スタッフ出張報告
台風4号下の出張体験記
篠原 育
7月16日〜18日にカルフォルニア工科大学のキャンパス内で開かれたIPDA (International Planetary Data Alliance) のsteering committeeに参加してきました.この会議の目的は,各国の惑星科学データベースの国際標準化とデータの相互参照についての規約を策定することにあります.元々は米欧の間で惑星ミッションのデータを交換するしくみづくりから始まったものだそうですが,現在ではIPDAは欧米各国の他に日本,ロシア,インド,中国から惑星データベースの国際標準化に興味がある人々が集まってサイエンスの観点や情報技術的な観点など,さまざまな議論がなされています.
さて,今回の出張は日本としてはたいした進展もなく,若干気が重いものではありました.そんな中,台風4号がまさに出国予定日の7/15の夕方に関東地方を直撃するとの天気予報.わくわくしながら天気予報を気にしつつ前夜に会議資料のとりまとめを進めました.出発当日の早朝の情報ではそれでも”ON TIME”.成田には行かなければならないのね,とわくわく感を高めながら早めに自宅をでたのでした.
TCATからのリムジンバスは強風のためいつもの湾岸線を経由せずに京葉道路へ.風雨は強まるばかりでとても飛行機がとびそうな雰囲気ではありません.成田に到着し,発着情報の掲示板を確認すると「欠航」や「遅延」の文字が沢山ならんでいて,出発ロビーも閑散としています.しかし,私が搭乗予定のUAの便はそれでも「定刻」の文字が!ほぼ同時刻のアメリカンのLA行きの便は「欠航」となっているのに…?受付カウンターのお姉さんにきいてみると,にっこり笑って「ウチはよほどのことがない限りとびますからっ!」
仕方がないので台風情報やフライト情報を気にしつつUAのラウンジで待機.他の場所とは異なり,午後のアメリカ各地へ飛ぶ便のお客がぞくぞくとラウンジにはいってきて,ここだけ台風などなかったかのようです.
そして.本当に台風はこなかったのです.出発予定時刻の16時頃には関東地方は暴雨風圏にはいるだろうと思っていたのに,成田の上空は15時頃には風も雨も弱まって明るくなってきたのです.(台風はいったいどこへ行ったのだろうか?今でも謎です.)結局,「定刻」の表示には嘘偽りなく,晴れ間さえのぞく中,きわめて順調に出発できたのでした.滑走路へむかう道すがらはUA機が勝ち誇ったかのように行列をしていました.他社が早々と欠航する中,UAは勝負に勝ったようです.というわけで,なんとしても出国したいと思うならUAを選ぶ,という教訓(?)を得たのでした.ちなみにパサデナでの3日間はすこぶる快適だった!!