2013年度 惑星大気・電離圏セミナー
■場所 :A棟5F会議室 (変更の場合は赤字)
■時間 :金曜日16:00- (変更の場合は赤字)
■連絡先:榎本孝之(enomoto[at]ac.jaxa.jp)
開催日時・場所 | 発表者 (所属・身分) |
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修論発表練習 | |
1/31 (Fri) 16:00- 3F会議室 | 榎本孝之 (M2) |
偏光撮像装置"HOPS"で探る金星上層ヘイズ | |
概要:
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八津川友輔 (M2) | |
電離圏E領域に存在する高電子密度層の温度構造に関する研究 | |
概要:
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渡邊歩佳 (M2) | |
火星における対流励起重力波と熱圏への影響 | |
概要:
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1/17 (Fri) 16:15- 4F会議室 | 金尾美穂 (OD) |
ひので衛星に搭載の可視光磁場望遠鏡のピクセルスケールの再較正 | |
概要:
2006年の水星日面通過に続いて、2012年金星日面通過を利用して、打ち上げ後2回目のピクセルスケールの較正を行った。可視光磁場望遠鏡は、7時間にわたって金星の夜面の観測を行った。較正にはG-band (430.5nm)の画像を使用した。高空間分解でのSOTの観測によって金星リム領域の太陽光の強度変化は、外圏底までの領域での金星大気の吸収を示し、この解析により金星大気の透過率の算出が可能である。透過率0.5の位置として定義した金星リムの大きさと、大気を含む視半径角度を比較し、ピクセルスケールを算出した。ピクセルスケールはCCD中心からの距離に従って減少し、その変化率は中心から500 2x2 summingピクセルの位置で0.016%程度である。較正に必要な金星大気の高度には、Venus Express衛星搭載のSPIACAV-IRとSPICAV-UVの観測結果(Wilquet et al., 2009)を使用した。導出された金星大気高度は、極域と赤道域で7.6km異なった。ピクセルスケールの算出の手法結果として得られた透過率0.5における大気高度の分布を報告する。 太陽グループの清水 敏文 先生と共同で行われた、金星大気研究のための準備としての研究である。 This is the re-investigation to calibrate the plate scale of the SOT onboard HINODE for the Venus atmosphere study. The G-band (430.5cnm) images from the 2nd contact to the 3rd contact were used for the derivation of the actual size of Venus. The plate scale is derived from the collation with the apparent Venus angular size including the atmospheric thickness. The G-band pixel scale is 0.05369±0.00005 arcsec pixel-1. It decreases to 0.5368 arcsec pixel-1 at 500 pixel off position. The SOT image shows the 7.6km difference in altitude between the equator and the polar region. | |
12/20 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 今村剛(准教授) |
Convection in planetary and solar atmospheres | |
概要:
Characteristics of convection in planetary and solar atmospheres are compared from viewpoints of energy flux, atmospheric density and characteristic timescales. Implications for the convective generation of gravity waves in a very tenuous atmosphere is discussed. | |
12/13 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 高岡昂平(B4) |
Short Talk | |
概要:
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12/6 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 佐藤隆雄(学振研究員) |
Spatiotemporal variations of Venus middle atmosphere revealed by Subaru/COMICS | |
概要:
I report the spatiotemporal variations of brightness temperatures of Venus at cloud top altitudes (〜70 km) obtained by the Cooled Mid-Infrared Camera and Spectrometer (COMICS), mounted on the 8.2-m Subaru Telescope, during October 25-29, 2007 (UT). The images at 8.66 micron and 11.34 micron are radiometrically calibrated and their disk-averaged brightness temperatures are 〜229 K and 〜236 K, respectively. The three important findings are (1) the brightness temperatures in north polar regions seem to be synchronized with those in south polar regions, (2) the equatorial center-to-limb curves have different characteristics between dayside and nightside for all of the observation nights, and (3) there are some streaky patterns in images after high-pass filtering as are seen in UV images and these patterns vary from day to day. | |
11/29 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 渡邊歩佳(M2),宮本麻由(D1) |
Short Talks | |
概要:
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11/22 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 高橋文穂(共同研究員) |
「GOSAT衛星の成果概要」 (地球温暖化科学への貢献) | |
概要:
GOSAT(いぶき)は、2ヶ月後に5年の設計寿命 を迎える。本発表では、GOSATに関する最終 報告として、5年間に渡るGOSATの歩み及び 成果を、地球温暖化科学への貢献という観点 から、まとめて見たい。 | |
11/15 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 榎本孝之(M2) |
Short Talk | |
概要:
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11/8 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 山崎 敦(助教) |
ひさき衛星の現状と打上オペレーション報告 | |
概要:
おかげさまでSPRINT-A衛星はイプシロンロケット初号機で打ち上げ、 所定の軌道に投入され「ひさき」と命名されました。 衛星の運用状況・観測計画と 3か月にわたった打上オペレーションの紹介をいたします | |
10/25 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 渡辺歩佳(M2), 八津川友輔(M2) |
Short Talks | |
概要:
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10/18 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 杉山耕一朗(PD) |
Short Talk | |
概要:
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10/11 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 安藤紘基(PD) |
金星極渦のダイナミクスに関する観測的・理論的研究 | |
概要:
金星極域には東西波数2の構造が卓越して存在し、またその構造が 周期3日ほどで極を周回していることが従来の撮像観測から 知られている。また最近では、安藤らが電波掩蔽観測から極渦の 鉛直構造が順圧的であり、それがロスビー波 or 順圧不安定に 起因していることを示唆している。 一方、金星極渦に関する理論的な研究として、例えば Elson (1982) が挙げられる。Elson (1982) では線形の2次元非圧縮順圧渦度方程式を 固有値問題として解いて、波数1-3の各成分の周期・成長率・水平構造を 計算し、その結果、周期3日程度の波数2成分が最も卓越することを見出した。 また近年はYamamoto and Takahashi (2012) がGCMの計算結果から 極渦の構造を再現しようと試みた。しかしこれらの研究では、 ・ 平均東西風が観測されているものよりも速すぎる ・ Yamamoto and Takahashi では渦の構造が不安定 といった問題があり、観測結果を再現できているとは言いがたく、実際の観測 との比較や極渦の生成・維持メカニズムの考察が難しい。そこで本研究では、 Yamamoto and Takahashi とは異なる大気大循環モデルAFESを用いて、極域に おける大気の運動について理解を深めることを目的とする。本発表では、 これまでの金星極域に関する観測結果と理論研究について簡単にレビューし、 またAFESの初期解析結果についても話す。 | |
10/4 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 阿部 琢美(准教授) |
S-520-27号機・S-310-42号機観測ロケット実験と初期観測結果について | |
概要:
2機の観測ロケット(S-520-27号機、S-310-42号機)を用いた実験が今年 7月に内之浦宇宙空間観測所にて行われた。本発表では実験の目的、 全体概要、これまでに得られた主な観測結果を報告する。 電離圏中には様々なタイプのプラズマ密度擾乱現象が存在する。電離圏 E層ではスポラディックE層やQPエコー現象、F層では中規模移動性電離圏 擾乱(MS-TID)などが有名である。これらはこれまでは個別の現象として 研究されてきたが、近年の研究によりE層の擾乱とF層の擾乱に関連性の あるらしいことがわかってきた。この関連性については数値シミュレーショ ンによって存在しうるものであるとの報告がなされている。 これらの背景のもと、電離圏E層とF層を同時に観測し、異なる高度で発生 する密度擾乱現象間の電磁的な結合を解明しようというロケット実験が提 案され、今年7月20日に打ち上げが行われた。本実験がターゲットにした 擾乱現象では中性大気と電離大気、それに電磁場が生成に重要な役割を 果たしていると考えられるため、E層とF層において、これらのパラメータを 測定する必要がある。このため、2機の観測ロケットを用いて実験が行わ れることになった。 これらの測定の中でのキーポイントは中性大気風の観測にある。我々は これまでロケットから大気中にリチウムを放出し、その共鳴散乱光を撮像 することで夕方と明け方の中性大気風を観測することに成功してきた。 また、製作したリチウム放出器を搭載した米国のロケットを日中に打ち上 げ狭帯域のフィルターにより明るい背景光のもとでも観測が可能である事 を実証した。しかし、今回の実験で注目する密度擾乱は夜間に発生する 現象であるため、太陽光の散乱は期待できない。このため、我々は月の 散乱光によるリチウム発光を観測に用いることにした。 本発表ではリチウム発光観測の結果、電子密度擾乱観測のための固定 バイアスプローブの測定結果を中心に報告を行う。 | |
9/27 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 八津川友輔(M2), 宮本麻由(D1) |
Short Talks | |
概要:
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9/20 (Fri) 16:00- 5F会議室 | 渡辺歩佳(M2), 榎本孝之(M2) |
Short Talks | |
概要:
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7/31 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 安藤紘基(PD) |
金星山岳波の線形計算 | |
概要:
山岳波は地球の大気循環に大きな役割を果たし、また南極成層圏における 雲の生成・消滅にも関わっており、地球気象において必要不可欠な要素 である。一方金星でも、過去のVEGA Balloon観測や近年のVEX/VMCによる 撮像観測から、山岳波の存在が示唆されている。またYoungらによる 山岳波の伝搬特性に関する理論的研究もある。だが観測的・理論的研究の 数は大変少なく、またYoungらの研究では金星雲層に存在する対流層が 波の伝搬や振幅に与える影響を考えていない。そこで本発表では、対流層の 影響を拡散による散逸で模擬した線形計算を行い、金星山岳波の伝搬特性に ついてより深く理解し、山岳波が金星の大気循環や雲物理に及ぼす影響を を調べることを目的とする。本発表では、現段階での計算の進捗状況について 話すとともに、今後の方針・展望についても言及する。 | |
7/24 (Wed) 16:00- 5F会議室 | Lee Yeon Joo(PD) |
Temporal variation of the UV reflectivity of Venus from Venus Monitoring Camera observation (preliminary results) | |
概要:
The intense UV radiation from Sun reaches to the mesosphere of Venus. This UV radiation is strong enough to drive sulfur photochemical reactions, which result in sulfuric acid aerosols in the upper cloud layer. The UV solar radiation is on the increasing phase after the last solar minimum (2008-2009), along its well-known 11-year solar activity cycle. Since Venus Express has accumulated the observational data from 2006, through the solar minimum, it becomes an interesting topic to study about a possible temporal variations of the upper clouds and unknown UV absorbers, as well as a possible correlation with the variation of UV solar radiation. Therefore, I used data obtained from the UV channel, 365 nm, of Venus Monitoring Camera (VMC), in order to analyze the temporal variations of the reflectivity from the cloud tops and the absorptions from the unknown UV absorbers. The preliminary results show the temporal variation of UV reflectivity for the first 2000 orbits; increase until early 2007, and decrease until 2011 (vary from 〜0.9 to 〜0.6, at the phase angle range of 85-90 degree). This unexpected decreasing trend might be related with the temporal variation of SO2, or a possible degradation of the sensitivity of VMC. Therefore it requires careful and further study to understand it clearly. | |
7/17 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 安藤紘基(PD), 杉山耕一朗(PD) |
Short Talks | |
概要:
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7/3 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 安藤紘基(PD), 今村剛(准教授) |
Short Talks | |
概要:
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6/26 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 樫村博基(PD) |
簡単金星計算とエネルギースペクトル | |
概要:
惑星大気の運動は乱流的であり、その統計的平衡状態を考えれば、 運動エネルギースペクトルは簡単な冪乗則に従うことが理論的に導かれる。 地球や火星、金星の大気で観測されるエネルギースペクトルも冪乗則を示している。 一方、有限の自由度(解像度)しか持たない数値モデルにおいても、 エネルギースペクトルの冪乗則が満たされていることが望ましい。 本発表では、エネルギースペクトルについて復習したのち、 簡単金星大気設定の計算におけるエネルギースペクトルについて調べる。 | |
6/19 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 今村剛(准教授), 佐藤毅彦(教授) |
Short Talks | |
概要:
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6/5 (Wed) 16:00- 5F会議室 | Lee Yeon Joo(PD), 安藤紘基(PD), 樫村博基(PD) |
Short Talks | |
概要:
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5/29 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 杉山耕一朗(PD) |
木星大気の雲対流の数値計算 Numerical Modeling of Moist Convection in Jupiter's Atmosphere | |
概要:
木星大気雲層の平均的な温度, 凝結物, 凝結成分気体の鉛直分布は, 内部加熱 /放射冷却によって駆動される多数の雲の生成消滅が繰り返された結果として維持されるものである. この問題に取り組むために, 我々はH2OとNH3の凝結とNH4SHの生成反応を考慮した2次元雲解像モデルを開発し, それを用いて雲層における大気構造を調べてきた. 得られた大きな特徴は, 間欠的に強い積雲がH2O凝結高度から対流圏界面まで発達することである. 雲対流に伴う鉛直輸送によって, 平均的な凝結物分布や温度分布は従来の平衡熱力学計算の結果を元にした3層構造から大きく変化する. 本発表では得られた大気構造の特徴を詳述し, 雲対流の間欠性をもたらすメカニズムに関して議論する. The mean vertical profiles of temperature, condensed components, and condensible gases in the cloud layer of Jupiter's atmosphere is thought to be maintained by the statistical contribution of a large number of clouds driven by internal and radiative heating/cooling over multiple cloud life cycles. For the purpose of investigating the above problem, we developed a two-dimensional cloud resolving model that incorporates condensation of H2O and NH3 and production reaction of NH4SH and investigated a possible cloud layer structure in Jupiter's atmosphere with using the model. A prominent result obtained is intermittent emergence of vigorous cumulonimbus clouds rising from the H2O condensation level to the tropopause. Due to the active transport associated with these clouds, the mean vertical distributions of cloud particles and condensible gases are distinctly different from the hitherto accepted three-layered structure based on the thermodynamical equilibrium calculations. In this presentation, I will show the characteristics of cloud layer structure in detail and discuss the mechanism which cause the intermittency of moist convection. | |
5/22 (Wed) | |
JpGUのためお休み | |
概要:
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5/15 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 宮本麻由(D1)、榎本孝之(M2)、渡邊歩佳(M2) |
JpGUに向けた発表練習 | |
概要:
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5/8 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 宮本麻由(D1) |
Spectral analysis of the electron density fluctuation in the solar corona obtained by radio occultation experiments using the Akatsuki spacecraft
「あかつき」の電波掩蔽観測による太陽コロナの電子密度変動のスペクトル解析 | |
概要:
Coronal radio occultation experiments were carried out using the Akatsuki spacecraft from June 6, 2011 to July 8, 2011. The radio waves were transmitted from the spacecraft toward the Earth and probed the plasma in the solar corona on the way to the ground station. Due to the movement of small-scale density irregularities across the ray path, the frequency and intensity of the received signal undergo temporal variations. The frequency fluctuation is proportional to the rate of change of the electron column density along the ray path. Based on the substantial interest in the acoustic waves in the corona, we examined the radial dependence of the characteristics of the waves, such as the period, the density amplitude and the energy flux, by wavelet analysis of the electron density fluctuations in the region from 1.5 to 20.5 Rs (solar radii) obtained by radio occultation. The overall spectral fluctuations at 3.5-20.5 Rs have near power-law dependences and those at closer heliocentric distances have prominent excess power above the background. By further investigation, quasi-periodic disturbances having periods of 100-3000 s were detected at 3.5-10.5 Rs, while periods exceeding 3000 s were also observed at 1.5-2.4 Rs. Our result suggests that quasi-periodic fluctuations occur also at closer distances than suggested by previous studies. It was also found that the coherence time of each event is typically comparable to its period. Amplitudes of the density fluctuations were estimated to be 0.2-40% of the background density in the maximum estimate. We also estimated the energy fluxes of these sporadic events on the assumption that the observed fluctuations are manifestations of acoustic waves. The maximum estimates of the energy fluxes are about 10 erg cm-2 s-1. Then, we compared our result to a theoretical model developed by Suzuki and Inutsuka (2005). In this simulation, the outgoing Alfven waves enter the corona and contribute to the heating and acceleration of the plasma mainly by the nonlinear generation of compressive waves and shocks. The positive correlation between the relative density amplitude and the heliocentric distance is qualitatively similar to that in the simulation. The absolute values are slightly smaller than those in the simulation. The energy flux also qualitatively consisted with this prediction and the magnitude of energy flux is ten times smaller. In this seminar, I’ll introduce my study in 3 minutes for JpGU. コロナ加熱のメカニズムとして波動の寄与が考えられている。エネルギー輸送の点でAlfven波が注目されており、音波は光球や彩層などの太陽表面を出るとすぐに衝撃波を作り散逸してしまうためコロナに伝搬しにくいと考えられている。しかしコロナ中で音波は観測されており、これはAlfven波がその減衰過程で生成する音波ではないかと考えられる。したがって、コロナ中の音波の観測はAlfven波がエネルギーを散逸する過程を捉えている可能性がある。 現在太陽周回軌道を航行中の金星探査機「あかつき」は2011 年に太陽コロナの電波掩蔽観測を行った。これは地上局から見て探査機が太陽の背後へ入出する際、探査機から送信された電波が太陽コロナを通過し地上局に届くことを利用した観測で、電波の受信周波数変動や強度の時間変化を得る。受信周波数変動からはコロナ中の電子密度変動の電波経路上の積分値が求まる。今回「あかつき」は太陽中心から1.5-20.5 Rs(太陽半径)という太陽近傍の観測を行った。本研究では、この受信周波数変動データのスペクトル解析を行い、コロナ中の音波の周期、密度、エネルギーフラックスの太陽からの距離依存性とコロナ加熱への寄与を考察した。 フーリエ解析の結果から、太陽から遠いところ(3.5-20.5 Rs)では密度変動スペクトルが乱流のべき乗則に従う傾向が、太陽近傍(1.5-2.4 Rs)ではそれと異なる背景スペクトルから突き出るふくらみが見られるという全体的な特徴を捉えた。またウェーブレット解析の結果、3.5-10.5 Rsで周期100-3000 sの準周期的な密度変動が、1.5-2.4 Rsでは周期100-3000 sと共に周期3000 sを超える準周期的な密度変動も見つかった。また、各密度変動の周期とその継続時間が同等ということもわかった。密度変動の空間スケールが音波の波長程度と仮定し見積もった密度変動の振幅の背景密度に対する割合は太陽からの距離と共に大きくなる傾向を示し、0.2-40%であった。この傾向は光球で生成されたAlfven 波が二次的に音波を生成しながら減衰する1次元数値モデル(Suzuki and Inutsuka, 2005)による推定と定性的に似ており、また振幅は小さい。観測された変動が音波によると仮定し見積もったエネルギーフラックスは最大でおよそ10 erg cm-2 s-1であった。エネルギーフラックスもモデルと比べその距離依存性が定性的に似ており、値はモデルの予想より1桁程度小さかった。本発表では上記研究内容の3分紹介を行う。 | |
榎本孝之(M2) | |
Venusian upper hazes observed by Imaging-Polarimetry system HOPS | |
概要:
Physical properties of the aerosols in the Venusian upper atmosphere can be derived by measuring the polarization of light scattered by them. Kawabata et al. [1980] obtained polarization maps of Venus from the data of Orbiter Cloud Photopolarimeter (OCPP) onboard the Pioneer Venus Orbiter, and found numerous haze particles distributed mainly on polar region. The variability of hazes and clouds can change latitudinal balance of solar absorption and atmospheric dynamics. Two dimensional polarization maps are needless to say advantageous as they allow us to selectively pick up the local characteristics. We developed a planetary imaging-polarimetry system HOPS (Hida Optical Polarimetry System), which can take polarization maps. The optical system of HOPS includes a Wollaston prism and a half wave retarder, and the observation channels are 930, 647(650), 548(546), and 438nm. For the purpose of monitoring of Venusian upper hazes, we performed observations at the Hida observatory of Kyoto Univ. in May, Aug., and Oct. 2012. From quick-looks of the data, it may be indicated that the distribution of haze particles at the time of HOPS observations is somewhat similar to that was observed by PVO/OCPP. We are planning to observe at other phase angles and developing the computational code for multiple light scattering including the effect of polarization for the purpose of quantitative evaluations. | |
渡邊 歩佳 (M2) | |
The property of propagation of short period gravity waves and acoustic waves in the Martian atmosphere
火星大気中における短周期重力波および音波の伝搬特性 | |
概要:
There are not many observed data and theoretical works about the short period waves, because it is difficult to observe them. But the short period waves are given more little effects by molecular diffusion than long period waves, so they can propagate to higher altitude. And it is considered that upper atmosphere is affected by the dissipation of them. I supposed the Martian atmosphere this time. In Martian atmosphere, airborne dust absorbs incoming sunlight and heat atmosphere in short time scale. So the short period gravity waves and acoustic waves are generated and propagate. Then I worked numerical analysis of the propagation property of these waves by non-hydrostatic and linear model in the atmosphere of only CO2 for investigation of the effects that these waves affect the atmosphere around few hundred kilometers altitude. 大気中を伝播する短周期波の観測は困難である。そのため観測データは長周期波のものがほとんどであり、理論的にも短周期波に関する研究はあまりなされていない。しかし、短周期波は長周期波に比べて分子拡散による影響が小さいためより高い高度まで到達することができる。そして、大気上端において消散する際に周りの大気に対して何らかの影響を与えると考えられる。今回は火星の大気を想定して計算をおこなった。火星では大気ダストが太陽光を吸収し短い時間スケールで大気を暖めるため、それにより励起された短周期の重力波や音波が上層へと伝搬する。そこで、それらの波が高度数百キロメートルの大気へ与える影響を調べるべく、CO2のみの大気中における短周期重力波および音波の伝搬特性を非静力学の線形モデルにより数値解析した。 | |
5/1 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 佐藤隆雄(PD) |
Characteristics of Jovian tropospheric aerosols inferred from Cassini ISS limb-darkening data
Cassini ISSデータから明らかとなった木星対流圏エアロゾルの特徴 | |
概要:
To obtain new observational constraints on the single scattering phase functions of aerosols in the jovian upper troposphere, we have analyzed Cassini Imaging Science Subsystem (ISS) imaging data obtained at a wide range of solar phase angles (0-140 degrees) in two wavelengths (BL1: 455 nm, CB2: 750 nm) for a bright zone (STrZ) and a dark belt (SEBn). With a cloud model consisting of Mie particles, we have successfully determined the scattering properties of aerosols which reproduce the phase angle behaviors of limb-darkening curves. The effective radius of tropospheric aerosols is optimized at 0.2-0.3 μm which are consistent with those inferred from previous studies for the diffuse and ubiquitous layer of small particles in the upper troposphere. The real refractive index of tropospheric aerosols is found to get much higher value (〜1.85) than previous experimental values for NH3 ice particles (〜1.43). We conclude that these two constrained parameters would strongly suggest the idea that the abundant small particle population in the upper troposphere is not composed of pure NH3 ice. The scattering properties of tropospheric aerosols for both STrZ and SEBn are found to show much the same characteristics, which suggests that tropospheric aerosols themselves are less likely to be related to the visual difference between the zones and belts. Only the single scattering albedo of tropospheric aerosols shows a remarkable difference (STrZ/SEBn: 0.9965/0.9702 for BL1, 0.9968/0.9932 for CB2), and is one key parameter which causes the visual difference. Such difference in absorption would be likely to be due to chromophores. Our Mie scattering phase functions can also reproduce the limb-darkening curves at phase angles (12-150 degrees) obtained by Pioneer 10. These functions can be used to interpret the ever-changing appearance of jovian aerosols as changes of the vertical cloud structure and/or distribution of chromophores in the atmosphere. 木星表層の雲には,東西に延びる帯状構造や大赤斑に代表される渦構造などの特徴がある. これらの模様の違いは,雲層構造やエアロゾルの光学的特性の違いを反映している.これらの 物理情報をリモートセンシングデータから得るためには,エアロゾルの散乱特性 (散乱位相関数) の理解が必要不可欠となる.しかし外惑星である木星の場合,地上や地球周回観測では太陽 位相角が0-12度に限定されるため散乱位相関数の導出は不可能である. 本研究では,Cassini探査機に搭載されたImaging Science Subsystem (ISS)の木星フライバイ 観測データを利用することにより,1) 上部対流圏・成層圏に存在するエアロゾルの散乱位相関数 を観測的に導出すること,2) zoneとbeltの模様の違いを説明すること,を目的とした. 本発表では,これまでに得た知見について紹介する. | |
4/24 (Wed) 16:00- 5F会議室 | 佐藤毅彦(教授) |
木星赤外オーロラ連続観測計画 〜NIIHAMAプロジェクト〜 | |
概要:
木星は惑星本体が太陽系最大であるのみならず、その磁気圏も最大・ 最強である。さらに衛星イオ起源のプラズマで満たされていることから、 その磁気圏に展開する現象は実に複雑である。その一つであるオーロラ を地上から連続モニターし、複雑な木星磁気圏現象の解明に迫りたい。 地上からはH3+イオンの赤外線発光(波長3〜4ミクロン帯)が観測しや すく、このプロジェクトのために赤外線カメラNIIHAMAを開発した。 このカメラは「あかつき」IR2カメラと同じPtSi検出素子を用いるもの で、これをハワイのハレアカラ山頂にあるSOLAR-Cと呼ばれる口径50cm 望遠鏡に装着し約一ヶ月間の連続観測を実施する計画である。JAXAが この夏に打ち上げるSPRINT-A/EXCEEDも木星磁気圏プラズマを極端紫外 線で観測する計画であり、それと連携することで大きな科学成果を挙 げたいと考えている。 | |
4/17 (Wed) 16:00- 4F会議室 | |
概要:
自己紹介、今後の方針等 | |