2007年度 固体惑星セミナー    ==>全体セミナ表に戻る


■場所:A棟5F会議室
■時間:水曜9時30分(変更の場合は開催日を赤字で表示)
■連絡先:小野 正太 ( ono [AT] planeta.sci.isas.jaxa.jp )

開催日・場所 発表者 (敬称略) 担当チーム
2/20 09:30- 5F会議室 Taichi Kawamura, Tokyo Univ. M1 固体惑星
Lunar Surface Gravimeter を用いた月震波解析
アポロ 17 号に搭載された Lunar Surface Gravimeter (LSG) は当初の目的であった重力波の検出には失敗したが月震計としては有用なデータを所得していた。 今までのアポロの観測ネットワークに LSG を加え、観測範囲を拡大することでこれまで特定できなかった裏側の月震を特定することが可能になるかもしれない。 本研究ではその初期解析として High Frequency Teleseismic と呼ばれる比較的規模の大きな月震の解析を行った。 今回の発表ではその解析結果をもとに LSG の精度と HFT 以外の月震への利用の可能性について議論する。
2/20 09:30- 5F会議室 Kyoko Kawakami, Tokyo Univ. M1 固体惑星
「はやぶさ2」探査ターゲット小惑星の観測
「はやぶさ」に続く小惑星サンプルリターンミッションとして、「はやぶさ2」の検討が進められており、探査ターゲット天体はC型小惑星の 1999JU3 である。この小惑星は去年の夏から今年の春まで地上から観測できるチャンスがある。私自身はこれまでに、台湾鹿林天文台で3回 (計 16 晩)、木曽観測所で3回 (計 26 晩) の観測を行い、この小惑星の自転周期、自転軸の傾きなどを推定することができた。また、すばる望遠鏡での中間赤外の観測データを解析した。本発表では [1] これまでに私が行った 1999JU3 の観測、解析成果の報告 [2] それと同時に行っているバックアップ天体探しの報告 [3] 今後の修士課程での研究計画の3点を述べる。
2/20 09:30- 5F会議室 Tokuhiro Nimura, Tokyo Univ. D2 固体惑星
鉱物の吸収帯の特徴を組み込んだ、修正ガウス関数モデル・鉱物混合モデル・宇宙風化モデルの統一モデル
- 鉱物の吸収帯の特徴を組み込んだ修正ガウス関数編 -
固体天体表面の可視・近赤外反射スペクトルには、鉱物・化学組成、鉱物混合比、宇宙風化作用、およびレゴリスの形状の情報など、多くの情報が含まれている。 私たちは、可視・近赤外反射スペクトルからこれらの情報を得ることができる解析手法の確立を目指している。 はじめに、この解析手法全体について述べる。 次に、このモデルの中で、鉱物の吸収帯の特徴を組み込んだ修正ガウス関数モデルの部分を取り上げて発表を行う。 鉱物の吸収帯解析方法として、修正ガウス関数モデル (MGM) (Sunshine et al., 1990) がある。 修正ガウス関数モデルは、反射スペクトルを自然対数で表示して、鉱物吸収帯をコンティニウムといわれる関数、 および複数のガウス関数でフィッティングをすることにより、鉱物の吸収帯を分離して解析する方法である。 しかし、岩石中に含まれるさまざまな種類の鉱物に起因する複数の吸収帯が近接して、複合吸収帯を形成しているた めに、 単に複数のガウス関数でフィッティングすることによって、解析することが困難である。本研究では、単に複数のガウス関数でフィッティングをするのではなく、 鉱物の吸収帯の特徴を MGM に組み込んだ [カンラン石および輝石の吸収帯の特長は、それぞれ Sunshine et al. (1998), Klima et al. (2007) に詳しい]。 例えば、カンラン石は、1 mm 付近に3つの吸収帯が存在する。 この吸収帯の中心波長、幅、および強度比が Fe/Mg 比に対して関係があるという特徴を MGM に組み込んだ。 これにより、カンラン石の3つの吸収帯を表現する9 (3 x 3) つの変数を、2つの変数 (Fe/Mg 比および一つの吸収帯強度) にすることに成功した。このように各鉱物について、鉱物の吸収帯の特徴を明らかにして、MGM に組み込んだ。 本研究では、RELAB (Reflectance Experiment Laboratory) (Pieters 1983) によるスペクトルデータを Hapke (1993) および Hiroi and Pieters (1994) をもとに吸収能に変換して MGM を適用した。この研究により、鉱物混合物の複合吸収帯から各鉱物の吸収帯に分離することに成功した。 本モデルは、宇宙風化モデル・鉱物混合モデル・ Hapke の光散乱に関するモデルと組み合わせて用いることにより、 鉱物・化学組成、鉱物混合比、宇宙風化作用、およびレゴリスの形状などの情報を得ることができると考えている。 そして、将来、月探査衛星かぐやに搭載された Spectral Profiler (SP) および Chandrayaan-1 に搭載された Moon Mineralogy Mapper (M3) 等の広い波長域および高い波長分解能のスペクトル データを解析する際に用いられることが期待できる。
2/13 09:30- 6F会議室 Akiko Iwasaki, Titech B4 固体惑星
惑星表層その場X線分析における焦電結晶型X線源の応用可能性の検討
着陸機にX線源を搭載し、 採取した試料の蛍光X線分析を行う惑星表層そのX線線分析では、 これまで放射性同位体がX線源として使用されてきた。しかし、放射性同位体が発生するX線は弱く、 1つの試料の測定に半日程度の長い時間を要する。そのため、より強いX線を発生させるX線管球の小型化が進められている。 また、焦電結晶による帯電を利用した新しいX線源が開発され、持ち運びのできるX線源として市販されている。 本研究では、小型X線発生装置を比較し、焦電結晶を用いたX線発生装置が惑星探査に応用可能かどうかを検討した。
2/13 09:30- 6F会議室 Tomokatsu Morota, ISAS/JAXA 固体惑星
月の若い溶岩流の年代決定
月の火成活動履歴を理解するため、月の溶岩流の年代分布を知ることは重要である.これまで、アポロ、ルナサンプル・月隕石・リモートセンシングデータの解析から、 溶岩流の噴出のピークは 3.2 〜 3.9 Gyr であったと考えられている. しかし、月の火成活動の終焉時期はよくわかっていない. 我々は、火成活動の終焉時期に制約を与えるため、かぐや搭載地形カメラで得られた画像データを用いて、 これまで若いとされてきた溶岩流の年代決定を行う予定である. 本発表では、特に Lichtenberg 周辺の溶岩流の年代決定の初期結果を報告する.
1/30 09:30- 6F会議室 Taku Yamamoto, Tokyo Univ. M2 固体惑星
Ilmenite 反射スペクトルの可視・近赤外域における最適波長を用いた月面TiO2 存在量見積もり方法の改良
Ilmenite (FeTiO3) 反射スペクトルの特徴を利用し月面TiO2存在量を推定することで、海の領域において各地質ユニットの層序関係を明らかにするための情報を得ることができる。しかし、従来の方法では ilmenite 反射スペクトルの特徴を用いているにも関わらず、反射スペクトルの吸収の有無や粒子サイズ依存性の影響などの評価が十分にはされていない。本研究では、実験室測定によって反射スペクトルの粒子サイズ依存性と吸収帯の有無を明らかにし、見積もりに用いる最適な波長組み合わせを選定、従来の方法との見積もり精度を標準偏差で比較・議論することで、これまでの月面 TiO2 存在量見積もり方法を改良することを目的としている。本研究の結果、従来の方法の標準偏差 0.229 [wt.%] に対して、本研究では 0.171 [wt.%] となった。セミナーではこの結果について詳しく説明する。
1/23 09:30- 5F会議室 Shota Ono, Tokyo Univ. M2 固体惑星
固体天体表層の形成年代決定のためのクレーターカウンティングに及ぼす太陽高度条件の影響とその補正法
天体表層における衝突クレータサイズ頻度分布(Crater size-frequency distribution, CSFD)の分析は、その表層地域の形成年代や、緩和過程を解明するための基礎的な手法である。しかしこの手法は、クレータ数計測を行う画像の質や撮像条件に大きく左右され、太陽高度の増加に伴いクレータ計測数が減少することが定性的に知られている。Neukum (1983) が経験的に示した月のクレータ生成率関数によると、地域によっては数億〜数十億年の誤差が生じる可能性がある。本研究では、複数の太陽高度条件で画像が得られている地域の CSFD を求めることで、太陽高度と CSFD の相関の有無を明らかにすることを目的とし、太陽高度による補正の可否を検討する。

12/5 09:30- 5F会議室

Mizuho Matsumura, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
C. A. E. Milbury, S. E. Smrekar, C. A. Raymond, and G. Schubert, Lithospheric structure in the eastern region of Mars' dichotomy boundary, Planetary and Space Science 55 (2007) 280-288.
火星での Amenthes、Aeolis の二地域で重力、地形、磁場のデータを解析。そのアドミタンスを見て、火星のdechotomy boundaryでの地形進化や、内部構造、特に有効弾性厚を決定していく。

11/28 09:30- 5F会議室

Taku Yamamoto, Tokyo Univ. M2 固体惑星
可視・近赤外波長域における反射スペクトルを用いた ilmenite 検出方法の確立
月面の TiO2 存在量を精度良く見積もることは、 月の海の形成過程やマグマオーシャン進化過程を解き明かすのに重要である。 月面の TiO2 存在量見積もりの代表的な方法として Lucey et al (1998, 2000) の方法があるが、この方法には風化を受けていないサンプルには適用することができない、 また、粒子サイズ効果などが考慮されていないという改良点がある。本研究では、ilmenite 存在量を変えた olivine、pyroxene との各混合試料の反射スペクトルを、 粒子サイズ 75-105 um と 10-25 um でそれぞれ測定し、 ilmenite 存在量を Lucey et al (2000) よりも精度良く見積もれる波長の組み合わせを決めた。 この結果について報告する。

11/28 09:30- 5F会議室

Kyoko Kawakami, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
M. Delbo, A. dell'Oro, A. W. Harris, S. Mottola, and M. Mueller, Thermal inertia of near-Earth asteroids and implications for the magnitude of the Yarkovsky effect, Icarus 190 (2007) 236-249.
小惑星の熱慣性は、 小惑星表面の温度分布とヤルコフスキー効果の大きさを決めるので、 近地球型小惑星の軌道進化を考える上でも重要である。しかし、km サイズの小惑星の熱慣性の大きさはほとんど知られていない。 本論文では数値計算によって、km サイズの近地球型小惑星の熱慣性の平均値を見積もった。 さらに、観測によって熱慣性が求められる小惑星においては、直径が小さくなるにつれて熱慣性が大きくなる傾向を見つけた。 この結果から、ヤルコフスキー効果による小惑星の軌道進化について論じている。

11/21 09:30- 5F会議室

Taichi Kawamura, Tokyo Univ. M1 固体惑星
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K. Pahlevan and D. J. Stevenson, Equilibration in the aftermath of the lunar-forming giant impact, Earth and Planetary Science Letters 262 (2007) 438-449.
最近の数値シュミレーションによると、 ジャイアントインパクトによる月の形成では月を構成する物質のほとんどが地球起源ではなく衝突天体起源であるらしい。 一方で、月のサンプルから求められた酸素同位体比は地球の岩石のそれとほぼ等しいことが知られている。これらのことは衝突天体が地球と非常によく似た酸素同位体比を持っていたことを示すが、 これは火星やベスタの例などを考えても考えにくい。本論文では月と地球の酸素同位体比がほぼ同一である理由として ジャイアントインパクト後の原始惑星とダスト円盤内の混合を考え、その妥当性について論じている。

11/14 09:30- 5F会議室

Chikatoshi Honda, ISAS/JAXA 固体惑星
シニュアスリル: 玄武岩質溶岩流による熱浸食モデル
固体惑星表層には様々な溝地形が存在する。蛇行谷(sinuous rill)と分類されている地形の成因はさまざまな仮説が挙げられている。現状挙げられている仮説の紹介と、月の玄武岩質溶岩の物性値を抑えながら、本田の熱浸食モデルの紹介をする。 (古いネタです。)

11/7 09:30- 5F会議室

Hisataka Morito, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
A. R. Hendrix and C. J. Hansen, The Albedo Dichotomy of Iapetus Measured at UV wavelengths, Icarus (2007) in press.
土星の衛星 Iapetus が示す、明らかな半球の二分性は非常に興味深く、未だに謎である。本論文ではカッシーニによる遠紫外線での観測を報告する。 我々は Iapetus の暗い地域と Hyperion 及び Phoebe のスペクトルを比較することにより、 Hyperion、Phoebe 共に Iapetus の暗い地域よりも水氷が多く含まれていることが分かった。 また、Iapetus の暗い地域に含まれる水氷の量は緯度が上がるにつれ増えていた。最も暖かい低緯度地域では水氷は安定して存在できないと考えられ、 それ故暗い物質が外から降り積もったのは、最近、あるいは進行中であると思われる。

10/31 09:30- 5F会議室

Akiko Iwasaki, Titech B4 固体惑星
new paper review
M. Treffer, N. I. Kömle, G. Kargl, E. Kaufmann, S. Ulamec, J. Biele, A. Ivanov and O. Funke, Preliminary studies concerning subsurface probes for the exploration of icy planetary bodies, Planetary and Space Science 54 (2006) 621-634.
地球上の氷河や極冠が地質学的な経過や気候変化についての情報を含むことはよく知られている。太陽系の他の氷床 (火星の極冠や外惑星の氷衛星など) からも同様の情報が得られると推測される。本研究では、熱で氷を溶かして地表下へと貫入し氷床の構造を調査する "melting probe" の、地球外環境下への応用について考える。低温真空下で実験を行い、地球環境下での実験結果と比較した。この実験によって、宇宙空間では、熱した probe の氷への貫入は、周囲の氷の間欠的な昇華と融解によって特徴付けられ、時折、probe の外表面部が氷に凍りつくことによって妨げられることがわかった。

10/24 09:30- 5F会議室

Masatsuna Iwasaki, Titech M2 固体惑星
はやぶさX線 CCD のノイズ評価と次期小惑星探査での機上処理の最適化
これまでのはやぶさ XRS の CCD に対して行なってきた解析より、はやぶさ搭載X線 CCD の hot pixel の数量は、小惑星観測にとって severe な問題であるが、CCD 全体の pixel 数からすると hot pixel の数はさほど大きいものではないという結果を得た。しかし、次期小惑星観測において hot pixel からの信号を機上で除ける場合にも他のノイズが大きい場合は、小惑星の表層の元素分布を誤差 10% で観測するのは困難になる。この発表では、はやぶさでの hot pixel 以外の CCD ノイズの評価を報告し、次期小惑星探査ではどうするべきかを提案する。

10/24 09:30- 5F会議室

Taku Yamamoto, Tokyo Univ. M2 固体惑星
new paper review
Wenzhe Fa and Ya-Qiu Jin, Quantitative estimation of helium-3 spatial distribution in the lunar regolith layer, Icarus 190 (2007) 15-23.
太陽風によって月レゴリスに打ち込まれたヘリウム3は、核融合燃料として使える可能性があるため、最も貴重な資源の1つとして考えられる。月レゴリス中のヘリウム3存在度は、太陽風フラックス、月表層の maturity、TiO2 含有量などに関連すると考えられており、これまで様々な方法を用いてヘリウム3存在量が見積もられてきた。本論文では、これまでのヘリウム3存在量推定に用いられていた方法に加え、DEM から経験的に見積もられたレゴリス層の厚さを考慮し、単位面積当たりのヘリウム3存在量を見積もっている。結果として最終的に、表側が 3.72 x 108 kg、裏側が 2.78 x 108 kg、全体としては 6.50 x 108 kg 存在すると結論付けている。

10/17 09:30- 5F会議室

Jun Kimura, ISAS/JAXA 固体惑星
氷衛星のテクトニクスと内部熱史
木星の衛星エウロパに代表される氷衛星の表面には, 特徴的な地殻変動の痕跡が多く見られる.これらは伸張応力に起因すると考えられ,その応力源について多くの議論がなされているが,1つの候補として地下海の固化とそれに伴う体積変化が重要な寄与を果たす可能性がある.エウロパサイズの衛星は集積直後に全球的な海を持つと考えられ,その海が衛星の冷却に伴って固化する際に膨張し,成長する氷殻に周応力が蓄積するというシナリオである.具体的には,内部の熱史をシミュレーションすることで地下海の固化を追うと共に,氷殻での応力変化を粘弾性モデルで見積もり, 氷の破壊強度と比較することでテクトニクスへの寄与を評価する.

9/5 09:30- 5F会議室

Ryuhei Yamada, Tokyo Univ. D3 固体惑星
new paper review
C. Frohlich and Y. Nakamura, Possible extra-Solar-System cause for certain lunar seismic events, Icarus 185 (2006) 21-28.
1969〜77 年のアポロ月震計による月震観測により HFT (High-Frequency-Teleseismic) events と呼ばれる高周波成分に卓越した成分を持った月震イベントが 28 個検知されている。 (月の浅部で発生する事から浅発月震とも呼ばれる。) これらの発生原因、メカニズムについては従来まで謎であったが、 本論文の著者らの解析により恒星月のある特定の期間内、すなわち月の表側が天球上においてある特定の方向を向いたときに、 その多くが発生している事が分かった。 著者らはこの結果を元に HFT の発生が太陽系外からの物質に起因している可能性を議論している。 本発表ではこれらの結果と議論について紹介するとともに、 より HFT の発生原因を明確にするための更なる解析の手法についても述べる。

8/29 09:30- 5F会議室

Yuki Sarugaku, Tokyo Univ. D3 固体惑星
Observational study of Comet 2P/Encke dust cloud
彗星のダスト雲 (テイル、トレイル等) の形状は、 彗星活動の履歴を反映しており、 彗星核の物理的性質を知る手がかりとなる。また、放出されたダストは、 惑星間ダストの主な起源のひとつと考えられているが、 彗星全体からの供給量は明らかになっていない。我々は、彗星のダスト放出を調べるため、 彗星のサーベイ観測を行ってきた。 このサーベイ観測で取得した Encke 彗星のダスト雲の形状を、ダスト放出のシミュレーション画像と比較し、 放出されているダストの最大径、サイズ分布、放出率を見積もった。 また、可視・赤外の同時期観測から mm-cm サイズのダストのアルベドを見積もった。

8/22 09:30- 5F会議室

Junichi Haruyama, ISAS/JAXA 固体惑星
SELENE 搭載地形カメラでみたいもの
SELENE 搭載地形カメラは、分解能 10 mで月面をくまなく撮像する。地形カメラは、前方視後方視二本の望遠鏡からなり、立体視データの取得も可能である。これまでの探査でも、高解像度データは得られたりしているものの、一部であったり、データの質が悪いなどの問題があった。地形カメラにより、どのようなデータを取得し、どのような月の科学に迫ろうとするのかを、紹介する。

8/8 09:30- 5F会議室

Shota Ono, Tokyo Univ. M2 固体惑星
月面その場物質分析におけるコンタミ付着による岩石試料分析精度への影響
JAXA が検討を進める月面軟着陸機計画 (SELENE-2) において、 我々は岩石試料を採取・分析する実験装置 (SIP) の搭載を提案している。 SIP では、採取試料を研削し、 その研磨面をX線分析 (XRF/XRD) およびマクロ分光分析することで、岩石の成因や母岩の特徴解明を目指す。 本研究では、研削時に要求される研磨面粗さと、採取時に付着していたレゴリスや研削の際に発生するコンタミが分析精度へ及ぼす影響を、 XRF 分析の場合について調べ、その対策を考慮した。

8/8 09:30- 5F会議室

Hisataka Morito, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
Gwendolyn D. Bart, Comparison of small lunar landslides and martian gullies, Icarus 187 (2007) 417-421.
月には活動的に動く水が無いにもかかわらず、 クレーターの壁には火星の峡谷に似た地形が見られる。 このような月の特徴は、火星にある、液体の水によってできたと考えられている alcove-channel-apron の地形が 乾燥した地すべりによってできたことを示している。つまり、乾燥した地すべりによるものと、水によるものを区別するために、 より詳しい分析が必要である。

8/1 09:30- 5F会議室

Masatsuna Iwasaki, Titech M2 固体惑星
はやぶさX線 CCD のノイズ評価と次期小惑星探査での機上処理の最適化
はやぶさに搭載されたX線 CCD はクルージング中に劣化が確認されている。 現在までに CCD のイメージデータを用いてノイズ評価を行なってきたが、 ノイズに関して定性的に CCD の劣化の原因と劣化の程度を見積もった。しかし、イメージデータの量が少ないため定量的な話をするところまで及べていない。 またこれ以上定量的な話をすることもできないだろう。この発表では、次期小惑星探査に向けたX線 CCD の機上処理で、 CCD をどう扱うべきかについて報告する。

7/18 09:30- 5F会議室

Mizuhi Matsumura, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
Gwendolyn D. Bart, Comparison of small lunar landslides and martian gullies, Icarus 187 (2007) 417-421.
月には活動的に動く水が無いにもかかわらず、 クレーターの壁には火星の峡谷に似た地形が見られる。 このような月の特徴は、火星にある、液体の水によってできたと考えられている alcove-channel-apron の地形が 乾燥した地すべりによってできたことを示している。つまり、乾燥した地すべりによるものと、水によるものを区別するために、 より詳しい分析が必要である。

7/18 09:30- 5F会議室

Yasuyuki Saito, Tokyo Univ. D3 固体惑星
new paper review
J. L. Margot, S. J. Peale, R. F. Jurgens, M. A. Slade, and I. V. Holin, Large Longitude Libration of Mercury Reveals a Molten Core, Science 316 (2007) 710.

Observations of radar speckle patterns tied to the rotation of Mercury establish that the planet occupies a Cassini state with obliquity of 2.11 ± 0.1 arc minutes. The measurements show that the planet exhibits librations in longitude that are forced at the 88-day orbital period, as predicted by theory. The large amplitude of the oscillations, 35.8 ± 2 arc seconds, together with the Mariner 10 determination of the gravitational harmonic coefficient C22, indicates that the mantle of Mercury is decoupled from a core that is at least partially molten.

7/11 09:30- 5F会議室

Taichi Kawamura, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
M. Grande, B.J. Kellett, C. Howe, C.H. Perry, B. Swinyard, S. Dunkin, J. Huovelin, L. Alha, L.C. D'Uston, S. Maurice, O. Gasnault, S. Couturier-Doux, S. Barabash, K.H. Joy, I.A. Crawford, D. Lawrence, V. Fernandes, I. Casanova, M. Wieczorek, N. Thomas, U. Mall, B. Foing, D. Hughes, H. Alleyne, S. Russell, M. Grady, R. Lundin, D. Baker, C.D. Murray, J. Guest, and A. Christou, The D-CIXS X-ray spectrometer on the SMART-1 mission to the Moon-First results, Planetary and Space Science 55 (2007) 494-502.

ESA の SMART-1 の搭載されたX線観測機の D-CIXS がある。 D-CIXS は軽量化や CCD を応用した SCD など新しい技術が取り入れられた はじめてのX線観測装置であり、 X線による月の全球マッピングが目標であった。 本論文では D-CIXS の観測結果がファーストレポートとしてまとめられている。 その最も大きな成果は Ca をリモートセンシングではじめて検出したことにある。 この Ca の検出を含めた D-CIXS のX線観測についてレポートする。

7/11 09:30- 5F会議室

Yoshihiko Ogawa, NIES 固体惑星
火星の熱水循環と消磁の関係
火星の地殻内磁場は、 ダイナモの歴史や磁化あるいは消磁のメカニズムの観点からうまく説明がなされていないが、熱水循環による消磁は、ある地域における磁化の欠損をうまく説明できる可能性がある。 熱水の移動は一般に2つの方法で消磁に寄与する。1つは熱消磁であり、鉱物がキュリー点を超えると磁化を失う性質に依る。 もう1つは化学消磁であり、磁鉄鉱の酸化のように、鉱物と水の反応によって引き起こされる。 熱水循環の熱と水の移動の過程を数値的に追うことにより、 この2つのプロセスを定量的に評価し、火星で熱水循環が消磁に果たし得る役割を検討した結果を発表する。
月の鉱物探査に向けた SELENE/SP の校正
火星の地殻内磁場は、 もう1つの話題として、 昨冬から参加させて頂いている/修行中である、 月探査衛星かぐや (セレーネ) / スペクトルプロファイラー (SP) のデータ校正について紹介する。 SP は可視・近赤外域 (0.5-2.6 μm) の連続分光観測を行い、 その高い波長分解能 (6-8 nm) と SN 比 (〜2300) から、 月の鉱物組成に関する情報を得ることが期待されている。暗時補正と輝度校正の概略と地上校正の結果及び軌道上校正の計画について述べ、 できればさらに高次側のデータ解析計画についても触れる。

7/4 09:30- 5F会議室

Kyoko Kawakami, Tokyo Univ. M1 固体惑星
new paper review
S. Fornasiera, E. Dottoc, O. Hainautd, F. Marzarie, H. Boehnhardtf, F. De Luisec and M. A. Baruccib,Visible spectroscopic and photometric survey of Jupiter Trojans: Final results on dynamical families, Icarus

木星のトロヤ群は今までに 2000 個以上発見されており、起源や物理的性質、組成、他の太陽系小天体との関係は未だによくわかっていない。本論文ではこれらの疑問に答えるため、トロヤ群のサーベイ観測を行った 47 天体に、 先行研究の結果を含めた 142 天体のスペクトルの結果をまとめた。 トロヤ群のそれぞれの族に関して、サイズとスペクトルの関係を調べたり、 L4 と L5 に位置する天体に組成の違いがあるかを調べた。 また軌道や物理要素とスペクトルの相関や、 他の太陽系小天体との関係を統計的に議論している。

7/4 09:30- 5F会議室

Taku Yamamoto, Tokyo Univ. M2 固体惑星
分光学的手法を用いた ilmenite 検出方法の確立: 粒子サイズの影響を考慮した TiO2 存在量見積もり方法の改良
月面の TiO2 存在量を精度良く見積もることは、 月の海の形成過程やマグマオーシャン進化過程を解き明かすのに重要である。 近年の研究では Lucey et al (1998, 2000) により クレメンタインの月面反射スペクトルデータを用いて TiO2 分布図が作られたが、ルナプロスペクターのγ線データから作られた TiO2 分布図とは、 月面の TiO2 存在量 0 wt% 〜 14 wt% に対して、局所的に最大で約 8 wt% の差が生じている。 この差を生む要因のひとつとして粒子サイズの影響が考慮されていないことが挙げられ、 実際に Lucey et al (1998) でも粒子サイズの影響を考慮する必要があることが述べられている。そのため、反射スペクトルを用いた方法をさらに改良する必要がある。 本研究では、Lucey et al (1998, 2000) の手法を用い、粒子サイズで分けられたアポロサンプルの地上実験による反射スペクトルデータから、 サンプルの TiO2 存在量を見積もり、その精度を標準偏差で評価した。 その結果、小さい粒子サイズの方が大きい粒子サイズよりも 標準偏差が 25% 〜 50% 程度小さくなることがわかった。
6/27 09:30- 5F会議室 Takehiko Arai, ISAS/JAXA 固体惑星
はやぶさ搭載蛍光X線分光計による小惑星 25143 イトカワの主要元素組成の分析とその隕石タイプの推定
はやぶさ搭載蛍光X線分光計 (XRS) の使命は、 隕石と小惑星との間に存在するミッシングリンクを繋ぐことである。これまで、地球に降り注ぐ隕石は、実験室の分析で、 太陽系形成初期の情報を教えてくれた。また、小惑星は、望遠鏡の観測で、その形成位置や空間分布を教えてくれた。 小惑星は隕石の母天体と考えられ、両者の相補的な分析から太陽系形成初期の物質だけでなくその空間分布を得られると考えられた。しかし、実験室における石質隕石の反射スペクトルと小惑星のそれとに対応がなく、 長年の謎とされてきた。近年では、その差異が宇宙風化作用による現象だと推定された。 ただし、小惑星が石鉄隕石でも宇宙風化作用と同様のスペクトルを示すため、この問題に決着をつけるには、フレッシュな小惑星の情報が必要である。 そこで、XRS は小惑星 25143 イトカワの宇宙風化作用を受けていないと考えられる 表層内部 100 ミクロン程度の主要元素組成を定量的に求め、イトカワの隕石タイプを決定し、小惑星と隕石をリンクする。 本研究では、XRS のイトカワ観測スペクトルの分析を行い、 その主要元素である Mg, Si, Fe が、数ある隕石タイプのなかで、 最も普通コンドライトに類似するという結果を得た。 この結果と近赤外分光計 (NIRS) や地上観測の結果から、 イトカワは石鉄隕石では無く、普通コンドライトに分類できると結論付ける。

6/20 09:30- 5F会議室

Yuichi Iijima, ISAS/JAXA 固体惑星
SELENEの自律化運用について
自律化運用とは、衛星に搭載された計算機が、収集されたテレメトリ (衛星の情報) を元に (地上からのコマンド送信なしで) コマンドを発行する機能です。SELENE の運用では、リアクションホイール (姿勢制御装置) のアンローディングのためある時間おきにスラスタの噴射を行う必要があります。SELENE の観測機器は高圧電源を数多く搭載しています (日本最高レベル)。高圧が印可された状態でスラスタを吹けば放電がおこる・・・ この状況を自律化機能で回避するにはどうやるか?自律化機能の追加や搭載データベースの設定 (シーケンス) についてはなします。
6/13 09:30- 5F会議室 Kouhei Kitazato, Tokyo Univ. D3 固体惑星
小惑星イトカワの YORP 効果
太陽系小天体の自転運動に二次的な影響を与える効果として, 天体表面での非等方的な熱放射から発生する熱的トルク (YORP 効果) がある. このような熱的トルクは非常に弱い力ではあるが永年的に影響を与え続けるため, とくにサイズが小さく形状の歪な小惑星では無視することができない. これまでに地上観測によって確認されている高速回転天体 (自転周期 < 1h) や 衛星を持った連星系小惑星の存在からその効果の重要性が指摘されてきたが, YORP 効果を直接的に検出した観測的証拠は極めて少ない.
はやぶさ探査機によって詳細な観測がなされた近地球型小惑星イトカワは, そのサイズと形状から地上での長期的なモニター観測によって YORP 効果を検出できることが理論的に予測されている (Vokrouhlicky et al., 2004: Scheeres et al. 2007). 過去に 2001 年から 2004 年までの地上観測データをまとめた Kaasalainen et al. (2004) の結果では誤差の範囲内で自転周期の変化を検出できなかったが, 今回われわれは 2006 年 12 月に行った地上観測を含め, はやぶさミッションで得られた詳細な形状モデルを用いたライトカーブのモデル計算との比較から, イトカワの YORP 効果を検出することに成功した. その結果, 小惑星イトカワは現在 dw/dt = (-1.2 ± 0.2) x 10-17 (rad/s2) の割合で自転速度が減速しており, 過去に近地球型小惑星のライフタイムよりも短い時間のなかで 現在の姿を作り上げるイベントが起きたと考えられる.
6/13 09:30- 5F会議室 Shota Ono, Tokyo Univ. M2 固体惑星
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F. Barra, T. D. Swindle, R. L. Korotev, B. L. Jolliff, R. A. Zeigler, and E. Olson, 40Ar/39Ar dating of Apollo 12 regolith: Implications for the age of Copernicus and the source of nonmare materials, Geochim. Cosmochim. Acta 70 (2006) 6016-6031.

Twenty-one 2-4 mm rock samples from the Apollo 12 regolith were analyzed by the 40Ar/39Ar geochronological technique in order to further constrain the age and source of nonmare materials at the Apollo 12 site. Most samples show some degree of degassing at 700-800 Ma (estimated 782 ± 21 Ma caused by the Copernicus impact event), with minimum formation ages that range from 1.0 to 3.1 Ga. 40Ar/39Ar dating of two alkali anorthosite clasts yielded ages of 3.256 ± 0.022 Ga and 3.107 ± 0.058 Ga. We interpret these ages as the crystallization age of the rock and they represent the youngest age so far determined for a lunar anorthosite. The origin of these alkali anorthosite fragments is probably related to differentiation of shallow intrusives. Later impacts could have dispersed this material by lateral mixing or vertical mixing.
6/6 09:30- 5F会議室 Akio Fujimura, ISAS/JAXA 固体惑星
惑星科学におけるテクトニクス -応力・歪みと異方性、そして、流動-

地球や惑星の性質は多くの場合、 等方的性質と異方的構造の組み合わせで記述している (地球の内部構造は、地殻・上部マントル・下部マントル・外核・内核と 大きな層構造 (異方的構造) で示され、 夫々については等方的と仮定されている)。 これらは単純化のためであるが、 一方、応力や歪みといった方向性を持つ 重要な性質の情報を失っていることに注意すべきである。 話題として取り上げるのは、以下の3点。
  ・地球の地震波速度異方性の話題から、 一般的な、異方性の話題を提供する。
  ・隕石中の異方性の話題から、 隕石母天体での応力・歪み状態についての話題を提供する。
  ・本来は異方的取り扱いをすべきであるべきであるが、 まだ等方的取り扱いに終始しているものとして、 氷衛星 (トリトン) で想定される氷表面の流動と それによるクレータの消滅についての話題を提供する。

6/6 09:30- 5F会議室 Taku Yamamoto, Tokyo Univ. M2 固体惑星
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M. J. Spicuzza, J. M. D. Day, L. A. Taylor, and J. W. Valley, Oxygen isotope constrains on the origin and differentiation of the Moon, Earth Planet. Sci. Lett. 253 (2007) 254-265.

本論文では、高精度の酸素同位体技術を用い、 月の Δ17O に制約を与えることでマグマオーシャン説を評価している。 その中で「月の海の high-Ti、low-Ti バサルトのマグマ溜まりは、 全球規模の酸素同位体の均質化を示す、酸素同位体平衡であるらしいこと」、 「Mg# が低いことと全岩の δ18O の幅が狭いことは、 δ18O への分別結晶化効果が最小であることを意味すること」 などが示されている。 最終的に著者は、月の海のバサルトの酸素同位体組成は、 ~45 億年前のマグマオーシャンの発生を支持すると結論付けている。

5/30 09:30- 5F会議室 Masanao Abe 固体惑星
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M. Kaasalainen, J. Durech, B. D. Warner, Y. N. Krugly, and N. M. Gaftonyuk, Acceleration of the rotation of asteroid 1862 Apollo by radiation torques, Nature 446 (2007) 420-422.

S. C. Lowry, A. Fitzsmmons, P. Pravec, D. Vokrouhlicky, H. Boehnhardt, P. A. Taylor, J-L. Margot, A. Galad, M. Irwin, and P. Kusnirak, Direct detection of the asteroidal YORP Effect, Science 316 (2007) 272-274.

P. A. Taylor, J-L. Margot, D. Vokrouhlicky, D. J. Scheeres, P. Pravec, S. C. Lowry, A. Fitzsmmons, M. C. Nolan, S. J. Ostro, L. A. M. Benner, D. J. Giorgini, and C. Magri, Spin rate of asteroid (54509) 2000 PH5 increasing due to the YORP Effect, Science 316 (2007) 274-277.

3論文とも小惑星の YORP 効果を観測で検出したという論文 (2編目と3編目は同一の小惑星の YORP に関する論文)。 YORP 効果は小惑星表面での光散乱と熱輻射の不均一性により生じる回転トルク効果のことで、 小惑星の自転周期や自転軸の方向を変える働きがあります。 これまで間接的な証拠は見つかっていましたが、 今回初めて直接的に自転周期の変動を捕らえています。 連合大会で北里さんが講演した Itokawa の YORP 効果検出の試みの結果と合わせて議論できればと思います。

5/30 09:30- 5F会議室 Masatsuna Iwasaki (TITECH) 固体惑星
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G. Schubert, J. D. Anderson, B. J. Travis, and J. Palguta, Enceladus: Present internal structure and differentiation by early and long-term radiogenic heating, Icarus 188 (2007) 345-355.

著者は、カッシーニで観測した Enceladus の平均密度を用いて数値計算を行ない、 Enceladus の内部が十分に分化しており、150-170 km の岩石ー鉄のコアをもち、 その周りに 90 km 程度の液体の水が層をなしているのではないかと推測している。 このことは、南極域からの窒素の plume も説明付けれる。 また、Enceladus は小さい衛星であるにも関わらず、 内部に熱源を持ち、潮汐加熱により、今も熱を保っているとしている。 Enceladus は一方で、地殻の変動もおこったと考えられており、resurfacing もしている。 このように様々なイベントを経験している Enceradus の内部構造は大変興味深い。

5/9 09:30- 5F会議室 三谷 固体惑星
宇宙硬X線・γ 線高感度観測のための CdTe 半導体検出器の開発 (presentation)

 

5/9 09:30- 5F会議室 小川 固体惑星
Surface elemental analysis in ambient atmosphere using electron-induced x-ray fluorescence(new paper review)

 

5/2 09:30- 5F会議室 松村,森戸 固体惑星
卒業研究の紹介

1. Mizuho Matsumura, Tokyo Univ. M1
presentation Title: not informed (学部卒研発表)
Detailed information will be announced later.

2. Hisataka Morito, Tokyo Univ. M
presentation 渦巻銀河 M51 のX線源 (学部卒研発表)
銀河に存在するX線源には白色矮星、中性子星、 ブラックホールと普通の恒星が連星系を成したX線連星系などがある。そして近年のX線天文衛星の成果で、 近傍の銀河の腕に非常に明るいX線源が見つかり、 それを UltraLuminous X-ray sources (ULX) と呼んだ。 その正体は中間質量ブラックホールではないかと考えられているが、一口にブラックホールといってもソフトステートやハードステートの状態遷移、シュバルツシルトブラックホールやカーブラックホールといった種類の違いなど、 その姿は様々である。 本研究では M51 という渦巻銀河に在る9個のX線源について、 XMM-Newton 衛星と Chandra 衛星の観測時期の異なる4つのデータをスペクトル解析し、 それぞれがどのような種類の天体でどのような状態にあるかを議論した。

4/25 09:30- 5F会議室 川上,川村 固体惑星
卒業研究の紹介