スタッフ出張報告
出張報告@UCLA
高田 拓 (プロジェクト研究員)
今回は10日間の日程で、UCLAのDr. Vassilis Angelopoulosの研究室を訪れた。彼は2007年2月に打ち上がった5機の編隊衛星
Themis ミッションのPI(主研究者)であり、ミッション全体を指導する立場にある。最近、彼がUCBからUCLAに異動してきたこともあり、彼のチームはまだ少人数ではあったが、滞在中は色々とお世話になった。
Themisミッションの最大の目的は、サブストームの開始メカニズムの解明である。その来るべき尾部観測シーズン(2008年2-3月、下図参照)を前にThemis衛星データの特徴・及び解析環境を熟知すべく、今回の訪問となった。解析ソフトウェアはまさに開発中であったが、データや観測器の特性等に関しても十分な知見を得ることが出来た。ISAS側でも既存の衛星ミッションとの同時観測を通して、積極的にThemisミッションに関わっていくが、今後のデータ解析が楽しみである。
訪問して驚いたことは、テレビ会議システムを使用した活発なサイエンスの議論である。UCLAのThemisグループでは、週2回、アメリカテレコン(tele-confirence)とヨーロッパテレコンがあり、特にアメリカテレコンでは、イベントのデータを見ながら、熱い議論を戦わせていたのが印象的だった。データが即座に全世界に公開されるThemisミッションにおいてはサイエンスの議論も素早くグローバルに行われる必要がありそうである。使用されていた
WebEX というシステムもpptベースで議論を進める科学者にとっては使い易そうだった。
今回のアメリカ滞在は初めて、公共交通機関に大変お世話になった。車社会のアメリカではあるが、昼間の都市部での移動は公共交通機関で十分賄える。本数もあるし、安い(0.75-1.35$/回)。
<高田 拓 / 編集: 田中 健太郎>