スタッフ出張報告

2ヶ月間、ほとんど不在
藤本 正樹

● 日程
schedule

>> 05/04 - 05/12 グラーツ、オーストリア
  >> 05/12       ベッピコロンボMMO SWG、相模原
  >> 05/13 - 05/22 バークレイ、カリフォルニア
  >> 05/25 - 05/29 ESA・ESTEC、オランダ
  >> 06/08 - 06/13 プラハ、チェコ
  >> 06/14 - 06/21 釜山、韓国
  >> 06/24 - 07/05 ESA・ESTEC、オランダ

● グラーツ、オーストリア

ICS9に参加した。ICSとは、国際サブストーム会議で、その第9回。主催者のグラーツ軍団とは深い親交があるので、いそいそと参加する。サブストームとは、ある時突然にオーロラが爆発的に光る現象であり、磁気圏分野における目玉テーマである。

お前、サブストームを研究してたっけ?

 

 

今回は、サブストーム全体を構成する要素の中でも重要な要素である、磁気リコネクションの理論研究を話してくれという招待だったのだ。物理としての理解を目指すのは当然のこと、だから、堂々と話をする。まだまだ、観測研究と理論研究にはギャップがあるのだが。

研究スタイルの問題として、「このギャップをどう考えるか」は、今後の分野の発展を考えれば、大きな分岐点となるだろう。
graz

この「ギャップがある」とは、観測データに見える現象全体を捉える理論研究は未だ無く、せいぜい要素を切り出して対応しているということである。「理論家役立たず論」の先鋒となりそうな議論であるが、果たしてそうだろうか。逆の極限を考えて、そして、それは実際に広く行われてきたことなのだが、データ(と電磁流体的なマンガ)だけからモーフォロジーの記載を行ったとしたら、それは魅力的な成果と呼べるのだろうか。データを時間順に並べて現象を記載するだけ。もはや、こういう地物的クラシック・スタイルに勇気をもって決別するときが来た、衛星多点観測が充実したからこそ、そのスタイルを捨てるべきである(そのまま続けるのは簡単すぎる!)という印象を強く持った。

では、理論に準拠して研究を進めるべきなのだろうが、理論は断片的なレベルにしかない。で、どうするか。いきなりサブストーム全体を狙うのではなく、サブストームのさまざまな場面にいくつもの魅力的な物理現象が包含されていること、その物理現象が、その位置・そのタイミングで発動することをきっちりと理解すること、(いつかはそれらの連携を理解することを狙いながら)それらの全体の中での役割を考えていくこと、というスタイルをとるべきではないだろうかと考える。つまり、多点観測は全体事象の文脈をより確実に与えるが、そこで、その文脈そのものを追いかけるというスタイルよりも、全体文脈の中のある場所・あるタイミングでの物理現象に集中するというスタイルをとるべきであると思う。

研究分野がそういう段階にあるので、プレゼンにおいては、立場をはっきりさせること、メッセージをきっちりと伝えることが重要だと思う。残念ながら、ジャポネーゼのプレゼンは、事実を淡々と述べるというスタイルが多く、「これこれこうすればよい」(あるいは、「こうしかできない」)と研究スタイルが確定している時代ならばともかく、この過渡期においてはインパクト不足だろう。ダメだ。「日本人はそうだから」というミミタコな言い訳なしで、変えていかなければいけないことだ。そういう意識が分野のあり方そのものも変えていくのだと思う。

その意味で、今回発表した磁気リコネクションのトリガー機構に関する研究は、観測カウンターパートがないものの面白い問題提起になっていると自負している。終わった後での反応もよかった。バタチャージ(UNH、JGR編集長)とも話がはずんだ。ただ、座長(フランス人)に、しゃべり過ぎと文句を言われた。最近、院生室でバカ話をするようにプレゼンにもついついアドリブを入れてしまう。

会議はグラーツ郊外のお城に缶詰で行われた。国際会議につきものの遠足はグラーツ市内めぐりで、それをみなさんが楽しむ間、藤本は馴染みのカフェ(グラーツは庭のようなものだ)に閉じこもりで、院生・MSの推薦書を書いた。MSは会議に参加しており、遠足をお楽しみの後、バーでワインを召されていたそうだ(【オレは、推薦書を書いていた】)。その同じバーで飲んでいたPD・YAに、夜、(【オレは推薦書を書き上げて疲れていたので】)お城のカフェでビールを誘ったら、「もう飲みたくないかな」と言われた。(【オレは推薦書を書き上げて疲れていたので】)言葉遣いは気をつけたほうがいいな、YA、と思った。

● ベッピコロンボMMO SWG、相模原

朝8時に成田到着、家でシャワーを浴び、午後からの会議で司会をする。

MMOは、熱問題を抱えている。水星は暑いので、MMOの機体表面は鏡のようにして、光を反射するようにしている。一方で、プラズマ粒子を計測するため、機体表面に穴を開けねばならない。そこから光が入り込み機体温度が上がってしまう。対策は、出来るだけ観測機器には穴(視野)を小さくしてもらうことしかない。つまり、それぞれの観測機器の性能を落としてでもMMO全体としてのパフォーマンスを上げる、という戦略的行動をMMOチームが一体となってとることが求められている。MMOは日欧共同であり、チームにはわがままとされる*#人やわがままで有名な%$という個人が参加しており、その調整役を、藤本(プロジェクト・サイエンティスト)はしなければならない。やれやれ。

と思っていたのだが、(わがまま%$が自分のことだけという態度をとった以外は)会議は驚くほど建設的な雰囲気で進んだ。みんなで知恵を出し合って素晴らしい観測をしよう、という雰囲気が生まれている。そして、観測計画を本気で考えることをトリガーすることにもなっている。工夫をすればかなりのことが出来そうな状況であることが、このプラスな雰囲気の基盤であろう。一方、もし大した観測が出来ないということであったのならば(水星という環境の厳しさを考えれば、当初の想定からはずれてそうなっていたこともあり得ないことではなかった:6月ESTEC記事を参照のこと)、ギスギスした雰囲気になっていたのだろうか。やれやれ。

● バークレイ、カリフォルニア

MMOでは、ものすごく充実した、ただの探査(「行った、見た、報告する」)ではなく、プラズマ宇宙の「理解」に貢献するデータを取得することを考えている。だが、水星は遠く、テレメは細い。データは、賢く選んでから地球へと送らねばならない。こういう工夫を既に大成功させているのが、THEMIS計画である。THEMISは地球磁気圏観測ながらも、5機の編隊であること、小型のアンテナで低コスト運用していることなどから、データをだらだら垂れ流すというようなことは出来ず、工夫をする必要があった。今回はそのノウハウを聞きに行くための出張だ。

バークレイも庭のようなものであるが、今回は、笠羽・高島コンビが同行する。BART駅で待ち合わせて、 【失礼】 がないように言い含めて、タクシーで丘を登ってバークレイ宇宙科学研究所へと向かう。まずは友人のタイ・ファンと事前議論をする。

東工大にいた1998年(当時33歳)、このままジオテイル・チーム内だけで過しジオテイルのデータ解析だけをしていても井中蛙で終わってしまうじゃあないかと思い、夏に二週間、東工大最後の頃はさらに春にも二週間、バークレイに滞在しタイ・ファンらバークレイ連中と共同研究をしてきた。有名な長谷川 渦論文もその中で生まれている。始めた時はこれがどのように発展するのかまったく予想できなかったのだが、今思えば、いろいろな意味で、正しい選択を正しい時期にしたものだ。そしてその積み上げが、全く思いもよらない形で今回も役に立とうとしているのである。

本議論においても、THEMISチームは情報を隠すことはなく、むしろ、うまくいっていることを人に教えたいというノリで、楽しく、かつ、有意義な議論ができた。聞いてしまえば実に簡単なことなのだが、それがうまくいくという経験を既に持つ者の発言は、やはり聞き入らせるものがある。笠・高コンビも失言なく済んだ。

楽しく過したあと、最後にピザをつまんでビールとなった。オレが奢ったのだが、笠・高コンビは、一言も、文字通り(literally)、一言も、礼を言わなかった。やはり 【失礼】 な奴らだった。

● ESA・ESTEC、オランダ

欧州へは12時間のフライトである。パリ・ローマ・ウイーンもあれば、同じ苦労をしてオランダ・ESTECだったりする。いや、むしろ後者のほうが多い。やれやれ。
estec

5・29の朝に帰国し、幕張の合同学会会場の横を高速バスで通過。日本の学会にはしばらく出ていない。

この出張はベッピ問題対応。同じ問題なので、6月分とまとめて書くとしよう。

● プラハ、チェコ

インヴァリッド・ピンポンをご存知だろうか。オレは年に3.4回聞く。搭乗ゲートでチケットを入れるとピンポンと鳴ることがある。成田で、UA職員だと「インヴァリッドで〜す」、ANA職員(LHでもOSでも、地上はANA)は「シートチェンジですっ」と対応する。ということで、ピンポンが鳴り、横幅は狭いがフル・フラットになるOSのシートに身を沈めたのだった。おかげで、機内で準備すべきスライドに全く手をつけず。

プラハは、ヒッピー時代(3年前)の 院生セキヨシタカ には安全だったらしいが、院生 笠原 の友人がスキンヘッズに殴られたらしいし、ガイドブックには呼んでもらったタクシー以外はヤバイと書いてある。ということで、空港から路線バスとメトロを乗り継いだのだが、バス車内は汗臭く、メトロ駅はモスクワ北京・スタイルで、気が滅入った。セキヨシタカから貧乏臭い街だと聞いていたこともある。ところが着いてみれば、かなりきれい(旧東欧ではよくある急激な変化だ)、それどころか、翌朝の自由時間に散歩した旧市街地広場は、まだ観光客も少ない時間で、圧倒的に素晴らしい雰囲気をたたえたものだった。

会議はILWSという国際協力調整のための「おっさん会議」だ。NASA、ESA、カナダ、ロシア、中国、そしてISASのヘリオ分野調整役のおっさんがコアメンバーとして出場し、お互いの状況を報告し共同の機会を探る。オレは亡くなった小杉先生の代理だったのだが、そのまま居ついている。会場は16世紀建造の大学の会議室、エコーのせいで聞こえにくくメンバーもしんどい。ISAS以外は、必ずしも現役研究者ではなく、いわゆる科学官僚に近いマインドの連中なのだ。SCOPEが無ければ参加していないだろう。SCOPE・Cross-Scaleは全世界共同である、SCOPEでのカナダ・NASAとの共同を固めながらPhaseAへと進め、世界を牽引する、と叫ぶのが今回の仕事だった。カナダ代表とも膝詰めで会談し、7月訪問時のディレクタ面談をとりつけた。一方で、ベッピ問題がESAの将来計画にどう影響するかが気になる。気にしても仕方がないのだが、全世界共同してなんぼとオレは思っているから、気になるんだよ。
prague

プラハへ出発の直前にEURO2008開幕戦・スイス−チェコを見た。現地では、チェコ−ポルトガルをカフェで見た。ポルトガル2点目(右サイドのデコからロナウドへのラストパス)は素晴らしく、声を出さないようにするのに苦労した。「ドンジョヴァ」が初演された劇場で「フィガロ」観劇後、散歩をしていたら、元名古屋所属で、グラーツではオシムと一緒だった“オーストリアの英雄”ヴァスティッチのPKが、パブの窓越しに見えた。6月プラハの夜は、散歩するのに気持ちが良い。

● 釜山、韓国

初めて羽田の国際ターミナルへ行く。ここは旭川?(行ったことないけど)。ソウルで乗換える。ここは帯広?(行ったことないけど)。というわけで、国内出張感覚の釜山行きである。

このAOGSでは、台湾のフランク・チェンと、今後20年にわたって粒子観測機器製作でISASメンバーと協力していこうではないかという話をすることが、最大の任務である。話をつけたあと、浅村・齋藤工作隊が台湾へと出動することになっている。で、話はあっさりとついた。プロジェクトごとではなく「黄金20」プログラムで協力、と言ったら、ああ、いいね、ということ。簡単なことのようだが、プロジェクト/プログラムという単語を明確に使い分けて前向きメッセージをぐぐぐと入れるには、経験が必要だ。足に厚くあてて、無回転のシュートを打つようなものである。無理にどうにかしようとする人を見かけるが、こちらに任せてくれたほうがいいんだけど…。その話し方ではダメなんだけどなあ…。

会議で興味を持ったのは、北京大・Puさんのグループの進化ぶりである。これまでは、まあ普通、あるいは、何をやっているのかわからん、という感じだったのだが、今回は面白いという印象を強く持った。内容面に加えて図の造りやプレゼンの構成も進化しているので、特に印象が強まるのだろう。Puさんが指導をしているのだろうか。(彼とは、ちょっと問題がないわけではないのだが)であれば、St. Petersberg・Segeevに相当する、名伯楽ぶりを認めるべきだ。おそらくは院生と思われる若手が、とても賢そうな奴なのだが、Puさんに紹介されて握手をした時に随分と嬉しそうにしていた。いやいや、オレはそんなに偉くないよ。

最終日の夕方、ユーリ(在スウエーデンのウクライナ人)とアンドレイ(在LAのロシア人)とともに、海雲台ウェスティンのバーで海を見ながらビールを飲んだあと、ディープな焼肉屋へと向かう。ビビりまくりの二人を引き連れて路地に入り、適当そうなおばちゃんの店で、焼肉テーブルを前にあぐらをかく。こちらもカルビとサムギョップルとメクチュしかハングルを知らないのだが、基本的に日本と同じと信じきっていて、安心している。実際、すぐに和んだ雰囲気になり、喜んでおばちゃんと写真を取る旧ソ連出身の二人。おばちゃんが横について肉を焼いてくれるのを食いながら、韓国ビール「ハイト」を次々と空け、「世界まるごと発見・酔っ払い編」のような話をする。

● ESA・ESTEC、オランダ

○ ベッピ問題

ベッピ問題とは、日本側MMOがPhase Cに入った今になって、ESA側が打ち上げランチャーを変えると言い出したことである。要するに重量見積もりが甘く、3100kgと思っていたところが3800kgとなり、ロケットをアリアン5に変更しなければいけなくなった、ということだ。想像できるように、さまざまな方面に問題は波及する。その対応でESA側と何度も連絡をとることとなった。大きく言って問題は3つ。予算・成立性・MMOとのインターフェース。

ロケットを変更すると、それだけでコストが上がるし、設計変更のコストもある。その価値はあるのか?当然、ESAを構成する国々から成る会議での審議事項となった。議題は「ベッピをキャンセルすべきか否か」。げっ…。この会議では、どうにかキャンセルは否決されたが、新予算案が認められたわけではなく、危険水域を抜け出したわけではない。

金を出しさえすれば問題が解決するわけではない。ミッション成立性の技術保証は、まだなのである。水星に行くということは、やはり、今更ではあるが、やはり大変なことなのである。ではあるが、何故今頃?!これはプロジェクトだけの問題でないだろう、とつっこむと、科学者・ESA・メーカー全体が、根拠なしにイケルイケルという雰囲気であったこと、宇宙科学全体の問題(この雰囲気はベッピだけではないということ)としてここを是正しなければいけないこと(tendency to move too far too fast は反省されなければいけない)、新しいプログラムであるCV2015−25では良くなるだろうこと、など、勉強になる、身が引き締まる、そして、ある意味うんざりする(東工大で院生とPDの理論研究チームを率いていたことが懐かしい…)議論が展開された。他人事ではない。

MMOの設計はかなり詰まっている段階なのだが、ESA側の変更によりインターフェース部の大幅変更があるかもしれない。これは交渉事なので強い態度で臨まなければいけない。で、これ以上は話せない。

 

ベッピ問題は将来計画にも影響する。

 

まず、木星探査(formerly known as Laplace)などの野心的な計画が早い段階で動くことはないだろう。実は、これは日本側には都合がよいかもしれない。

ベッピとその他の計画(悪者はベッピだけではないのだよ)の予算増は、Solar Orbiter (SolO, L2015予定)を遅らせることは必至である。となると、SolOは、CV2015−25の計画となってしまう。SolOとCross-Scaleの、太陽系プラズマ関係の二つともがCV2015の早い段階で動くか?ないとすれば、どうなるのか?これは大問題に成り得るかもしれない。でも、だからどうだ?SCOPE側でやるべきことをやるだけだ。

実は欧州的には、ベッピをキャンセルしてしまうことが最も手っ取り早い解決策だったはずである。ベッピだけでなく様々な将来計画での可能性も含んだ意味での、日本との共同が考慮されキャンセルには到らなかった。問題が起きたことで、ベッピ・チーム内での日欧結束が強まっているように思えること(ここはMMO側が意味の無い文句を言わずに冷静に対処している効果もあるだろう)、また、ESA将来計画におけるJAXAのプレゼンスがより強く意識されるようになったことは、皮肉ではあるが、今後において「使っていくべき手札」であろう:そういう立場にないし、なりたくもないんだけどね。

○ EURO2008TV観戦記

◆ 準決勝 ドイツ3−2トルコ
 ESAのドイツ人にドイツ学校で観戦会があるから来ないか?と誘われるが、丁重にお断りする。だって、XX人が集団になってXXナショナルチームを応援って、怖いだろうが。前半はドイツ左サイドDFのラームが守備の時に穴になっていて、トルコがノリノリだった。ハーフタイムで交代だ、交代…。ラームは残り、フリングスがボランチに入る。しかし、守備は落ち着かず、打ち合いの雰囲気。2−2で残り3分に。最後の最後、ラームは見事なワン・ツーからMFを追い越して、GKの肩越しに物凄いシュートで決勝点を入れる。ここで院生セキヨシタカを連想させられた:これまで、ボサボサしているとされてきたが、衝撃波に関する新しい観測の論文をキメて、世界をあっと言わせてくれ。

◆ 準決勝 スペイン3−0ロシア
 オランダ戦でのロシアの姿は全くなかった。オランダに勝って満足してしまったのか、疲労の蓄積なのか、だらだらした雰囲気、足元で欲しがり遅れる出足、やたら相手の足にかかるパス。雨が苦手なのか?!全力で走ってパスをもらうことはあっただろうか。サイド攻撃もなく、浮き足立った感じ、応援し甲斐が感じられない様子は、どこかの代表に似て…。
euro2008

◆ 決勝 スペイン1−0ドイツ
 夕方から、街にスペイン国旗を羽織った女の子や9番を背負った少年が目につき始める。確かビッグ・タイトルは悲願だったはず(ここのところ、ネット環境が悪く情報が取れない)。フェルナンド・トーレスの一点目、やはりDFラーム(と、GKレーマン。なんとなく集中を感じないGKだ。かたやカシージャスは、日韓2002直前キャンプ中、風呂場でコロンの壜を落として足を切って(どうやって?!)出場出来なかった。小ネタです。)が穴ですね。ラーム交代、0-1で負けていて、これでいいのか?後半、バラックが消え、ドイツMFへのボールが通らない。一方、スペインは最後の5分まで最前線でボールを追いかける守備。両者に大きな差があった。  - セキヨシタカは大丈夫か?

○ Cross-Scale/SCOPE

二日間続いたキツい胃痛を抱えながらの会議参加となった。初日のディナーはトバし、チョコバーと牛乳でカロリーと胃粘膜保護を確保してシノぐ。二日目のJAXA報告の頃にはどうにか持ち直し、カナダ・NASAとH2A打ち上げ分は固めること、それを持って提案すること、この案への世界的サポートが提案をサポートするだろうこと、提案がISASでうまくいけばそれは他の動きも加速するだろうこと、を報告・提案・依頼した。カナダはノリノリなのだが、動きがもう一つ悪いNASAからも提案書への入力の確約を取れたので、一仕事をしたことになる。

ESAは7機構成の本格検討に入った。うまくいけばいいですね、と、突き放した気分になってしまう。というか、いろいろと他のことも同時に考えてしまう。ということで、木星探査も(これもバタバタしている、詳しくは述べる気は無いが。)含めて、うまくやりたいもんだねえと、ESA・太陽圏探査分野でそれなりの立場にある人間に、ジャブを打っておく。こういう仕事を始めて2年と少し、「焦っても仕方がない。簡単なことばかりをやってもつまらない。国際協力で本物が、まあ、いつかはうまくいけばいいよな。」と本気で思うようになってきている。一方で、言うべきことを言うべき相手に入れておくことが有効なことも覚えつつある。焦ることもないだろうと思うのは、世界的な視野を持てば、見るべきデータがない、考えるべきテーマがない、などということは全くないし、次にやるべきことを組み上げつつもあるわけで、それほど悪い状態にあるとは思えないからだ。

<執筆: 藤本正樹 / 編集: 田中健太郎>