スタッフ出張報告
第4回AOGS -バンコク 微笑みの国から-
田中 健太郎
今回で第4回となる AOGS (Asia Oceania Geoscience Society, アジア・大洋州地球科学学会)は,タイ国バンコク市で開催された.米国・欧州勢がAGU, EGUの組織を持って国際的な科学推進を実行しつつある昨今,AOGSは,我々アジア大洋州で活躍する研究者がそのプレセンスをアピールできる格好の舞台である.また,AOGSは,アジア大洋州に属する各国の科学水準を向上させるための,知的交流の場を若手の研究者に提供できる格好の機会でもある.
さて,今回僕はAOGSで2つの発表のチャンスを手にした.ポスター発表と口頭発表である.2つの発表は,ともに最近僕が行っている研究結果だ.それらを今回,違った形式で発表できる事は,とても興奮して面白かった.当然,国際会議なので共通語は英語だ.だが,英語を喋るだけでは通用しなくて,要は,相手が何を求めて,自分がそれに答えを伝えられるか,だと思う.
当然そこには論理も入ってくるだろうし,適切な(科学の)言葉も出てくるだろう.この部分の思考は,英語に限らず,日本語でコミュニケーションを取るときにも必須となってくる要素だ.そして最後に,それを英語に焼き直せば良いだけの話だ.なので,最も肝要な部分は,相手の真意をどれだけ真摯に受け止められるか,そしてその場に対して適切な受け答えをするか,だろう.この類のコミュニケーションを円滑に行うためには,自分の意識も重要だが,実地訓練の場数がどれだけ多いかが決定的だろう.
会議会場までの移動手段は,徒歩だ.歩いていく中で目に付く光景は,工事中の高層ビルやホテル,そのすぐ隣には昔ながらの露店.正に現在進行形の成長具合だ.新しい物が生みだされる時とは,このような物だろう.AOGSは今回で4回目だが,それはまさに現在進行形の成長途中で,今の僕らの活動がAOGSの将来に繋がっていきそうな,そんな感覚を持った.
さて,AOGSの目的の一つである「若手研究者との交流」だが,今回の世話役大学であるチュラローンコン大学の学生と交流を深めてきた.彼らの好意で,地元の若者が集まる市場で夕食を共にすることが出来た.食事の席では,僕を含め,タイ以外から来ている研究者と様々な話が出来た.それぞれ表面上の専門分野は違えども,深く話していく中で所々クロスオーバーする内容があり,非常に面白かった.タイの庶民的な料理を食べながら,話は弾む.
# バンコク市内での食生活について.
バンコクでは至る所に露店がある.露店ではたいていの場合カレーが何種類も用意されていて,自分の好みのカレーを選んで食べることが出来る.滞在中,何度も足を運んだ店があって,毎日違うカレーを食べるのが面白かった.しかし,辛さは覚悟しなければならない..