2011年度 惑星大気・電離圏セミナー
■場所 :A棟5F会議室 (変更の場合は赤字)
■時間 :金曜15:00- (変更の場合は赤字)
■連絡先:樋口武人 (takehito[at]ac.jaxa.jp)
開催日時・場所 | 発表者 (所属・身分) |
---|---|
02/23 (Thu)14:00- 5F1535(客員研究室) | 金尾 美穂 (OD) |
太陽風電場依存する金星コロナ光学観測の可能性 | |
概要:
| |
02/17 (Fri) 14:00- 5F1525(金星部屋) | 山田 学 (招聘研究員) |
概要:
| |
02/10 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 大月 祥子 (学振研究員) |
概要:
| |
02/03 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 飯塚 裕磨 (M2) |
金星雲画像から探る紫外吸収物質の高度分布 | |
概要:
金星大気では、紫外域において強い太陽光吸収があることが20世紀初めより知ら れている。しかし、波長365nm付近で強い吸収を示す物質につい て、その種類や 詳細な高度分布は明らかになっていない。雲層内に存在する吸収物質の高度分布 は、観測される金星ディスクの大局的な輝度分布に反映 されると考えらてい る。よって、この輝度分布を解析することが、吸収物質の高度分布を明らかにす る手がかりになると考えられる。 ESAの金星探査機Venus Express(VEX)搭載のVenus Monitoring Camera(VMC)の観 測により、様々な大気状況、様々な幾何学状態における観測データを繰り返し得 ることが可能となった。本研究では、このVMC紫 外画像を解析し、反射率の幾何 学依存性を明らかにした。その結果、反射率は太陽直下点付近で0.3-0.4程度、 太陽光入射天頂角の大きい領域で は、0.7-0.8程度まで増加することが明らかに なった。この分布が、吸収物質の高度分布の情報を含んでいるものと考えられる。 この解析結果と放射伝達計算を用い、吸収物質の高度分布の考察を行った。その 結果、高度分布の考察には、吸収物質の光学的厚さや存在高度に加え、 雲粒の 高度についても議論が必要であることが示唆された。また、一つの解として、 65-70kmに存在する光学的厚さ0.2の吸収層の上に、光学 的厚さ約1の非吸収層雲 が乗っているモデルを導いた。 | |
荒井 宏明 (M1) | |
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係 | |
概要:
金星大気では東西風速が高さとともに増大し高度65 km では風速100 m s−1 に も達する。これはスーパーローテーションと呼ばれ気象学における大きな謎の一 つである。金星には高度45-70 km の領域に硫酸の雲層が存在しており、雲層上 部で太陽光の吸収により熱潮汐波が励起される。この熱潮汐波に伴う上下への運 動量輸送がスーパーロテーションの生成・維持に重要な役割を担っている可能性 が指摘されている。熱潮汐波の伝播に伴って輸送される運動量は、基本場の風速 や大気安定度、熱潮汐波を励起する加熱の高度分布や加熱率など様々なパラメー タによって決まる。本研究では二次元プリミティブ方程式を用いて半日潮の熱潮 汐波の構造を数値計算し、背景場のパラメータを変化させたときに波によって輸 送される運動量がどう変化するかを調べた。この結果をもとに、金星大気のスー パーローテーションに熱潮汐波が寄与しているとしたらそれはなぜなのかを論じ る。また土星の衛星タイタンで観測されているスーパーローテーションに熱潮汐 が寄与しているかどうかも検討する。計算から、加熱域の広がり方を厚くすると 運動量フラックスが小さくなる傾向があること、加熱域の高度を高くすると運動 量フラックスが大きくなること、下層の粘性係数を小さくすると運動量フラック スが小さくなることなどが分かった。また、タイタンのパラメータで計算した場 合は、加熱域が地面付近にあるために、熱潮汐波が上向きにしか伝わらないこと が分かった。 | |
八津川 友輔 (B4) | |
s-310-40号機搭載固定バイアスプローブによる電子密度観測 | |
概要:
| |
01/27 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 石川 元久 (B4) |
概要:
| |
01/20 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 高橋 文穂 (共同研究員) |
北極オゾンホールと地球温暖化 | |
概要:
2011年1〜4月に史上初の北極オゾンホール が出現した。オゾンホールは、南極だけの ものと思われて来たが、北極にもついに オゾンホールが生成された事に、驚いた人も 多いと思う。このセミナーでは、まず、 オゾン研究の意義と歴史を概観し、オゾンホール の生成理論や最近のオゾン及び関連する大気微量 成分観測の紹介を行った後、地球温暖化と高層 大気の寒冷化について概観する。そして、 最後に、北極オゾンホール研究の最前線を紹介 した後、今後の課題・展望について述べる。 | |
01/13(Fri) 15:00- 5F会議室 | 荒井 宏明 (M1) |
金星大気における熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係 | |
概要:
| |
12/15 (Thu)15:00- 5F会議室 | 大島 亮 (D5) |
概要:
| |
12/09 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 高木 聖子 (東大・岩上研 D2) |
地上分光観測結果と放射輸送計算による金星全球雲モデルの構築 | |
概要:
pptx
金星は地球とほぼ同じ大きさ、密度を持ち、太陽系形成時には互いに似た惑星として 誕生したと考えられているが、その内部環境は90気圧もの二酸化炭素大気や雲頂高度 で自転速度の60倍にも達する高速東西風など、地球とは全く異なる様相を見せる。2 つの惑星がなぜ異なった大気進化を経たのかを解明するためには、まず現在の金星気 象を理解することが必要不可欠である。 金星の気象を特徴づけるものとして、金星全 球を覆う厚さ30kmもの硫酸雲の存在が挙げられる。この雲は高度約40-70 kmに存在 し、上からもや・上・中・下層に区分される。雲パラメータ (光学的厚さ・組成・粒径) の鉛直分布を雲モデルと呼び、雲モデルは過去の降下プローブ (Venera・Pioneer Venusなど) 観測結果から考案されている。雲の表面被覆率が100 %の金星において、雲モデルは高 精度な放射輸送計算をする際に必要不可欠である。現在は雲モデルPollack et al.(1993) が計算で広く仮定されているが、Pollackモデルに関して以下の問題点がある。1. Pollackモデルは金星加熱率[K/day]の計算値と観測値を合わせるために調整され、 もや層の光学的厚さが10に設定された経緯がある。しかし、もや層の光学的厚さは1と 測定されており([Crisp et al., 1986][Kawabata et al., 1980])、Pollackモデルの設定は 観測によって裏付けされていない。 2. 過去の金星降下プローブは、降下位置によって異なる雲の様相をとらえている。 Pollackモデルは Pioneer Venus Large プローブの降下位置1点における観測結果から作 られ、金星全球の雲を表すものではない。 ここでPollackモデルを仮定した計算結果の一例を示す。かつて私はPollackモデルを用い てが金星雲・大気に進入する高度を計算した。その結果、近赤外光は雲上端で跳ね返され た。これは、近赤外光は雲を透過するという観測結果[Allen&Crawford,1984]に反する。 このように、非現実的な雲モデルを用いた計算では観測を説明できないことが証明されて いる。 本研究は、過去に行われた複数の金星降下プローブ観測や、金星赤道付近をほぼ同時に観 測可能な地上分光観測結果と放射輸送計算を用いて、Pollackモデルの不完全性を改善する 現実的な金星全球雲モデルを構築することを目的とする。本発表ではその途中経過を示す。 | |
12/02 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 安藤 紘基 (D2) |
金星山岳波の数値シミュレーション | |
概要:
1980年代のVEGA ミッションにて、赤道域の雲層(高度は約54 km) で気球の上下動が観測された。Belmont et al. (1986) は気球の上下動 の振幅と地形の高低に良い相関があることを見出し、それが山岳波に よるものであることを示唆した。一方、金星の山岳波についての理論 的研究はYoung et al. (1987)とYoung et al. (1994) の2つしかない。 前者では2次元の数値シミュレーションによるパラメータースタディ ーを行い、地面付近の鉛直流に対して、実際にVEGAの気球による観 測高度での山岳波に伴う鉛直流の応答を調べた。後者では、実際に気 球で観測された上下動の振幅に見合うような山岳波を、モデル下端か ら人工的に励起させ、金星大気中での山岳波の伝搬特性について論じ ている。しかし、これらの研究では実際の金星地表面の地形を考慮し ておらず、計算はいずれも2次元であり、また山岳波による運動量輸 送や熱輸送といった背景場への影響について何も述べられていない。 そこで本研究では、地球のメソスケールモデルCReSSを金星大気に 適用し、さらにMagellanミッションで得られた金星地表面の地形デー タをそれに組み込む事で、金星大気中でのより現実的な山岳波を再現 する事を目指している。本発表では先行研究について振り返ると共に 、金星山岳波の研究方針について論じたい。 | |
11/25 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 佐藤 毅彦 (教授) |
概要:
| |
11/18 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 宮本 麻由 (M1) |
あかつきによる太陽コロナの伝播掩蔽観測 | |
概要:
| |
11/11 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 樋口 武人 (M1) |
金星の雲層における対流 | |
概要:
pptx
金星は高度45-70kmに存在する硫酸の雲に覆われている。 Venus Express探査機搭載Venus Monitoring Cameraか ら、低緯度地方の高度60-70kmにおいて水平スケールが 数100kmにも及ぶセル状の構造が確認されている。これ は雲層での異なる太陽光の吸収・加熱によって生じた対 流であると考えられる。先行研究では上下の安定層へと 貫入するような対流が再現されているが、セルの水平ス ケールは観測に比べ小さい結果となっている。本研究で は金星大気の対流セルがどのような要因に依存するのか 理解するために数値モデルCReSSを用いて金星雲層高度 のシミュレーションを行っている。本発表では異なる加 熱強制によって対流の様相がどのように変化するのか、 ここまでの結果をもとに議論したい。 | |
10/28 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 荒井 宏明(M2) |
熱潮汐波による運動量輸送と大気構造の関係 | |
概要:
| |
飯塚 裕磨(M2) | |
金星雲画像及び放射伝達計算を用いた紫外吸収物質の高度分布 | |
概要:
| |
神山 徹(D4) | |
雲追跡手法を用いた金星大気力学の研究 | |
概要:
| |
10/21 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 小郷原 一智 (招聘研究員) |
概要:
| |
10/14 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 神山 徹(D4) |
金星大気スーパーローテーションの時間変動性評価 | |
概要:
pptx
金星の代表的な気象現象である金星大気スーパーローテーションは、その発見 から現在に至るまで一貫して観測され続けており、安定的に金星に存在 し続け る現象である。一方で観測が行われるたびに雲頂高度では東西風速が5m/s 〜 10m/sほど変化しており、平均的には秒速100m/sの風速が維持されているものの 何らかの時間変動を生じていることが知られている。風速の加速・減 速は大気 の運動量輸送と密接に関係しスーパーローテーション形成へも寄与しうるもので あるが、長期に渡る定常的な観測が不足していたため、この時 間変動の基本的 特性すら分かっていない。 そこで本研究ではスーパーローテーションの変動性を理解することを目的に、 Venus Express探査機搭載Venus Monitoring Camera(VMC)が取得している4年以上 に渡る準定常・長期観測データを解析した。雲追跡手法を用いてVMCが得る雲画 像から風速を導出し、スペク トル解析を行った。その結果金星雲頂高度におい てスーパーローテーションには赤道域から中緯度帯にかけて風速が速くなる時 期、遅くなる時期を繰り 返す、およそ260日周期の周期的変動が見出された。ま た風速の速い時期ではロスビー波が、遅い時期では赤道ケルビン波が卓越するな ど顕著に見ら れる大気波動の種類が背景風速の変化に伴い異なることが確認された。本発表ではこれらVMCによる観測結果の紹介に加え、大気波動と平均風速 変動 の関連性について現在進めている考察をお話したい。 | |
10/07 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 阿部 琢美 (准教授) |
地震活動と電離圏プラズマ密度擾乱 | |
概要:
大地震に伴って電離圏に擾乱が生じることは古くから知られている。 地震後の擾乱現象については既に多くの研究発表がなされているが 前兆現象としての電離圏擾乱については今もって懐疑的にとらえる 人がほとんどである。 発表では本年に発表された地震の前兆現象としての電離圏変動を 議論した論文の紹介を行なうとともに、手法の妥当性について議論 したい。 | |
9/30 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 北野谷 有吾 (D3) |
ON THE ORIGIN OF LOW-ENERGY DOWNWARD ELECTRONS IN THE POLAR CAP IONOSPHERE | |
概要:
| |
9/15 (Thu) 15:00- 5F会議室 | 今村 剛 (准教授) |
概要:
| |
9/09 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 細内 麻悠 (東大・岩上研 D1) |
地上赤外分光観測による金星昼面大気波動現象の推定 | |
概要:
pdf
金星の大気循環や雲の生成機構など、金星大気力学の理解のためには、波動現象 の理解を深める必要がある。しかし、鉛直構造、伝播の方向など、未解明の部分 は多い。 金星昼面からの太陽散乱光を地上赤外分光観測し、大気主成分である二酸化炭素 を定量することで高度約65km の大気波動現象の研究を行った。高度65km は、過 去紫外で観測された高度(約70km)とも、赤外で観測された高度(約50km)とも異な る。観測期間は2007年5月および11月、2009 年6月、2010年8月の計4期間である。 その観測データの解析から、観測高度における雲の模様の回転周期を2007年5月 は4.5-5日、2010年8月は5-6日と見積もった。得られた空間構造は雲頂ケルビン 波のそれと似ているが、位相速度は全く異なっていた。 これらの事実より、60kmでの波動現象及び鉛直伝播について考察する。 | |
9/02 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 山崎 敦 (助教) |
SPRINT-Aによる惑星大気散逸観測計画 | |
概要:
再来年秋の打ち上げを目指して開発中の小型科学衛星一号機について科学目的と開発状況を報告する。 観測対象は、木星型惑星の内部磁気圏でのエネルギー収支と地球型惑星の大気散逸である。 プラズマ流中を中性大気をまとった惑星・衛星が通過し、相互作用を引き起こしている場所であることに 着目しながら惑星大気進化について議論する。 | |
7/28 (Thu) 15:00- 5F会議室 | 山田 学 (招聘研究員) |
概要:
| |
7/22 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 佐藤 毅彦 (教授) |
概要:
| |
7/15 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 小郷原 一智 (招聘研究員) |
概要:
| |
7/8 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 金尾 美穂 (OD) |
概要:
| |
7/1 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 今村 剛 (准教授) |
概要:
| |
6/24 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 高橋 文穂 (共同研究員) |
GOSAT(いぶき)2.4年経過時研究成果紹介 | |
概要:
本発表では、はじめに、GOSAT(いぶき)のデータを利用した研究の 背景について、近年の地球温暖化の傾向が、2001年IPCCで予測された 二酸化炭素濃度変化に近いトレンドを示している事、我々のCO2,CH4等 の吸収・排出源について、まだまだ理解が足りない事、また、その混合比 観測結果についての不確定性がまだまだ大きく、この分野での更なる研究 が促進される必要性について述べた。 2009年1月のGOSAT打ち上げ後、2.4年経過し、GOSATデータを利用 した研究の進展状況を紹介する目的で、ここでは、 1)GOSAT衛星・観測センサの概要、 2)校正(Calibration)の状況、 3)検証(Validation)の状況、 4)CO2,CH4導出アルゴリズム改善の取り組み状況、 5)最近の観測成果(Topics) について述べた。 最後に、まとめとして、GOSATプロダクトの作成状況、Cloud/Aerosol を含むRetrieval精度の現状と、今後の精度向上に向けた問題点、解決策等 について述べ、GOSATのこれまでの成果・今後の課題等について大局的な 見地から、展望した。 | |
6/17 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 大月 祥子 (学振研究員) |
概要:
| |
6/10 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 阿部 琢美 (准教授) |
概要:
| |
6/3 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 大島 亮 (D5) |
火星大気波動の波数スペクトル解析 | |
概要:
ppt
| |
5/20 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 荒井 宏明(M2) |
概要:
| |
飯塚 裕磨(M2) | |
概要:
| |
5/13 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 神山 徹(D4) |
概要:
abstract | |
北野谷 有吾(D3) | |
概要:
| |
5/6 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 安藤 紘基 (D2) |
Vertical Wavenumber Spectrum of Gravity Waves at the Northern High Latitude Region in the Martian Atmosphere | |
概要:
pptx
| |
4/29 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 全員 (全員) |
概要:
| |
4/22 (Fri) 15:00- 5F会議室 | 佐藤毅彦(教授) |
概要:
| |
阿部琢美(准教授) | |
概要:
| |
今村剛(准教授) | |
概要:
| |