑星科学的探査機かの区別にとらわれない宇宙機ミッション、装置開発、光学技術が挙げられる。
5/16(火) 15:00- 6F会議室 長谷川 (M1)
宇宙空間衝撃波の直接観測とデータ解析
概要: 今研究では地球近傍に存在する衝撃波であるバウショックについて、2015年に観測を行ったMMS衛星のデータを用いて解析を行った。その結果衝撃波のおおまかな構造がわかり、パラメータの1つであるθ_Bnが先行研究と矛盾しない範囲で求まった。
5/9(火) 15:00- 4F会議室 島 (D3)
分子雲衝突の3次元シミュレーションで探る大質量星形成条件
概要: 大質量星は超新星爆発などのフィードバックによって星間空間の物理状態や物質循環を支配し、銀河進化にも影響を与えるため非常に重要である。私達はその形成過程に注目しており、小質量星に比べてまだ不明な点が多い。大質量星形成のためには原始星からの輻射圧を超えて質量降着が持続しなければならず、そのためには小質量星形成の場合と比べて100倍以上高い降着率(10^{-4} Msun/yr)が必要となる。この高い質量降着率を実現する方法として、分子雲衝突が注目されている。分子雲同士が超音速で衝突することで衝撃波が発生し、その衝撃波によって高密度の分子雲コアと大質量星の形成が期待される。近年、分子雲衝突によって形成されたと考えられる大質量星の観測結果(Fukui et al. 2014など)が多数報告されており、シミュレーションとの比較研究の重要性が増している。そこで私達のグループで分子雲衝突の3次元シミュレーションを行っている。本研究では、Takahira et al. (2014)では考慮されていなかった星形成をモデル化するためにsink particleを導入している。初期条件として球対称密度分布を持つ等温静水圧平衡の分子雲を2つ仮定し、自己重力・乱流・heating・coolingを考慮した計算を行った。衝突させなかった場合と衝突させた場合の結果を比較することで衝突が星形成に与える影響を調べた。その結果、衝突によってtop-heavyな質量関数が形成されることが明らかになった。NGC6334の観測結果(Munoz et al, 2007)と比較することで、その領域が分子雲衝突によって形成された可能性について議論する。また、詳細な観測との比較研究を行うためにより現実的な初期条件を使用したシミュレーションも行っている。発表ではその現状についても紹介する。
5/9(火) 15:00- 4F会議室 阿部 (M1)
ひのでとIRIS観測衛星で探る太陽大気プラズマ加熱
概要: 上層大気の彩層・コロナは下層大気の光球よりも高温であるが、太陽の熱源は内部にあるためこの温度構造は単純な熱伝導では達成されず、非熱的なメカニズムによって維持されている。非熱的なメカニズムの有力な説として「波動による加熱」が考えられている。そのため、太陽大気中の波動によるエネルギーフラックスの推定が重要であり、エネルギーフラックスを推定するためには、太陽大気中の波動観測および波動モードの特定が必要である。本研究では観測衛星「ひので」を用いて光球面の波動観測を行い、物理量の振動を捉え波動モードを特定した。また、後にIRIS衛星との共同観測を行うため、ひのでとIRISの観測位置合わせを行った。
5/1(月) 15:00- 5F会議室 大早田 (M1)
観測ロケット搭載用真空計開発のための基礎検討
概要:  地球の下層大気では,乱気流等の影響から気体成分が均質な気体となっているが,高度70km以上の大気では,太陽EUVなどによって中性大気の一部が電離大気となる.電離大気と中性大気の運動方向は異なるが両者は衝突し,運動量が輸送される.この運動量輸送がこの領域における電子密度擾乱などの現象にかかわっていると考えられ,その運動量輸送について議論するためには,中性粒子の運動を把握する必要がある.
 そこで,熱圏下部での中性大気密度の測定および中性粒子の運動である中性風の推定を行う手段として,観測ロケットへの搭載を前提とした真空計の開発を行うことを目標とし,本研究ではそのための基礎検討を行った.使用する真空計の候補として真空ゲージMG-2Fを選択し,まずはこの真空計が観測ロケットの振動環境に耐えられるかどうか,振動試験機を用いて振動試験を行った.さらに,真空計を観測ロケットに搭載して飛行させた場合に真空計に加わる圧力を計算し,その計算結果から真空計に要求される測定精度についての考察を行った.
5/1(月) 15:00- 5F会議室 田寺 (M1)
電位が変動する飛翔体で使用可能なラングミューアプローブの開発
概要: 宇宙空間を飛翔する人工衛星の様な飛翔体は,一般的に数ボルトの帯電をしており電位が変動している.しかし,導電性テザー(EDT)システムのように高電圧を取り扱う飛翔体の電位は,大きく変動してしまう.このような飛翔体上で一般的なラングミューアプローブによる測定では,大きな電位の変動によって正常な測定が出来ない.このような背景の下で本研究では,スペースサイエンスチャンバーと呼ばれる実験装置の中に電離圏中のプラズマ環境を模擬し,この中に電位が大きく変動した飛翔体を模擬する.この様な環境下でも正常に電流ー電圧特性の測定を可能にする静電プローブ回路を設置しこの回路の実証実験を行う.
 先行研究で行われた回路の実証実験では,この静電プローブ回路においてバイアス電圧値を6種類に分けて与え,概ね電流ー電圧特性を捉えることが出来ているが,電流ー電圧特性の立ち上がり部分を捉えるための方法として,プローブに広い範囲で電圧を印加し電流―電圧特性の立ち上がり部分を捉え,そこに流れてきた電流値の最大傾きのタイミングと同じタイミングでプローブに印加した電圧値を次の掃引電圧値とし,これを中心に狭い範囲で電圧を掃引するが,この狭い範囲で掃引する電圧の取得,決定方法に変更が必要なことが分かったため,この変更内容を考え,C言語を用いてシミュレーションを行った.
 このシュミレーションは先行研究で取得されたデータを用いてC言語を用いたシュミレーションである.この結果として,各条件で電流値の最大傾きを捉えることが出来た. この本研究で考えたC言語プログラムの回路内ロジックをEDT-FLP回路内のFPGA内にVHDLプログラムでメーカーに依頼し実装を行い,飛翔体の帯電を模擬するために回路をGNDせずにバイアス電圧で電位を変化させ実証実験を行った.この実証実験の結果として,各バイアス電圧での電流値の最大傾き付近を適切に中秋津で着ていることを確認した.また,この結果と先行研究での実証実験の結果とを比較すると開発当初のロジックに対して変更を加えた結果,この回路の性能を向上させることが出来た.
4/25(火) 14:30- 5F会議室 石城 (M1)
スーパーアースの大気獲得過程
概要: 質量が地球の数倍から数十倍程度のスーパーアースと呼ばれる系外惑星は,木星型惑星に比べれば薄いが,地球型惑星に比べて厚い大気を持つことが知られている.一般的な惑星系形成論では惑星がスーパーアースのような中途半端な厚さの大気を持つことは難しいが,原始惑星系円盤が散逸しつつある中で大気を獲得する状況を考えれば,惑星が中途半端な大気を持つ可能性がある. また,大学院では別のテーマで研究する予定なので,大学院での研究内容も説明する.
4/25(火) 14:30- 5F会議室 滑川 (M1)
MAVEN探査機の観測データ解析に基づく火星大気流出機構の研究
概要: 太古の火星は液体の水が存在できるほど温暖な気候だったが、その後何らかの理由で現在のような寒冷で乾燥した気候へ変化したと考えられている。この急激な気候変動の原因としては、CO2のような温室効果ガスの宇宙空間への流出が第1に考えられるが、このように大量のCO2を流出させることのできる機構についてはほとんどわかっていない。大気流出の主要機構の候補としては、火星の上層大気と太陽風の相互作用による惑星イオンの流出を挙げることができる。本研究においてはこの機構に着目し、NASAのMAVEN探査機の観測データを基に、火星の誘導磁気圏尾部において観測された濃く冷たいイオンアウトフローイベントの特徴を調べた。また同時に、MAVENの搭載機器の一つであるSTATICの観測データに基づき、流出しているCO2+イオンの数密度のより正確な推定についても試みた。
4/25(火) 14:30- 5F会議室 長谷川 (M1)
宇宙空間衝撃波の直接観測とデータ解析
概要: 今研究では地球近傍に存在する衝撃波であるバウショックについて、2015年に観測を行ったMMS衛星のデータを用いて解析を行った。その結果衝撃波のおおまかな構造がわかり、パラメータの1つであるθ_Bnが先行研究と矛盾しない範囲で求まった。






最終更新日 2017.09.19 <編集: 星>