スタッフ出張報告
Cross-Scale ワークショップ出席
松岡 彩子
成田空港でのチェックイン。ルフトハンザのカウンターでパスポートと旅程表を差し出すと、 「お客様、本日は、フランクフルト、ローマを経由されまして、
・・・えーと、えーと、らめ、らめじあ?」
いえ、正確に発音して頂かなくても結構です。私もわからないし。
イタリアの Lamezia Terme(調べたら、読み方はラメツィア・テルメだそうです)空港から、タクシーで1時間の Rende という町にある Calabria 大学で、Cross-Scale ミッションの会議があり、出席しました。Cross-Scale については、既にこの出張報告シリーズで何度も出てきたと思います。ESA の Cosmic Vision ミッションとして提案されている、複数の衛星による磁気圏観測ミッションで、私達日本のコミュニティで準備している JAXA の SCOPE ミッションと同時に実現させ、共同観測を計画しているものです。今回、宇宙研からは、藤本、高島、篠原、関、笠原、松岡が出席しましたが、他にも多くの日本人が参加しました。
Rende に着いたのは土曜日の深夜で、翌日日曜日には藤本、篠原、高島、松岡というメンバーで、タクシーで 20分くらいの所の、Cosenza という Rende より大きな町に行き、丘の上にある城跡まで歩きました。日頃の運動不足が多少解消されたと思います。
(写真: Cosenza の丘を登り城跡まで歩く)
出席者の国は多彩で、ヨーロッパの各国の大学や研究所、ESA からはもちろんのこと、SCOPE でJAXA と協力するカナダ、それから米国 NASA からも参加していました。NASA から来ていた Guan Le さんは、初めて会ったのはお互いまだ博士課程の学生の時で、もう17年前のことだったと思います。その頃は「あなたの指導教官の指導はどうか?」「研究の進み具合は?」「あなたの就職見通しは?」という話をしていたのが、今は会えば「あなたの機関の予算状況はどうか?」「プロジェクトの進み具合は?」「あなたの役割や貢献は?」という話になります。時が経ちお互い置かれている立場が変わったことを感じます。
2日目の夕食に、この地方の楽器(と思われる)の演奏と踊りが披露されました。今回のワークショップは、LOC が、ホテルと大学、空港の間の送迎、会期中の昼食、夕食、コーヒーブレーク等、至れり尽くせりで全てアレンジをして下さったので、楽でしたが、Rende の町を見る機会は殆どありませんでした。
(写真: 地方の楽器(たぶん)の演奏と踊り)
会議のほうは、うーん、どうなんでしょう。遠慮なく個人の感想を書かせてもらえば、面白い発表もあったのですが、どのようにプロジェクト本体につながっていくのか、見えづらい話が多かったように思います。ミッションを練りあげるための、プロジェクトの capability に関する、もっと具体的な議論や意見を求める場があっても良かったのではないでしょうか。公式な会議の後、絞った人数で議論をする場もあったようですので、そこではより良いミッションとするための議論が成されたものと期待したいと思います。