スタッフ出張報告
出張報告 @ リスボン ベルリン
亀田 真吾
水星探査計画 大気光カメラ設計会議 2007年9月15〜16日 リスボンにて
水星探査計画 科学会議 2007年9月17〜19日 ベルリンにて
14日午前10時半成田に到着しました。
携帯電話のテレビ電話機能を使い、
かぐや打ち上げライブ映像を見届けてから
飛行機に搭乗することができました。
1番目の目的地リスボン(リスボア)では
水星磁気圏探査衛星に搭載する
ナトリウム大気光カメラ(MSASI)の設計会議を行い、
英国からホブメア社、ポルトガルのActiveSpaceTechnology社
日本から明星電気、東大、宇宙研から各1名が参加しました。
9/14深夜に到着し、
9/15は9時から20時過ぎまで(昼休み1時間)
9/16は9時から11時過ぎまで。
主な議題は
光学系支持構造の設計更新
各パーツ配置の変更による構造強度向上の可能性
ファブリペロー干渉計の設計
・・等々です。
11月に行われる基本設計審査に向けて
粛々と(大急ぎで)準備を整えているところです。
# MSASIの開発はロシアも担当していますが
# ロシアの開発チームの方々は今回来られませんでした。
# 来月中旬に英国にてロシア、イギリス、日本の
# 会合が開かれます。
12時過ぎに空港に到着し、13時の飛行機に乗って
9/16夜にベルリン・シェーネフェルト空港に到着しました。
9/17
本日はBepiColombo SWT、水星探査計画に向けた科学会議の初日です。
午前中は休みでした。
16時から水星大気光の地上観測について発表を行うことに
なっていたため、ホテルの部屋に籠って資料のチェックや
練習をしていました。
正午過ぎから会場のDorint Hotelに移動しました。
初日前半は日本、欧州の衛星開発に関する現状報告
後半は大気光地上観測(亀田)、
表面への太陽風衝突のシミュレーション(Kallio氏)
という内容でした。
45分も時間を与えられたのは初めてでしたので
始める前は少し緊張しましたが、
うまく話をすることができました(と思っています)。
9/18
午前中は衛星に搭載される科学観測機器の現状報告
午後前半はアメリカが打ち上げた水星探査衛星メッセンジャーに関する報告
午後後半は主に水星固体表面に関する研究発表
が行われました
内容について1つだけ簡単に紹介します。
「近日点と遠日点で潮汐力が異なるため水星の形はほんの少しだけ歪む。
水星内部がマントルに地殻が乗っかっている構造である場合と
完全に冷えて固まった固体である場合とで歪み率が異なるはずである。
MPO(水星表面探査機)に搭載する高度計の精度は10cmであるため
この変化を捉えられる」
非常に高い精度が求められるため困難な観測になりそうですが
期待したいと思います。
9/19
機器開発現状報告の続きと今後の会議日程の確認
そして大気磁気圏、水星内部、組成の3グループに別れて会議が行われ
私は大気磁気圏の会議に参加しました。
そこで欧州側から各観測器の較正を打ち上げ前に地上で同時に行うという
提案がなされました。光学観測器と粒子計測器の較正を同時に行うことは
難しそうですが、各粒子計測器同士の較正を同時に行うということが
検討されることになりました。
終了後宿に戻ってビール(1本50円くらいでした)を飲み、
次の日の午前にベルリン・テーゲル空港に向かいました。
(了)