2011年度 宇宙プラズマ研究系セミナー



■場所  :A棟5F会議室 (変更の場合は赤字)
■時間  : 水曜16:00-18:00 (変更の場合は赤字)
       ※後期から開始時間が1時間遅くなっています。
■連絡先 :松岡研D2 井口 恭介(iguchi [AT] stp.isas.jaxa.jp)
■備考  :発表時間は一人当たり45分程度 * 2人

2011年度 STPセミナ履歴
開催日時・場所 発表者 (所属・身分) [発表資料]
4/27(水) 15:00- 5F会議室 佐藤毅彦教授による基調講演
東北大学生の研究紹介
       宇野健(D2)[PDF]
       佐藤瑞樹(M2)[PPTX]
       丸野大地(B4)[PPTX]
全員による自己紹介
5/11(水) 15:00- 5F会議室 連合大会のための発表練習
       上村 洸太(M2)[PDF]
       荒井 宏明(M2)[PPTX]
       飯塚 裕磨(M2)[PPTX]
5/18(水) 15:00- 5F会議室 M1&Space master自己紹介
       北川 普崇(M1)[PDF]
       安田 憲生(M1)
       宮本 麻由(M1)[PPTX]
       樋口 武人(M1)[PPTX]
       Gonzalo Campos(Space master)
       Ricardo Moreno(Space master)
6/1(水) 15:00- 5F会議室 Sarah Badman(PD)
北野谷 有吾(D3)[PPT]
6/1(水) 15:00- 5F会議室 村上 豪(PD)[PPT]
井口 恭介(D2)[PDF]
6/15(水) 15:00- 5F会議室 横田 勝一郎(助教)[PDF]
安藤 紘基(D2)[PPTX]
6/22(水) 15:00- 5F会議室 山崎 敦(助教)
井筒 智彦(D3)[PPTX]
6/29(水) 15:00- 5F会議室 齋藤 義文(准教授)
西野 真木(PD)
7/6(水) 15:00- 5F会議室 長谷川 洋(助教)
神山 徹(OD)
7/13(水) 15:00- 5F会議室 浅村 和史(助教)
大島 亮(OD)
7/20(水) 14:00- 5F会議室 笠原 慧(助教)
7/27(水) 15:00- 5F会議室 大月 祥子(PD)
8/3(水) 15:00- 5F会議室 中村 琢磨(PD)
9/7(水) 16:00- 5F会議室 荒井 宏明(M2)
9/14(水) 夏の学校のためお休み
9/21(水) 16:00- 5F会議室 台風の影響により中止
9/28(水) 16:00- 5F会議室 木村 智樹(PD)
上村 洸太(M2)
10/5(水) 16:00- 5F会議室 中村 琢磨(PD)
飯塚 裕磨(M2)
10/12(水) 16:00- 5F会議室 垰 千尋(PD)
Adam Masters(Mullard Space Science Lab.)
10/19(水) 16:00- 5F会議室 SGEPSS講演会のための発表練習
       上村 洸太(M2)
       荒井 宏明(M2)
       飯塚 裕磨(M2)
10/26(水) 16:00- 5F会議室 松岡 彩子(准教授)
11/2(水) SGEPSS講演会のためお休み
11/9(水) 14:00- 5F会議室 修士研究論文中間発表
       14:00-14:45 松井 悠起(M2)
       14:45-15:30 酒井 恒一(M2)
       15:30-16:00 休憩(時間調整)
       16:00-17:30 飯田 祐輔(D3)
11/16(水) 16:00- 5F会議室
11/22(火) 13:00- 5F会議室 修士研究論文中間発表
       13:00-13:45 本間 達朗(M2)
       13:45-14:30 松井 祐基(M2)
       14:30-15:00 休憩(時間調整)
       15:00-15:45 齋藤 達彦(M2)
11/28(月) 16:00- 5F会議室 修士研究論文中間発表
       13:00-13:45 荒井宏明(今村研)
       13:45-14:30 飯塚裕磨(中村研)
       14:30-14:45 休憩(時間調整)
       14:45-15:30 上村洸太(齋藤研)
12/7(水) 16:00- 5F会議室 発表者の都合により延期
12/14(水) 16:00- 5F会議室 宮本 麻由(M1)
安田 憲生(M1)
12/21(水) 16:00- 5F会議室 北川 普崇(M1)
樋口 武人(M1)
1/11(水) 16:00- 5F会議室 Alessandro Retino
1/18(水) 16:00- 5F会議室 篠原 育(准教授)
1/25(水) 15:00- 5F会議室 鷲見 治一(教授)
2/1(水) 16:00- 5F会議室 修士研究論文中間発表
             荒井 宏明(今村研)
             飯塚 裕磨(中村研)
             上村 洸太(齋藤研)
2/8(水) 16:00- 5F会議室 修士研究論文発表会のため休み
2/15(水) 16:00- 5F会議室 発表者の都合により中止
2/22(水) 16:00- 5F会議室 Sarah Badman(PD)
2/29(水) 16:00- 5F会議室 安藤 紘基(D2)
3/7(水) 16:00- 5F会議室 垰 千尋(PD)
3/14(水) 16:00- 5F会議室 西野 真木(technical staff)
村上 豪(PD)
3/21(水) 16:00- 5F会議室 木村 智樹(PD)
井口 恭介(D2)



発表の概要
開催日時・場所 発表者 (所属・身分)
3/21(水) 16:00- 5F会議室 木村 智樹(PD)
Seasonal variations of Saturn's auroral acceleration region deduced from spectra of auroral radio emissions
概要:
 Multi-instrumental surveys of Saturn's magnetosphere by Cassini have indicated that auroral radio emissions (Saturnian Kilometric Radiation, SKR) and aurorae exhibit periodic behavior at around Saturn's rotational period with the north-south asymmetry and seasonal variations [e.g., Gurnett et al., 2010]. These rotationally periodic phenomena suggest that the magnetosphere-ionosphere coupling process and associated energy dissipation process (aurora & SKR) are dynamically dependent on both magnetospheric rotations and long-term conditions of the magnetosphere/ionosphere. This study investigated seasonal variations of Saturn's auroral acceleration region, which is the interface between the ionosphere and magnetosphere, based on a sufficient data volume of SKR observed by Cassini's Radio and Plasma Wave Science (RPWS) experiment. In this seminar, primary results will be presented.
3/21(水) 16:00- 5F会議室 井口 恭介(D2)
将来の磁気圏探査衛星搭載に向けたフラックスゲート磁力計の開発
Development of a digital fluxgate magnetometer using sigma-delta DAC for space missions
概要:
 磁気圏探査衛星には低周波磁場を測定するためにフラックスゲート磁力計が古く から搭載されている。1990年代になり、省電力で小型なディジタル方式フラック スゲート磁力計が開発され、2000年代には磁気圏探査衛星に搭載され始めた。こ のディジタル方式の測定精度は信号処理回路部のディジタル-アナログ変換器 (DAC:Digital to Analog Converter)の精度に強く依存する。現在、磁力計に 使用できるDACの分解能は14ビットまでしかないため、将来の磁気圏探査計画で 目標とする分解能20ビットには達しない。本研究ではこれまでに宇宙機用の部品 を用いて、既存の14ビットを超える16ビットのデルタ-シグマ変調方式DACを開発 した。さらに、そのDACを用いた磁力計を開発し、科学観測ロケットS-310-40号 機に搭載した。本発表では、開発した磁力計の性能評価結果とフライトデータの 解析状況を報告する。
3/14(水) 16:00- 5F会議室 村上 豪(PD)
「水星探査計画に向けた機器開発紹介 〜紫外分光器とナトリウム大気 カメラ〜」
Development of the spectroscopic instruments (PHEBUS and MSASI) for the BepiColombo mission
概要:
 水星大気の発見から20年以上が経過し、その存在は既に教科書にも載っている。 それにも関わらず、その生成過程は未だに同定されていない。そこで我々は水星 大気形成過程の解明を目指し、BepiColombo計画における搭載機器の開発を行っ てきた。一つはMPO衛星搭載の紫外分光装置PHEBUS、もう一つはMMO衛星搭載の水 星ナトリウム大気カメラMSASIである。PHEBUSは紫外領域(55-315 nm)における 分光観測を行い、水星表層の大気組成・分布を調べる。一方、MMO衛星搭載のナ トリウム大気カメラMSASIはファブリペロー干渉計を用いてNa D2線(589 nm)お ける分光撮像観測を行い、ナトリウム大気の空間分布および時間変化を調べる。 本発表ではこれらの機器の概要および開発状況を紹介したい。
3/14(水) 16:00- 5F会議室 Masaki N. Nishino (technical staff)
BepiColombo/MMO science operations planning
概要:
 BepiColombo is a joint mission to Mercury by JAXA and ESA, and it will be launched in 2015. One of the orbiters, Mercury Magnetospheric orbiter (MMO) developed by JAXA, will predominantly measure plasma environment of the extreme planet for 2 years after the orbit insertion in 2022. Meanwhile, because of tight restrictions by thermal environment in orbit of Mercury and limited source of telemetry, it is crucial for us to optimize the operations to obtain scientific data of better quality. We are planning operations of the orbiter, taking into account the thermal condition and the telemetry restriction at each Mercury's true anomaly. In this talk, I will briefly review the whole mission plan of BepiColombo and report the current situation of MMO science operations planning as well as acquisition procedure of three categories of scientific data.
3/7(水) 16:00- 5F会議室 垰 千尋(PD)
内部太陽圏の太陽風データ同化研究:双子実験による手法評価
Data assimilation of the solar wind in the inner heliosphere:twin experiments
概要:
 3次元磁気流体(MHD)太陽風モデルに惑星間シンチレーションの太陽風観測データ をアンサンブル・カルマンフィルタのデータ同化の手法を用いて 組み込むこと によって、太陽風を予測し太陽近傍のモデル関係式(流源関数)の変化を抽出する 手法の開発を行っている。再現実験(双子実験)による データ同化手法および流 源関数の制約の評価を紹介し、さらに実データを用いた今後の展開について議論 をしたい。  We develop a technique for predicting variations of the solar wind and source functions by incorporating wind velocity data from interplanetary scintillation (IPS) into a three dimensional magneto-hydrodynamic (MHD) solar wind model in the context of data assimilation using the Ensemble Kalman filter. In the data assimilation process, we constrain the solar wind source function which relates the observable magnetic field on the solar surface and terminal solar wind velocity. In this presentation, I will introduce "twin experiments" we performed to evaluate the data assimilation method.
2/29(水) 16:00- 5F会議室 安藤 紘基(D2)
金星大気における大気重力波の鉛直波数スペクトルと乱流スペクトル
概要:
Venus Expressの電波掩蔽によって得られた金星大気の温度の高度プロファイ ルから、高度65-80 kmにおいて重力波(鉛直波長1.5-15 km)に伴うと思われる 温度擾乱成分を抽出しそれの鉛直波数スペクトルを求め、さらに 赤道域(0?- 20?)、中緯度帯(20?-50?)、高緯度帯(50?-80?)、極域(80?-90?)の4つの 緯度帯に分類した。その結果、高緯度帯や極域では理論スペクトルに殆ど整合的 であり、この緯度帯では重力波が飽和している可能性を示唆する。 さらに我々は電波が高度70 km付近を通過する時の受信電波強度のシンチレー ションの周波数スペクトルを計算し、前述の4つの緯度帯で分類した。その結 果、高緯度帯や極域で得られたスペクトルのパワーが、赤道域や中緯度帯に比べ て3-4倍大きく、さらにスペクトルの傾きがコルモゴロフ則に良く従っているこ とを見出した。この空間スケールの密度擾乱を主に乱流が担っているとしたら、 この結果は高緯度ほど強い乱流が生じていることを示すと同時に、これらの緯度 帯で重力波が砕波し、それに伴う乱流拡散が生じていることの裏付けになると考 えられる。 Vertical wavenumber spectra of Venus gravity waves were obtained for the altitude range 65-80 km from temperature profiles acquired by the Venus Express radio occultation experiments and classified in terms of four latitude regions; equatorial region (0?-20?), middle latitude region (20?-50?), high latitude region (50?-80?), polar region (80?-90?). As a result, in high latitude and polar region, spectral density is almost consistent with theoretical saturation spectrum, which suggests that gravity wave saturation occurs also in these regions in the Venus atmosphere. Moreover I calculated the intensity scintillation spectra near the altitude of 70 km from the time development data of the received intensity and classified in terms of four latitude regions as described above. As a result, spectral densities in the high latitude and polar region are 3-4 times as large as in the equatorial and middle latitude regions and Kolmogorov inertial subrange could be seen. This implies that turbulent diffusion associated with the gravity wave breaking occurs in these regions.
2/22(水) 16:00- 5F会議室 Sarah V. Badman(PD)
Auroral signatures of transient reconnection at Saturn's magnetopause
概要:
2/1(水) 16:00- 5F会議室 荒井 宏明(今村研)
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係
概要:
 金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65 km では風速100 m s−1 に も達する。これはスーパーローテーションと呼ばれ気象学における大きな謎の一 つである。金星には高度45-70 km の領域に硫酸の雲層が存在しており、雲層上 部で太陽光の吸収により熱潮汐波が励起される。この熱潮汐波に伴う上下への運 動量輸送がスーパーロテーションの生成・維持に重要な役割を担っている可能性 が指摘されている。熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、基本場の風速 や大気安定度、熱潮汐波を励起する加熱の高度分布や加熱率など様々なパラメー タによって決まる。本研究では二次元プリミティブ方程式を用いて半日潮の熱潮 汐波の構造を数値計算し、背景場のパラメータを変化させたときに波によって輸 送される運動量がどう変化するかを調べた。この結果をもとに、金星大気のスー パーローテーションに熱潮汐波が寄与しているとしたらそれはなぜなのかを論じ る。また土星の衛星タイタンで観測されているスーパーローテーションに熱潮汐 が寄与しているかどうかも検討する。計算から、加熱域の広がり方を厚くすると 運動量フラックスが小さくなる傾向があること、加熱域の高度を高くすると運動 量フラックスが大きくなること、下層の粘性係数を小さくすると運動量フラック スが小さくなることなどが分かった。また、タイタンのパラメータで計算した場 合は、加熱域が地面付近にあるために、熱潮汐波が上向きにしか伝わらないこと が分かった。
2/1(水) 16:00- 5F会議室 飯塚 裕磨(中村研)
金星雲画像から探る紫外吸収物質の高度分布
Vertical distribution of UV absorber in the Venusian cloud layer inferred from cloud images
概要:
 金星大気では、紫外域において強い太陽光吸収があることが20世紀初めより知ら れている。しかし、波長365nm付近で強い吸収を示す物質につい て、その種類や 詳細な高度分布は明らかになっていない。雲層内に存在する吸収物質の高度分布 は、観測される金星ディスクの大局的な輝度分布に反映 されると考えらてい る。よって、この輝度分布を解析することが、吸収物質の高度分布を明らかにす る手がかりになると考えられる。 ESAの金星探査機Venus Express(VEX)搭載のVenus Monitoring Camera(VMC)の観 測により、様々な大気状況、様々な幾何学状態における観測データを繰り返し得 ることが可能となった。本研究では、このVMC紫 外画像を解析し、反射率の幾何 学依存性を明らかにした。その結果、反射率は太陽直下点付近で0.3-0.4程度、 太陽光入射天頂角の大きい領域で は、0.7-0.8程度まで増加することが明らかに なった。この分布が、吸収物質の高度分布の情報を含んでいるものと考えられる。 この解析結果と放射伝達計算を用い、吸収物質の高度分布の考察を行った。その 結果、高度分布の考察には、吸収物質の光学的厚さや存在高度に加え、 雲粒の 高度についても議論が必要であることが示唆された。また、一つの解として、 65-70kmに存在する光学的厚さ0.2の吸収層の上に、光学 的厚さ約1の非吸収層雲 が乗っているモデルを導いた。
2/1(水) 16:00- 5F会議室 上村 洸太(M2)
太陽風プロトン月面散乱における散乱角依存性の研究
Angular dependence of the solar wind proton scattered at the lunar surface
概要:
 月には地球のようなグローバルな磁場はなく濃い大気も存在しない為、太陽風 イオンは直接月面に衝突する。太陽風イオンの月面衝突後の振る舞いは、これま で月周辺におけるイオンの観測が殆どないため観測に基づいた理解はされていな い。「かぐや」衛星搭載プラズマ観測装置MAP-PACEにより、太陽風イオンが月面 との相互作用を介してエネルギーを失い反月面方向に出射する散乱現象が観測さ れた。観測された月面散乱イオンは質量分析の結果殆どがプロトンであり、太陽 風フラックスの0.1%〜1%が月面で散乱され衛星高度まで達していることが明らか となっている。  そこで本研究では太陽風プロトンの月面散乱の詳細を調べるため、MAP-PACEの 観測データを用い、太陽風プロトンの月面への入射角と散乱プロトンの月面から の出射角の関係、及び出射角に対するエネルギー特性を調べた。  その結果、散乱プロトンは太陽風の月面への入射方向ベクトルに対して180°反 対方向に出射する成分が主であり、散乱プロトンのもつエネルギーは出射特性と 関係があることが分かった。これらの特性は、月面の微視的な面を考慮した月面 散乱モデルを考えることにより理解可能であることを示した。
1/25(水) 15:00- 5F会議室 鷲見 治一 教授(CSPAR, University of Alabama)
A Dynamic and Realistic Outer Heliospheric Modelling and An Analysis of Voyager Observed High-Energy Electron Fluxes in the Heliosheath
概要:
 The Voyager spacecraft (V1 and V2) observed electrons of 6-14 MeV in the heliosheath which showed several incidences of flux variation relative to a background of gradually increasing flux with distance from the Sun. The increasing flux of background electrons is thought to result from inward radial diffusion. We compare the temporal electron flux variation with dynamical phenomena in the heliosheath that are obtained from our MHD simulations. Because our simulation is based on V2 observed solar-wind data before V2 crossed the termination shock, this analysis is effective up to late 2008, i.e., about a year after the V2-crossing, during which disturbances, driven prior to the crossing time, survived in the heliosheath. Several electron flux variations correspond to times directly associated with interplanetary shock events. One noteworthy example corresponds to various times associated with the March 2006 interplanetary shock, these being the collision with the termination shock, the passage past the V1 spacecraft, and the collision with the region near the heliopause, as identified by W.R. Webber et al. (JGR, 114, A07108, 2009) for proton/helium of 7-200 MeV. Our simulations indicate that all other electron flux variations, except one, correspond well to the times when a shock-driven magneto-sonic pulse and its reflection in the heliosheath either passed across V1/V2, or collided with the termination shock or with the plasma sheet near the heliopause. This result suggests that these variations in the electron flux should be due to either direct or indirect effects of magnetosonic pulses in the heliosheath driven by interplanetary shocks.
1/16(水) 16:00- 5F会議室 篠原 育(准教授)
磁気圏尾部のX磁気中性線近傍における波動観測:Geotail衛星の観測から
Wave activity around the X-line observed in the Earth's magnetotail:Geotail observation
概要:
 Geotail衛星は約20年間におよぶ観測によって、衛星が磁気圏尾部における磁気 リコネクション領域を横切ったと考えられる観測例は100例以上集まっている。 これまで、磁場拡散領域の深奥部を直接観測することについては、Geotail衛星 のプラズマ計測器の時間分解能では難しいと考えられていた。しかし、最近、 Nagai et al.,JGR (2011)に報告された2003/05/15の観測例では、理論的に考え られてきた磁場拡散領域内におけるイオンと電子のデカップルした運動の様相が 綺麗に捉えられており、Geotail衛星は過去もっともX型磁気中性線に接近したと 考えられる観測例が発見された。 我々はこの観測例について、プラズマ計測に比べて時間分解能の高い電磁場・プ ラズマ波動計測のデータをすることで、磁場拡散領域内の波動の活動について解 析を行った。その結果、もっとも磁場拡散領域に接近したと推定されている数秒 間に対応して、波動の活動が極めて弱くなっていることを見いだした。この結果 は、磁気圏尾部リコネクションの磁場拡散領域中で支配的な物理は乱れた電磁場 による異常抵抗によるものではなく、無衝突リコネクション的なプロセスである ことを示唆する。本セミナーの講演では、尾部リコネクションとプラズマ波動の 関係についてこれまでの研究の簡単なレビューと共に、上記の解析の詳細を示 し、尾部リコネクションの磁場拡散領域の構造について議論を行う。
1/11(水) 16:00- 5F会議室 Alessandro Retino
概要:
12/21(水) 16:00- 5F会議室 北川 普崇(M1)
木星磁気圏の太陽風動圧への応答
Jovian Magnetospheric Response to Solar Wind Dynamic Pressure
概要:
 過去のフライバイや周回観測により木星磁気圏の平均的な構造は 知られているものの太陽風への磁気圏の応答はよくわかっていない。 その最大の要因は木星軌道における太陽風モニターが存在しないことである。 Tao et al. [2005]は地球付近での太陽風データをMHDシミュレーション を用いて伝播させることで木星軌道での太陽風動圧を計算し、磁気圏内 での応答を調べた。本研究では粒子や電波のデータまで含めた、より詳細 な解析を試みている。本発表では磁場データの解析に重点をおいて解析の現状を 報告する。
12/21(水) 16:00- 5F会議室 樋口 武人(M1)
金星の雲層における対流
Cloud-Level Convection in the Venus Atmosphere
概要:
金星は高度45-70kmに存在する硫酸の雲に覆われている。Venus Express 探査機搭載Venus Monitoring Cameraから、低緯度地方の雲層内において 水平スケールが数100kmにも及ぶセル状の構造が確認されている。Pioneer Venousの観測では、金星大気は高度48-55kmで安定度が悪くなっており、 この高度で対流が生じていることが示唆されている。以上のことから金星の 雲層の対流は大きな水平スケールを持つとともに高度55km以上の安定層へ 貫入する性質があり、地球でみられる対流とは大きく異なっている。 本研究では、対流の様相を決めているものが何かを理解するためにメソスケ ールの気象モデル「CReSS」を使って数値シミュレーションを行っている。 金星の対流に関する先行研究から対流層の上下の安定層に貫入する対流が計 算されているが、再現されたセル水平スケールが観測に比べ小さいこと、熱 拡散近似を用いた放射を仮定していることが問題点として挙げられる。 本発表では、先行研究の紹介を行い、問題を解消する放射をどのように計算 に取り入れるべきか考察する。次に実際に金星の雲層付近のパラメータを使 用して、上向きの短波放射と下向きの長波放射を取り入れた対流の計算結果 を示す。異なる加熱強制によって対流の様相がどのように変化するのか、こ こまでの計算結果をもとに議論する。
12/14(水) 16:00- 5F会議室 宮本 麻由(M1)
金星探査機「あかつき」を用いた太陽コロナの電波掩蔽観測
Radio occultation observation of solar corona with the Venus Climate Orbiter "Akatsuki"
概要:
 現在太陽周回軌道を航行中の金星探査機「あかつき」は2011年6月6日〜7月8日 にかけて、太陽コロナの電波掩蔽観測を行った。これは地上局から見て探査機が 太陽の背後へ入出する際、探査機から送信された電波が太陽表層を通過し地上局 に届くことを利用した観測で、その結果として電波の受信周波数(位相)や強度が 変化する。したがってこの観測により得られたデータを解析することで太陽風中 の電子密度擾乱スペクトルや太陽風速度の情報を得ることができる。特に今回の 観測では1.5Rs(太陽半径)という、従来行われてきた観測と比べ、より太陽近傍 の範囲まで観測を行うことができた。また太陽との距離が特に近い6月24〜27日 には太陽観測衛星「ひので」との同時観測も行った。  本発表では、周波数情報から得られた電子密度擾乱スペクトルの解析結果とそ の解析に必要なパラメータ値の検討について報告する。
12/14(水) 16:00- 5F会議室 安田 憲生(M1)
温度異方性不安定による波動励起の1D PICシミュレーション
One dimension PIC simulation of exciting waves caused by temperature anisotropy instability
概要:
 宇宙空間は無衝突のプラズマで満たされているが、無衝突にも関 わらずエネルギーの散乱が起こるのはプラズマの集団的な振る舞い によって励起する波動との粒子-波動相互作用によるものである。 今発表では温度異方性不安定性による波動励起とそれに伴う異方性 の緩和について触れる。温度異方性は磁気リコネクションの発達過 程にも関わる重要な要素であり、今後の研究の一助となると期待し ている。シミュレーションではParticle in cell(PIC)法を用いて、 高い温度異方性の緩和と磁場の擾乱ついて解析を行った。イオン・ 電子個別に高い異方性を与えたケースと両方に異方性を与えた場合 の異方性の緩和の様相の違いを比較をして、議論する。
11/28(月) 13:00- 5F会議室 荒井 宏明(今村研)
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係
The relationship between the momentum transport by thermal tides and the vertical structure of the atmosphere on Venus
概要:
 金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65kmでは風速100m/sにも達する。 これはスーパーローテーションと呼ばれ大きな謎の一つとなっている。 金星には高度45-70kmの領域に硫酸の雲が存在しており、雲層上部で太陽光の吸 収により熱潮汐波が強制される。この熱潮汐波に伴い運動量が地表面へ輸送され ることがスーパーローテーションの維持に重要な役割を担っていると考えられて いる。(Fels and Lindzen, 1974; Plumb, 1975; Takagi and Matsuda, 2007)  熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、平均流の風速や安定度など様々 なパラメータにより決まる。また、仮に熱潮汐波が励起される加熱域の高度分布 や加熱率が実際の金星のものと異なる場合にも、輸送される運動量や平均流の加 速率は異なると予想される。金星大気における熱潮汐波の計算はTakagi and Matsudaにより行われているが、これはパラメータ依存性を調べるようなもので はない。そこで本研究では波による運動量輸送を背景場に応じて解析的に計算 し、その鉛直分布からスーパーローテーションの維持にはどのパラメータのどの ような鉛直構造が本質的な寄与をしているかを考察する。
11/28(月) 13:00- 5F会議室 飯塚 裕磨(中村研)
金星雲画像から探る紫外吸収物質の高度分布
Vertical distribution of UV absorber in the Venusian cloud layer inferred from cloud images
概要:
 金星大気の紫外吸収物質としてはSO2の存在が古くから知られているが、365nm 付近の観測を中心に大きなコントラストのあるとされる未同定吸収物質について は、その種類や高度分布などは未だ明らかになっていない。この高度分布を明ら かにすることは、その高度付近のエネルギー収支や大気運動への影響、光化学反 応などの理解に役立つことが期待される。  2006年より金星周回軌道に入り観測を続けるESAのVenus Express搭載のVenus Monitoring Camera(VMC)により連続した紫外観測データが得られるようになっ た。これにより金星ディスクの大局的な輝度分布を利用した解析が可能となっ た。 我々は現在までに、2006年5月から2008年5月の約2年間のVMC紫外画像を解 析し、雲構造に依らない輝度分布調べた。その結果、観測される輝度分布につい て、太陽光入射天頂角が大きいほど輝度も大きくなる傾向を見ることができた。 これが吸収物質の高度分布による性質を表していると考えられる。これについて 放射伝達計算による初期解析を行った結果、吸収の少ない薄い層の下に吸収層の 存在するモデルにおいて、画像より得られた特徴に近いものを見ることが出来 た。現在、より現実的な金星大気モデルについての計算を進めている。  本発表では、これまでの解析結果を報告し、紫外吸収物質の高度分布について の議論を行う。
11/28(月) 13:00- 4F会議室 上村 洸太(齋藤研)
太陽風プロトンの月面散乱における出射角依存性の研究
Angular dependence of the solar wind proton scattered at the lunar surface
概要:
 月には地球のようなグローバルな磁場はなく濃い大気も存在しない為、太陽風 イオンは直接月面に衝突する。太陽風イオンの月面衝突後の振る舞いは、これま で月周辺におけるイオンの観測が殆どない為観測に基づいた理解はされていない。  「かぐや」衛星搭載プラズマ観測装置MAP-PACEにより、太陽風イオンが月面と の相互作用を介してエネルギーを失い反月面方向に出射する散乱現象が観測され た。観測された月面散乱イオンは質量分析の結果殆どがプロトンであり、太陽風 フラックスの0.1%〜1%が月面で散乱され衛星高度まで達していることが明らかと なっている[Saito et al., 2008]。  そこで本研究では太陽風プロトンの月面散乱の詳細を調べるため、MAP-PACEの 観測データを用い、太陽風プロトンの月面への入射角と散乱プロトンの月面から の出射角の関係、及び出射角に対するエネルギー特性を調べた。  その結果、散乱プロトンは太陽風の月面への入射方向ベクトルに対して反対方 向に出射する成分が主であり、散乱プロトンのもつエネルギーは出射特性と関係 があることが分かった。これらの特性は、月面の微視的な面を考慮した月面散乱 モデルを考えることにより理解可能であることを示した。  今回の発表では、これら解析結果の詳細について述べる。
11/22(火) 13:00- 5F会議室 本間 達朗(M2)
低高度からのプラズマ圏撮像観測に最適な光学系の開発
Plasmaspheric EUV imager onboard ISS
概要:
近年、プラズマを可視化することで、プラズマ圏の大局的な構造を把握しようと する試みがなされている。我々はプラズマ圏と電離圏の境界領域の物理を理解す ることを目的とした極端紫外光撮像装置EUVIを開発し、国際宇宙ステーション ISSから撮像観測を行う予定である。ISSの軌道の制約から、EUVIは過去の極端紫 外光撮像装置に比べて撮像時間が短くなるため、高感度の検出器を開発する必要 がある。本研究では、検出器であるマイクロチャンネルプレートの表面にヨウ化 セシウムの薄膜を生成することで、紫外光検出効率を大幅に向上させた。その結 果、EUVIは短い撮像時間でプラズマの大局的な構造を捉えうる性能を達成した。
11/22(火) 13:00- 5F会議室 松井 祐基(岩上研)
金星雲上におけるHDOの緯度分布定量
Latitudinal distribution of HDO abundance above Venus' clouds by ground-based 2.3 μm spectroscopy
概要:
1982年にパイオニアヴィーナスの質量分析機が多量のDを観測して以来、地球に 比べて非常に大きな金星のD/H比は、かつて金星に水が存在した証拠として多く の研究者に興味を持たれてきた。90年代までにいくつかの観測が行われ、高度 60km以下における金星のD/H比は地球のD/H比の120倍程度と考えられてきたが、 2005年にESAより打ち上げられたVExが高度80km付近のD/H比が地球のD/H比の240 倍であるという結果を観測した。この結果を受けて、我々は2010年8月にハワイ のマウナケア山頂からの分光観測により世界で初めてとなる金星の高度62-67km におけるHDOを定量を試みた。この結果以前から議論されてきた金星のD/H比が地 球の比より二桁大きいということだけでなく高高度でD/H比が大きくなるというD /H比の高度構造があることが確認された。D/H比の高度構造を構築するメカニズ ムについては過去にHDOとH2Oの光解離の差で説明が試みられているもののうまく 説明できていない。そこで我々は雲の凝縮、蒸発プロセス、HとDの散逸速度の違 いによってD/H比の高度構造が構築されるのではないかと考えた。本発表では、 HDOのような金星の微量成分の定量方法、定量結果の説明に加え、D/H比の高度構 造構築メカニズムの妥当性を議論する。
11/22(火) 13:00- 5F会議室 斎藤 達彦(星野研)
宇宙線変成衝撃波の挙動に関する研究
A study on features of cosmic ray modified shock
概要:
銀河系内部で生成される銀河宇宙線の主たる生成場所は超新星残骸中の衝撃波で あると考えられており、実際のX線観測からもそれが示されている。 衝撃波における粒子加速理論としては、Bell (1978)、Blandford & Ostriker (1978) によって提案されたDiffusive Shock Acceleration (DSA) 理論がある。 DSAによる粒子加速が進み、衝撃波近傍で宇宙線が十分生成されると、宇宙線が 背景の衝撃波に対して反作用を及ぼし、それを受けて衝撃波の構造が大きく変化 する。こうした、宇宙線と衝撃波の相互作用が進んだ非線形段階の衝撃波は”宇 宙線変成衝撃波”と呼ばれ、近年の観測から、その存在が予見されている。 本研究では、Drury & Voelk (1981) らの2流体モデルを用いて、衝撃波を形成 する背景プラズマとその中で加速された宇宙線をともに流体として取り扱い宇宙 線変成衝撃波の構造及び挙動を流体スケールから調べることを目的としている。 2流体に系を拡張した場合、通常の1流体衝撃波のランキン・ユゴニオ関係が修正 され、1価関数から多価関数へと変化する。この多価関数領域における挙動を数 値計算を通して議論する。
11/9(水) 14:00- 5F会議室 飯田 祐輔(D3)
太陽静穏領域における磁束維持に関する研究
Solar magnetic flux maintenance in quiet Sun
概要:
 多くの太陽表面活動現象は磁場活動により駆動されており、その維持機構の理 解は重要であると考えられてきた。太陽表面の磁場は、"Magnetic Carpet"とよ ばれ太陽表面のいたるところに存在するが、どのようにして維持されているのか は理解されていない。これらのことから、太陽表面磁場の理解は太陽物理学上の 重要性のみならず、対流場磁場分布形成の物理として興味深い。近年の観測技術 の発展により、太陽表面磁場の時間発展の詳細を安定して長い時間直接撮像観測 することができるようになってきた。本研究では、最新の観測衛星「ひので」の データを用いて、太陽表面の磁場活動の定量化を行い、その維持機構の理解を目 標とした。  太陽表面の磁極は、磁極の出現・分裂・合体・消滅の4つの過程により、生 成・維持されていると考えられる。しかし、現実の太陽ではこれら4つの過程は 非常に多く起こっており、その定量化についてはコンセンサスが得られていな い。例えば、太陽表面磁場総量、出現頻度、消滅頻度は時代が進むにつれて値が 変わっていき、これらの物理量は定量的にはコンセンサスを得られていない。 Parnell et al.(2009)により、太陽表面磁極の磁束量のべき分布が報告された。この分布 は活動領域から静穏領域のネットワーク磁場(対流セルの隅にはき寄せられた磁 場)まで共通であり、そのべき指数は-1.85であった。-2よりも大きなべき指数 は、大きな磁束量を持つ磁極が、総磁束量を支配していることを意味している。  本研究では、ひので衛星による太陽表面磁場観測データを用いて、磁極の出 現・分裂・合体・消滅過程の頻度を調べた。これらの過程の検出には、Hagenaar 博士と共同で開発した自動判別コードを用いた。磁場観測データには、「ひの で」衛星の視線方向磁場データ2セットを用いて解析を行った。本発表では、こ れらの結果から得られた各過程の頻度と磁極の分裂・合体・消滅頻度の磁束量依 存性の結果から、どのような物理で磁束量分布が維持されているか・今までなぜ これらの定量化についてコンセンサスが得られなかったかについて議論する。
11/9(水) 14:00- 5F会議室 酒井 恒一(M2)
プラズマ圏shoulderの形成とovershieldingの関係
Examination of overshielding electric field using ground-based magnetometer data associated plasmaspheric shoulders found in the global EUV images
概要:
IMAGE衛星搭載のEUV望遠鏡はプラズマ圏を撮像観測し、その複雑な構造を明らか にした。地球外側へプラズマ圏が張り出したような構造はshoulderと名付けられ た。本研究はshoulderの形成メカニズムを考察する。shoulderは対流電場とは逆 向きのovershielding電場によるプラズマの運動によって形成するということが Goldstein et al. [2002, 2003]によって示された。本研究はKikuchi et al.[2000, 2001, 2008]の手法を用いて地上磁場観測データからovershielding電 場を同定し、shoulderの観測との同時性を示し、形成メカニズムを議論する。
11/9(水) 14:00- 5F会議室 松井 悠起(M2)
彩層蒸発ジェットの観測と数値計算による再現
Multi-wavelength spectroscopic observation and numerical simulation of solar chromospheric evaporation jets
概要:
太陽大気中ではコロナジェットと呼ばれる突発的な放出現象が見られる。 コロナジェットはコロナ中の磁場と浮上磁場の磁気リコネクションによって生 じ、またその際にともなう彩層蒸発により音速程度まで加速されると考えられて いる。 話者はこれまでジェットの観測と数値計算の研究を行なってきた。話者が行った 分光観測の結果ジェットの速度が温度に依存しておらず、また低温のジェットは 音速を大きく超えていることを発見した。この結果から彩層蒸発ジェットが磁気 的な力によって加速されていることが示唆される。 この磁気的な加速を数値計算により示すため、コロナ中の斜め磁場と浮上磁場の 磁気リコネクションの2次元MHDシミュレーションを行った。非等方的な熱伝導・ 放射・コロナ加熱を取り入れた結果、彩層蒸発ジェットの再現に成功した。 今後彩層蒸発ジェットの磁気的な加速の観測と比較した研究を行う予定である。 Solar jets are known as the plasma ejection in the solar corona and strongly believed to be produced by the magnetic reconnection. In our previous work, we have studied the relationship between the velocity and the temperature of a solar EUV jet. Multi-wavelength spectral observations with EIS/Hinode allow us to know Doppler velocities at the wide temperature range. What we found is as follows: (1) The jet consists of multi-temperature plasma in a few 10,000K to a few MK range. (2) The observed speed of the jet does not have dependence on the plasma temperature that is expected by the evaporation scenario. We interpret that the chromospheric evaporation jet have been accelerated by the magnetic Lorentz force over the speed expected by the evaporation scenario. To understand the magnetic acceleration, we reproduce the chromospheric evaporation jet in the oblique coronal magnetic ?eld based on a magnetic reconnection model by two-dimensional MHD simulation. Magnetic reconnection occurs between the oblique coronal magnetic ?eld and the emergence of magnetic ?ux from the convection zone. Firstly, cool and dense plasmoid is created between the coronal magnetic ?eld and the emergence ?ux and ejected by magnetic reconnection. After the ejection, evaporation jet occurs at the foot point of the reconnected magnetic ?eld. This simulation includes the effect of heat conduction, radiation and coronal heating and keep the corona stable. As the future work we will compare the magnetic acceleration in the observation and simulation.
10/26(水) 16:00- 5F会議室 松岡 彩子(准教授)
水星の磁場観測:マリナー10、メッセンジャー、ベピ・コロンボ
Measurement of the magnetic field of Mercury: Mariner 10, Messenger, and BepiColombo
概要:
水星の磁場および磁気圏の観測について、マリナー10の成果のレビュー、メッセ ンジャーによる最新の成果、およびベピ・コロンボで期待される展望を紹介する。 マリナー10は1974年から1975年にかけて水星をフライバイし、水星の磁場や磁気 圏に関する知見を初めてもたらした。メッセンジャーは今年3月に水星周回軌道 に入った、初の周回衛星である。軌道投入から6か月が経過し、成果が出始めて いる。JAXAとESAが2014年に打ち上げるベピ・コロンボは現在フライトモデルの 製作・試験中である。メッセンジャーに対する優位性、期待される成果を紹介す る。 The magnetic field and magnetosphere of Mercury was firstly observed by Mariner 10 in 1974 and 1975. The planetary-scale magnetic field and very active magnetosphere were found from the data during the fly-by orbits. After 36 years, in March 2011, Messenger succeeded to be inserted into the orbit around Mercury. New findings are now emerging after six months observation. And now JAXA and ESA are building BepiColombo spacecraft to launch them to Mercury in 2014. Its advantage over Messenger and expected results will be discussed.
10/19(水) 16:00- 5F会議室 荒井 宏明(M2)
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係
The relationship between the momentum transport by thermal tides and the vertical structure of the atmosphere on Venus
概要:
金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65kmでは風速100m/sにも達す る。これはスーパーローテーションと呼ばれ大きな謎の一つとなっている。 金星には高度45-70kmの領域に硫酸の雲が存在しており、雲層上部で太陽光の吸 収により熱潮汐波が励起される。この熱潮汐波に伴う上下への運動量輸送が スーパーローテーションの維持・生成に重要な役割を担っていると考えられて る。(Fels and Lindzen, 1974; Plumb, 1975; Takagi and Matsuda, 2007) 熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、基本場の風速や大気安定度など様 々なパラメータにより決まる。また、仮に熱潮汐波が励起される加熱域 の高度 分布や加熱率が異なる場合にも、輸送される運動量や平均流の加速率は異なると 予想される。 本研究では波による運動量輸送を背景場に応じて解析的に計算し、その鉛直分布 からスーパーローテーションの維持・生成にはどのパラメータのどのような鉛直 構造が本質的な寄与をしているかを考察する。今回の発表では特に大気の鉛直安 定度と加熱域の高度に注目する。
10/19(水) 16:00- 5F会議室 飯塚 裕磨(M2)
雲画像及び放射伝達計算を用いた金星大気の紫外吸収物質の高度分布
Vertical distribution of UV absorber in the Venusian cloud layer inferred from cloud images and radiative transfer calculations
概要:
 金星大気の紫外吸収物質としてはSO_{2}の存在が古くから知られている。しか し、他にも存在するとされる未同定吸収物質については、365nm付近を中心に比 較的大きなコントラストがあることは過去の観測より知られているものの、その 種類や高度分布などは未だ明らかになっていない。  雲層内の吸収物質の高度分布は、金星ディスクの大局的な輝度分布に反映され ると考えられる。例えば、吸収が無く散乱のみ行う雲層の場合、太陽直下点が最 も明るく夜側に向かって暗くなるはずである。しかし、散乱のみ行う雲層の上に 吸収層がある場合にはディスクの端で暗くなる傾向が強くなり、逆に吸収層の上 に薄い散乱層がある場合には逆の傾向が現れるであろう。2006年より金星周回軌 道に入り現在も観測を続けるESAのVenus Express搭載のVenus Monitoring Camera(VMC)により連続した紫外観測データが得られるようになった。これによ り、上記のような傾向を利用した解析が可能になった。  我々は、今までに2007年7月21日より連続した8日間のVMC紫外画像を調べた。 これより観測される輝度分布は、衛星方向天頂角依存性は低く、太陽光入射天頂 角依存性が高いという特徴が見られた。また、太陽光入射天頂角が大きいほど輝 度も大きくなる傾向も見られた。これが吸収物質の高度分布による性質を表して いると期待される。  そこで放射伝達計算による解析を実施した。予備計算で見られたモデルの振る 舞いは、そのパラメータにより様々ではあったが、吸収の少ない薄い層の下に吸 収層の存在するモデルにおいて、画像より得られた特徴に近いものを見ることが 出来た。本解析は現在進行中であり、パラメータとして光学的厚さや散乱位相関 数などを変化させることで、VMCデータとより整合するモデルを検討している。 この結果が、未同定吸収物質の生成に関する情報を得る手がかりや、その高度付 近のエネルギー収支および大気の運動への影響を知る手がかりとなることが期待 される。  本発表では、得られた結果を報告し、その意味について考察を加える。
10/19(水) 16:00- 5F会議室 上村 洸太(M2)
太陽風プロトンの月面散乱における散乱角依存性の研究
Angular dependence of the solar wind proton scattered at the lunar surface
概要:
月には地球のようなグローバルな磁場はなく、大気も存在しないことが知られて いる。その為地球とは異なり、太陽風は月表面に直接衝突する。月周辺の低エネ ルギー電子の振る舞いは過去にアポロ計画、ルナプロスペクターに代表される衛 星によって観測が行われており比較的よく理解されている。しかし月周辺の低エ ネルギーイオンの振る舞いは、過去に観測が殆どないため観測に基づいた理解は されていない。「かぐや」衛星搭載MAP-PACEのイオン観測器IMA によるこれまで の観測により、太陽風プロトンが月表面との相互作用を介してエネルギーを失い 反月面方向に出射する散乱現象が観測された。  本研究では太陽風プロトンの月表面散乱の詳細を調べるため、IMAの半球面の 視野の16x64に分割して観測したデータを利用し、太陽風プロトンの月面に対す る入射角と散乱プロトンの月面上での出射角との関係、及び月面散乱における散 乱プロトンのエネルギー特性を調べた。その結果、散乱プロトンは太陽風プロト ンの月面への入射ベクトルに対して反対方向に出射する背面出射成分と鏡面反射 の方向に出射する前面出射成分の2つが存在することが分かった。本発表では散 乱プロトンの月面における出射特性及び出射角に対するエネルギー特性について 発表する。
10/12(水) 16:00- 5F会議室 Adam Masters(Mullard Space Science Lab.)
The interaction between the solar wind and Saturn's magnetosphere
概要:
Compared to the terrestrial magnetosphere, Saturn's magnetosphere is enormous. The planet's icy satellites represent a significant internal plasma source, and the transfer of angular momentum from the planet to magnetospheric plasma via electric currents leads to a system that is dominated by plasma flow in the sense of planetary rotation. In some respects the nature of the interaction between the solar wind and Saturn's magnetosphere is similar to that between the solar wind and Earth's magnetosphere. Magnetic reconnection and growth of the Kelvin-Helmholtz (K-H) instability, two important processes that can operate at the terrestrial magnetopause, can also occur at Saturn's magnetopause. However, there are a number of open issues concerning the physics of the solar wind-magnetosphere interaction at Saturn, including the puzzle of why evidence for dayside reconnection appears to be limited. I will review current understanding of this interaction based on observations made by the Cassini spacecraft. I will focus on topics where there is evidence for differences with the Earth interaction, or where unexpected results have been obtained.
10/12(水) 16:00- 5F会議室 垰 千尋(PD)
木星赤外オーロラ輝線を用いたオーロラ電子エネルギー推定の提案
On the feasibility of characterizing Jovian auroral electrons via infrared line-emission analysis
概要:
Ground based telescopes can monitor Jovian infrared (IR) auroral activities continuously for an extended time interval. Here we investigate the feasibility of characterizing the Jovian auroral electrons via IR line-emission analysis. The energy dependence of the line intensity shows up through different altitude profiles of the non-local thermodynamic equilibrium effect among vibrational levels. We pick up best line sets for energy estimates and discuss its applicability for the observation. 外惑星の赤外H3+オーロラは地上観測可能な輝線をもつ。赤外オーロラはH3+の熱 励起放射であり、観測される発光輝線から背景温度やH3+気柱密度について、議 論されてきた。高緯度ではH3+そのものはオーロラ電子によって主に生成され る。また、赤外放射によって振動励起状態にあるH3+密度は熱平衡分布から解離 し、この効果はH2密度が小さいほど大きく、高度依存性を持つ。本研究は、この 高度依存性を利用し、赤外オーロラ輝線から発光を引き起こした電子エネルギー の見積もり方法を、新たに提案する。エネルギー見積もりによい輝線の組み合わ せの調査や、観測への応用を議論したい。
10/5(水) 16:00- 5F会議室 中村 琢磨(PD)
日本における育児をしながらの仕事:ある若手研究者の場合
Raising young children while working in Japan: A case of a young scientist
概要:
日本は世界の中で、男性は仕事・女性は家事育児と家庭内で分担する比率が極め て高い国の一つである。この風潮は男性を家事育児から遠ざけ、また家事育児を 行う女性の社会参加の妨げとなっている。さらに、社会参加している女性の家事 育児への不安を導き少子化問題の直接的な原因となっている。このような日本の 社会を、上記の比率の低い性別に関係なく誰もが参加できる社会へ転換させるた めには、家事育児を行いながら本格的な仕事を行うことが可能となる環境が整う 必要がある。セミナーでは、育児をしながら本格的に仕事を行うためには何が必 要か、という研究テーマに対する、若手研究者という立場における実体験に基づ いた検証結果を報告する。一般に、家事育児を行いながら仕事を行うには、時間 の制約による物理的な難しさ、社会の気運による精神的な難しさの2点を克服す る必要がある。検証の結果、若手研究者が上記の2点を克服するにはある一定の 条件が整う必要があることが分かった。セミナーでは検証結果の詳細を報告し、 また、検証結果を元にSGEPSSおよびISAS/JAXAの男女共同参画への取り組みへ提 言を行う。
10/5(水) 16:00- 5F会議室 飯塚 裕磨(M2)
金星雲画像解析から探る紫外吸収物質の高度分布
Vertical distribution of UV absorber in the Venusian cloud layer inferred from cloud images
概要:
 金星大気の紫外吸収物質としてはSO2の存在が古くから知られているが、365nm 付近の観測を中心に大きなコントラストのあるとされる未同定吸収物質について は、その種類や高度分布などは未だ明らかになっていない。この高度分布を明ら かにすることは、その高度付近のエネルギー収支および大気の運動への影響を知 る手がかりとなることが期待される。  2006年より金星周回軌道に入り観測を続けるESAのVenus Express搭載のVenus Monitoring Camera(VMC)により連続した紫外観測データが得られるようになっ た。これにより金星ディスクの大局的な輝度分布を利用した解析が可能となっ た。 我々は、今までに2007年7月21日より連続した8日間のVMC紫外画像を解析 し、輝度分布を調べた。これにより観測される輝度分布について、衛星方向天頂 角依存性は低く、太陽光入射天頂角依存性が高いという特徴が見られた。また、 太陽光入射天頂角が大きいほど輝度も大きくなる傾向も見られた。これが吸収物 質の高度分布による性質を表していると期待される。これについて放射伝達計算 による解析を行った結果、吸収の少ない薄い層の下に吸収層の存在するモデルに おいて、画像より得られた特徴に近いものを見ることが出来た。 現在、より詳細な解析を行うために、より多くの雲画像データの解析を進めてい る。本発表では、この結果について報告する。
9/28(水) 16:00- 5F会議室 木村 智樹(PD)
ガニメデ極冠領域における高エネルギーイオン異方性による波動励起に関する考察
Wave excitation by anisotropic energetic ions above Ganymede's polar cap region
概要:
ガニメデは、木星磁気圏の重たく温かいプラズマに埋め込まれている極小磁気圏 を有する。その電磁場変動は、木星磁気圏プラズマの粒子運動論の影響が大きい と考えられているが、その物理過程の詳細は不明である。 本研究では現在、ガニメデ磁気圏と木星磁気圏が最も強く結合しているガニメデ の極冠領域に注目し、同領域における異方性の高い高エネルギーイオンと、関連 すると考えられている低周波波動の励起に関して理論的考察を行っている。これ により、木星磁気圏粒子から、ガニメデ磁気圏電磁場へのエネルギー変換過程の 一つを解明しようと試みている。発表では、その現状を報告する。
9/28(水) 16:00- 5F会議室 上村 洸太(M2)
太陽風プロトンの月面散乱における散乱角依存性の研究
Angular dependence of the solar wind proton scattered at the lunar surface
概要:
月には地球のようなグローバルな磁場はなく、大気も存在しないことが知られて いる。その為地球とは異なり、太陽風は月表面に直接衝突する。月周辺の低エネ ルギー電子の振る舞いは過去にアポロ計画、ルナプロスペクターに代表される衛 星によって観測が行われており比較的よく理解されている。しかし月周辺の低エ ネルギーイオンの振る舞いは、過去に観測が殆どないため観測に基づいた理解は されていない。「かぐや」衛星搭載MAP-PACEのイオン観測器IMAによるこれまで の観測により、太陽風プロトンが月表面との相互作用を介してエネルギーを失い 反月面方向に出射する散乱現象が観測された。  本研究では太陽風プロトンの月表面散乱の詳細を調べるため、IMAの半球面の 視野の16x64に分割して観測したデータを利用し、太陽風プロトンの月面に対す る入射角と散乱プロトンの月面上での出射角との関係、及び月面散乱における散 乱プロトンのエネルギー特性を調べた。その結果、散乱プロトンは太陽風プロト ンの月面への入射ベクトルに対して反対方向に出射する背面出射成分と鏡面反射 の方向に出射する前面出射成分の2つが存在することが分かった。出射量は殆ど が背面出射成分であり前面出射成分は僅かである。それぞれのエネルギー特性 は、太陽風プロトンの入射ベクトルに対して反対方向に出射する散乱プロトンが 最もエネルギー損失が大きく、その方向からずれるに従ってエネルギー損失は小 さくなることが分かった。これらの出射角度特性及びエネルギー特性は、月表面 の微視的な面を考慮したシンプルなモデルを考えることにより理解可能であるこ とを示した。本発表では、これらの詳細について報告する。
9/7(水) 16:00- 5F会議室 荒井 宏明(M2)
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係
The relationship between the momentum transport by thermal tides and the vertical structure of the atmosphere on Venus
概要:
金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65kmでは風速100m/sにも達す る。これはスーパーローテーションと呼ばれ大きな謎の一つとなっている。 金星には高度45-70kmの領域に硫酸の雲が存在しており、雲層上部で太陽光の吸 収により熱潮汐波が励起される。この熱潮汐波に伴う上下への運動量輸送がスー パーローテーションの維持・生成に重要な役割を担っていると考えられてる。 (Fels and Lindzen, 1974; Plumb, 1975; Takagi and Matsuda, 2007) 熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、基本場の風速や大気安定度など 様々なパラメータにより決まる。また、仮に熱潮汐波が励起される加熱域の高度 分布や加熱率が異なる場合にも、輸送される運動量や平均流の加速率は異なると 予想される。 本研究では波による運動量輸送を背景場に応じて解析的に計算しつつ平均流の時 間発展を解く。時間積分したときに最終的に維持される平衡状態は背景場のパラ メータにより大きく異なると予想される。たとえば、下層の粘性率や加熱領域の 高度分布などは、最終的に維持される平均流の鉛直分布に強く影響すると考えら れる。それらの値を変えたときに平衡状態での風速分布がどう変化するかを調べる。
8/3(水) 15:00- 5F会議室 中村 琢磨(PD)
数値シミュレーションを用いたケルビン・ヘルムホルツ渦による太陽風の磁気圏への流入過程の研究
Possible mechanisms of solar wind entry into the plasma sheet related to the Kelvin-Helmholtz vortex: Recent numerical studies
概要:
The Kelvin-Helmholtz vortex (KHV) has been believed to cause direct entry of the solar-wind plasma into the plasma sheet across the Earth's low-latitude magnetopause under northward IMF conditions. Indeed, KHVs have been frequently observed around the low-latitude magnetopause when the IMF is northward. In order to understand the precise solar-wind entry mechanism related with the KHV, a number of numerical simulations have been performed. Nevertheless, there is still no comprehensive understanding of the actual entry mechanism. Since the size of the observed KHVs is of MHD-scale, it may be expected that the behavior of the KHV can be described by the ideal-MHD equations. In the ideal-MHD, however, the frozen-in condition does not allow plasmas to be transported across the magnetic boundary. This indicates that non-ideal MHD effects should be considered to truly understand the actual entry mechanism. Fortunately, recent developments of computer resources allow non-ideal MHD simulations of the MHD-scale KHV to be performed. Such simulations have revealed that magnetic reconnection induced by the KHV can cause the effective solar-wind entry along reconnected field lines. Furthermore, recent kinetic simulations are quantitatively confirming the actual entry rate of the solar-wind plasma via the vortex-induced reconnection. In this presentation, we will discuss how important the KHVs are in the solar-wind entry into the plasma sheet.
7/27(水) 15:00- 5F会議室 大月 祥子(PD)
あかつき搭載IR1カメラによる金星昼面観測の初期報告
Initial report of the Venus' dayside observations with IR1 camera onboard the Akatsuki Venus Orbiter
概要:
2011年3月、あかつきが太陽と金星の間を通過する時期を利用し、 あかつき搭載カメラを用いた金星昼面測光観測を実施した。 紫外線から赤外線の4カメラ5波長において、 途切れ途切れではあるものの、3週間にわたる金星画像を取得した。 観測時の探査機-金星距離は千数百万kmで、画像中の金星像は4pix程度であった。 本発表では、IR1カメラで取得した0.90um昼面画像の初期解析結果を報告する。
7/20(水) 14:00- 5F会議室 笠原 慧(助教)
磁気嵐に伴う磁気圏界面からの相対論的電子流出:THEMIS観測
THEMIS observations of the relativistic electron loss through the magnetopause during a magnetic storm
概要:
It is well known that the flux of the relativistic electrons in the terrestrial magnetosphere substantially varies during magnetic storms. A statistical analysis shows that net increases of the flux are observed in about half of magnetic storms, whereas decreases or no net change are observed in the others. Such observations indicate that competing acceleration and loss mechanisms operate simultaneously. Top two candidates for the electron losses are: 1) precipitation into the atmosphere via pitch angle scattering due to the wave-particle interactions and 2) escape out through the magnetopause. However, the relative significance of each loss mechanism has not been well understood. A number of low-altitude observations have shown the significant amount of relativistic electrons precipitating into the atmosphere which can account for the radiation belt flux decrease. On the other hand, there has been little direct evidence of the electron escape through the magnetopause, resulting in the poor observation-based knowledge on the loss rate for the magnetopause loss. This situation has led me to have a look at data obtained by THEMIS, whose orbits and instruments are suitable to analyse the electron loss through the magnetopause. I have found the evidence of electrons flowing out through the open magnetic field during a storm main phase, for which IMF is predominantly southward. Quantification of the electron loss rate provides useful information for the discussion on the relativistic electron dynamics during magnetic storms.
7/13(水) 15:00- 5F会議室 浅村 和史(助教)
0.1-100eV イオンエネルギー質量分析器の開発
Development of 0.1-100eV ion energy mass spectrometer
概要:
磁気圏探査衛星などに搭載されるイオンエネルギー質量分析器では、 飛行時間分析 (TOF) 法を用いて質量分析を行うことが多い。 多くの場合、TOF 法では入射粒子に超薄膜カーボンを通過させることで 得られる二次電子をタイミング信号として使用する。しかし、入射粒子が 超薄膜を通過すると、角度散乱、エネルギーロス、荷電状態などに ばらつきが生じ、質量分解能を落とす要因となってしまう。この効果は 重粒子になるほど大きくなる。 現在、超薄膜カーボンを使用する代わりに、TOF 部の印加電圧を変化させる TOF 法を考えている。この TOF 法を用いた低エネルギー (0.1-100eV) イオン 質量分析器の設計について発表する。
7/13(水) 15:00- 5F会議室 大島 亮(OD)
火星大気波動の波数スペクトル解析
Wavenumber spectra analysis of the Martian atmospheric waves
概要:
本研究では、火星探査機 Mars Global Surveyor 搭載の赤外分光計 Thermal Emission Spectrometer による大気温度データを用い、火星大気中に存在する 波動の東西波数−周波数空間に於ける強度マップを作成した。このような解析 は地球大気では成果を挙げてきたものの、火星ではこれまでなされていなかっ た。 今回初めて作成した強度マップには、いくつかの興味深い構造を見出すことが できた。本発表ではこれらの構造が何を表すか議論したい。
7/6(水) 15:00- 5F会議室 長谷川 洋(助教)
多点観測を用いた三次元平衡磁場構造の再現
Recovery of three-dimensional, static magnetic field structures from multi-spacecraft data
概要:
We have developed a new data analysis method for reconstructing three-dimensional (3D), magnetohydrostatic (MHS) field and plasma structures from data taken by two closely separated spacecraft. Presented are the theory for the reconstruction, benchmark tests using an analytical solution of the MHS equations and 3D MHD simulation of localized guide-field reconnection, and preliminary results from application to a magnetopause flux rope-like event seen by the Cluster spacecraft. A proper spacecraft separation and future possibilities are also discussed.
7/6(水) 15:00- 5F会議室 神山 徹(OD)
雲頂高度における金星スーパーローテーションの時間変動について
Temporal variation of the super-rotation at the cloud top level of Venus
概要:
本研究ではVenus Express 搭載の Venus Monitoring Camera (VMC) により紫外波長で撮像された4年以上に渡る金星雲画像から風速決定を行い、スーパーローテーションの時間変動と金星大気中を伝播する惑星スケールの波動を調べた。VMCは南半球の赤道域から中高緯度帯を広範囲かつ高頻度で撮像しており、これらの緯度帯の風速やその変動を調べることに適している。得られた風速場の解析から、スーパーローテーションは赤道域において100日程度で約20m/s加速し、同様に100日程度で減速する準周期的な時間変動を示すことを発見した。また惑星スケールの波動が行う運動量輸送の計算から、このスーパーローテーションの時間変動に赤道ケルビン波・ロスビー波が強く寄与していることを示唆した。
6/29(水) 15:00- 5F会議室 齋藤 義文(准教授)
「かぐや」搭載MAP-PACE による地球磁気圏―月相互作用の観測
Interaction between the Moon and the Earth’s magnetosphere observed by MAP-PACE on Kaguya
概要:
 月は1ヶ月に3〜4日の間地球磁気圏内に滞在する。月にはグローバルな固有磁場も濃い大気もないことから、この間プラズマシートの暖かいプラズマは月表面に直接衝突することができ、一方で月面付近で生成されたプラズマが月周回軌道を飛行する衛星まで到達することもある。かぐや衛星搭載MAP-PACEは、月周辺プラズマの観測を100km高度、50km高度の極軌道、近月点高度10km程度の楕円軌道で行った。月の存在する約60Reの地球磁気圏尾部領域のプラズマは非常に希薄ではあるが、MAP-PACEは、ローブのコールドイオン、プラズモイドに伴うイオンの高速流、プラズマシートーローブ境界におけるコールドイオンの加速など、地球磁気圏尾部における電子/イオンの特徴的な分布を観測することができた。これまでのMAP-PACEの観測によると、1)月面あるいは月面近傍の月大気起源のイオン[Tanaka et al., GRL 36, L22106, 2009] 2)Gyro-loss 効果によるローブ/プラズマシート電子の特徴的な分布[Harada et al., GRL, 37, L19202,2010] 3)月昼間側と夜側で異なるローブープラズモイド/プラズマシート遷移領域の様子 などのいくつかの地球磁気圏―月相互作用に関わる現象がみつかっている。今回は、1)と3)についてこれまでに明らかとなってきた事を紹介する。
6/29(水) 15:00- 5F会議室 西野 真木(Technical staff)
低アルフヴェン・マッハ数太陽風のときの地球磁気圏の変形
Evidence of Strong Deformation of the Earth's Magnetosphere under Low Mach Number Solar Wind
概要:
The density of the solar wind (SW) around the Earth's magnetosphere at times decreases to only several percent of the usual value, and such density extrema results in a significant reduction of dynamic pressure and Alfven Mach number (Ma) of the SW flow. We show evidence of strong deformation of the magnetotail under low Ma SW and Parker-spiral IMF conditions, based on Geotail observations on both the dawn and dusk sides. The strong deformation of the magnetotail can be universal phenomenon, because it is attributed to the extremely low Ma (low beta) SW environment that may also take place around the Earth's magnetosphere passed by coronal mass ejections (CMEs) as well as around Mercury and in the interstellar medium outside the heliopause.
6/22(水) 15:00- 5F会議室 山崎 敦(助教)
SPRINT-Aによる大気散逸観測計画
Observation plan of exospheric escape by the SPRINT-A mission
概要:
再来年秋の打ち上げを目指して開発中の小型科学衛星一号機について 科学目的と開発状況を報告する。 現在詳細設計が完了しつつあり、観測計画を立てているところである。 観測対象は、木星内部磁気圏(イオトーラス)でのエネルギー収支と 地球型惑星の大気散逸である。 ともに、プラズマ流中を通過する中性大気をまとった惑星・衛星が通過し、 相互作用を引き起こしている場所であることに着目しながら 大気進化について議論する。
6/22(水) 15:00- 5F会議室 井筒 智彦(D3)
運動論的アルヴェン波によるプラズマ輸送
Plasma transport via kinetic Alfven waves
概要:
太陽風プラズマがいかにマグネトポーズを横断し磁気圏に侵入するかは磁気圏物理の非常に重要な問題のひとつである。私は輸送の担い手として運動論的アルヴェン波の役割に注目して人工衛星のその場観測データを解析している。
今回のセミナーでは、
・高プラズマベータ中での運動論的アルヴェン波による輸送機構
・運動論的アルヴェン波による輸送の実証
(以下は時間があれば)
・運動論的アルヴェン波の低緯度境界層形成への寄与(初期解析)
・磁気圏内での運動論的アルヴェン波の生成とその役割(初期解析)
について紹介する。
One of the biggest problems in magnetospheric physics is to understand the processes by which the solar wind plasma enters the magnetosphere across the magnetopause. I study the roles of kinetic Alfven waves on plasma transport from in-situ observations.
In this seminar, I will talk about following topics:
・Mechanism of plasma transport via kinetic Alfven waves in a high-beta plasma
・Evidence for plasma transport via kinetic Alfven waves across the magnetopause: THEMIS event study
(and next two if time permits)
・Contribution of kinetic Alfven waves to the formation of the low-latitude boundary layer: THEMIS statistical study (initial results)
・Generation and roles of kinetic Alfven waves in the magnetosphere (initial results)
6/15(水) 15:00- 5F会議室 横田 勝一郎(助教)
同位体計測用TOF型質量分析器の開発
Development of high-resolution TOF mass spectrometer for isotope analysis
概要:
惑星圏でのプラズマ観測の中で、質量計測はイオン種同定を可能にするため非常 に重要である。 質量分析は検出したイオンの発生起源を特定し、起源となる領域の情報を得る上で大きな鍵となる。 これまで多くの地球磁気圏探査衛星には質量分析器が搭載され、地球から流出するイオン種の同定に重大な役割を果たしてきた。他の惑星探査衛星に対しても、 質量分析器による観測の重要性が主張されている。 例えば火星の大気散逸を観測目標とする場合、同位体計測まで行うことが求められていて、m/Δm>100から3000という非常に高い質量分解能が要求されている。今回は現在開発中の同位体計測用質量分析器ついて報告する。
6/15(水) 15:00- 5F会議室 安藤 紘基(D2)
金星・火星大気における内部重力波の鉛直波数スペクトル
Vertical wavenumber spectra of gravity waves in the Venus and Mars atmosphere
概要:
 Venus Expressの電波を試験的に臼田局で受信し、取得したデータから鉛直伝播する重力波を抽出した。そしてTsuda and Hocke (2002)で提唱された重力波の飽和理論を用いて、重力波が金星大気中で飽和しているか否か調べた。その結果、金星の雲層より上では重力波は飽和していないが、その下では飽和している可能性があることを見出した。さらにMGSの電波掩蔽データを用いて、同様に重力波の飽和について調べた。本発表ではその結果についても言及したい。
6/8(水) 15:00- 5F会議室 村上 豪(PD)
極端紫外光による撮像から明らかにする地球プラズマ圏の子午面分布
Meridional distribution of the Earth's Plasmasphere derived from extreme ultraviolet images
概要:
地球近傍にはプラズマ圏と呼ばれる高密度の冷たいプラズマで満たされた領域が存在する.プラズマ圏中に含まれるヘリウムイオンは波長30.4 nmにおいて共鳴散乱を起こすため,この光を捉えることでプラズマ圏を可視化できる.2007年に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」(SELENE)の極端紫外光望遠鏡(UPI-TEX)は世界初となるプラズマ圏の子午面撮像に成功した.2008年5月〜6月の観測ではプラズマ圏が24時間以上にわたり共回転する様子や,太陽風の変動に伴いプラズマポーズが内側へ移動する様子がはっきり捉えられている.また「フィラメント現象」と呼ばれる特定の磁力線が周囲よりも高密度のプラズマで満たされる現象も観測された.本発表ではこれらの観測結果を中心に,「かぐや」搭載UPI-TEXにより得られた子午面における地球近傍のヘリウムイオン密度分布について解析結果を報告する.
6/8(水) 15:00- 5F会議室 井口 恭介(D2)
SCOPE衛星搭載に向けた磁力計の開発
Development of a digital fluxgate magnetometer for the SCOPE mission
概要:
 宇宙プラズマのスケール間結合の解明を目指して、JAXAを中心にSCOPE計画が進められている。我々はこのSCOPE衛星搭載を目指してディジタル方式フラックスゲート磁力計を開発している。ディジタル方式は従来に比べて小型、軽量化されているが、測定磁場の高分解能化という重要な課題が残っている。磁場分解能は信号処理回路部のディジタル-アナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)の分解能に強く依存する。SCOPE計画では、分解能20ビット(磁場分解能8 pT相当)のDACが必要であるが、宇宙機用DACの分解能は12ビット(2 nT相当)までしかない。  本研究ではΔΣ変調方式と呼ばれるDACを採用することにより、宇宙機用の部品で16ビット(125 pT相当)のDACを開発し、さらにそのDACを用いて分解能を16ビットまで向上させた磁力計を開発した。本発表では、開発した磁力計の性能評価結果を報告する。
6/1(水) 15:00- 5F会議室 Sarah V. Badman(PD)
Cassini observations of ion and electron beams and their
概要:
We present VIMS images of infrared auroral emissions from the northern noon ionosphere sector revealing multiple intense auroral arcs poleward of the main oval. At the Earth, such auroral arcs are signatures of transient magnetopause reconnection events (Milan et al., 2000). Simultaneous MIMI/INCA observations show field-aligned H ion bursts travelling upward from Saturn’s ionosphere. These pulsed ion conics were accompanied by energetic electron beams (MIMI/LEMMS, ELS), electrostatic and electromagnetic wave signatures (RPWS) and evidence of layered field-aligned current structures moving over the spacecraft (MAG). We propose that the ion beams are accelerated out of the ionosphere in downward current regions via wave-particle interactions (Carlson et al., 1998; Mitchell et al., 2009) and the bright auroral arcs result from electron precipitation on the adjacent layered upward current regions. Carlson, C.W. et al., GRL, doi: 10.1029/98GL00851, 1998. Milan, S.E. et al., JGR, 105, 2000. Mitchell, D.G. et al., JGR, doi: 10.1029/2008JA013621, 2009.
6/1(水) 15:00- 5F会議室 北野谷 有吾(D3)
極冠域における低エネルギー降下電子の起源について
On the origin of low-energy downward electrons in the polar cap ionosphere
概要:
極冠域の高度2Reを越える高高度には、磁気圏からの電流と電離圏起源の電流の差を解消するよう強いポテンシャルギャップが生じるとする考えがある。このポテンシャルギャップは、電離圏から上昇してくるイオンのフローをさらに加速し、アウトフロー速度を増すと考えられ、電離圏から磁気圏へのイオンの輸送において重要な役割を果たしているかもしれない。また、このポテンシャルギャップは電子を下向きに加速するため、電離圏から上昇してくる光電子(約10-60[eV])の中でエネルギーの低いものを下向きに加速させうる可能性をもっている。極冠域で観測される低エネルギー帯(約10-60[eV])の降下電子の一部はこのようなメカニズムにより生成されている可能性がある。 本研究では、あけぼの衛星に搭載されている低エネルギー粒子測定器の長期間にわたる低エネルギー降下電子の観測データから、統計的に、極冠域の高高度に存在すると示唆されるポテンシャルギャップの特徴を探り、長期間の観測事実をもとに、その生成メカニズムについて議論する。
5/11(水) 15:00- 5F会議室 上村 洸太(M2)
太陽風プロトンの月面散乱
Solar wind proton scattering at lunar surface
概要:
月には地球のようなグローバルな磁場はなく、大気も存在しないことが知られて いる。その為、太陽風中の荷電粒子及び中性粒子は月表面に直接衝突する。月周 辺の低エネルギー電子分布に関しては過去にアポロ計画、ルナプロスペクターに 代表される衛星によって観測が行われており比較的よく理解されている。しかし 月周辺の低エネルギーイオン分布に関しては、過去に観測は殆どなく観測に基づ いた理解はされていない。 「かぐや」衛星搭載プラズマ観測装置MAP-PACE-IMAは、月低高度(月面から 100km以下)の月周回軌道において低エネルギーイオンの連続観測を1年半にわた り行い、月周辺での低エネルギーイオンの3次元分布関数を取得した。これまで のIMAの観測により、太陽風イオンが月表面との相互作用を介してエネルギーを 失い反月面方向に出射する散乱現象が観測された。また、初期の解析から観測さ れた散乱イオンは質量分析の結果ほとんどがプロトンであり、太陽風フラックス の0.1%〜1%が月表面で散乱され衛星高度まで到達することが明らかとなってる。 本研究では太陽風プロトンの月面散乱の詳細を調べるため、IMAの半球面の視野 を16×64に分割して観測したデータを利用し、太陽風の月面に対する入射角と散 乱プロトンの月面上での出射角との関係を調べた。その結果、散乱プロトンは太 陽風の月面への入射方向に対して反対方向に出射する背面出射成分と鏡面反射の 方向に出射する鏡面出射成分の2つが存在することが分かった。量としては殆ど が背面出射成分であり鏡面出射成分は僅かである。また、これらの散乱特性は月 表面の微視的な面を考慮することにより理解可能であることを示した。
5/11(水) 15:00- 5F会議室 荒井 宏明(M2)
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係
The relationship between the momentum transport by thermal tides and the vertical structure of the atmosphere on Venus
概要:
金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65kmでは風速100m/sにも達す る。これはスーパーローテーションと呼ばれ大きな謎の一つとなっている。 金星には高度45-70kmの領域に硫酸の雲が存在しており、雲層上部で太陽光の吸 収により熱潮汐波が励起される。この熱潮汐波に伴う上下への運動量輸送がスー パーローテーションの維持・生成に重要な役割を担っていると考えられてい る。(Fels and Lindzen, 1974; Plumb, 1975; Takagi and Matsuda, 2007) 熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、基本場の風速や大気安定度など様 々なパラメータにより決まる。 本研究では数値計算によりそれらのパラメータを変化させたときに輸送される運 動量がどう変化するかを調べ、その鉛直分布からスーパーローテーションの維 持・生成にはどのパラメータのどのような鉛直構造が本質的な寄与をしているか を考察する。
5/11(水) 15:00- 5F会議室 飯塚 裕磨(M2)
金星の雲画像から探る紫外吸収物質高度分布
Vertical distribution of UV absorber in the Venusian cloud layer inferred from cloud images
概要:
金星を紫外域で観測すると様々な模様を見ることができ、紫外吸収物質の存在に よるものと考えられている。金星大気の紫外吸収物質としてはSO2の 存在が古く から知られている。しかし他にも存在するとされる未同定吸収物質の種類や高度 分布などは未だ明らかになっていない。過去に行われた紫外観測において、 365nm付近を中心に比較的大きなコントラストがあることが経験的に知られてお り、これが未同定吸収物質による影響と考えられている。この未同定吸収物質 の分布を知ることは、この物質の生成に関する情報を得る手がかりとなり、ま た、可視域付近まで吸収があるため、その高度付近のエネルギー収支および大 気の運動への影響を知る手がかりとなることが期待される。 雲層内の吸収物質の高度分布には、金星ディスクの大局的な輝度分布に反映され ると考えられる。例えば、吸収が無く散乱のみ行う雲層の場合、太陽直下点が 最も明るく夜側に向かって暗くなるはずである。しかし、散乱のみ行う雲層の上 に吸収層がある場合にはディスクの端で暗くなる傾向が強くなり、逆に吸収層 の上に薄い散乱層がある場合には逆の傾向が現れるであろう。 本研究ではこれについて、放射伝達計算とVenus Express搭載VMCによる撮像デー タとを比較することによるアプローチを行った。