スタッフ出張報告

SELENE 打ち上げ日記 @ 種子島
高島 健

 

9/13 午後から打ち上げ

午前中に作業を終了したアクセスドアをロケット班がひとつずつ丁寧に閉めていく。 衛星の姿が徐々に外から見ることができなくなっていく。自分の中で緊張感が高まって くるのと対照的にロケット側の作業は淡々と進む。H-IIAとしてKAGUYAは13機目。 淡々とした作業が、自信に満ちた手順の証拠なのだろう。再び、GN2パージはずしとノンフライト・アイテム外しが続いていく。ひとつずつ、外されていくアイテムを確認していく。夜の19時、いよいよ最後のアクセスドアを閉じる。ロケット班から「これで、みおさめみなりますがいいですか?」と笑いを誘う言葉がでてくる。”出戻ってくるなよ!”と声をかけながら最後のドアが閉められる。衛星側の機械的な作業はこれで終了。あとは、寝ている衛星を射点で起こすのみ。

ロケットのVABから射点への移動に向けて、立ち入り規制が実施されるために、一旦、管制卓のある衛星組立棟に戻る。天候は、相変わらずどんよりとした雲が空を覆い時よりスコールのような強い雨が降り続けている。”打上延期”という 言葉が何となく出てくる。

22時過ぎ、小雨の中をロケットがVABから射点に移動を開始する。時速1km程度で30分ほどかけて射点に到着する。ロケット側の作業が続く。23時頃に衛星の外部電源を入れるためにロケットの下部にある専用の部屋に向かう。射点に着くころには、バケツをひっくり返したような雨が降り続き、車から部屋に入るまでに全身ずぶぬれとなる。この雨だとVABに戻るのだろうか?と思いながらKAGUYAを立ち上げるための外部電源装置類の立ち上げを行っていく。インターカムを通じて、1時間ほどチェックを行いながら衛星の電源を投入していく。無事にKAGUYAが目覚めるのを確認してから、部屋を出て射点から退避をする。先ほどの雨は嘘だったかのように上がり、不思議なぐらい静かな夜であった。もしかしたら、打ち上げられるか?と思いつつ、総合司令棟に向かう。

午前1時過ぎ、午前0時から始まった天候判断の結果がまだ伝えられない。通常、30分もかからない会議が長引いている。延期となりロケットを再びVABに戻した場合は、アクセスドアを開けてGN2パージ処理を再開しなければならない。「打ち上げたい」が「万全を期したい」という複雑な気持ちで結果をまつ。「14日打ち上げGo判断」の放送が流れる。一気に人の動きが早まり、士気が高まってくる。宇宙センターの内部放送で映し出されたH-IIAからは、燃料注入に伴う白煙が上がっている様子が見えている。衛星班としての仕事はとりあえず終了。少し気が抜けたこともあり、ソファで2時間ほど仮眠をとる。

朝の7時、企画情報班として観望台に移動する。建物の外にでると雲の切れ間から青空がのぞいている。「これなら、いける!」と思いつつ移動を開始する。

午前10時、打ち上げの約30分前には雲はほとんどない青空が広がる。風も肌に心地よい程度。多くのプレスが打ち上げの瞬間をとらえようと詰めかけている。 また、放送局も朝のニュースで生中継を行っている様子が見られた。

打ち上げ5分前、カウントダウンが進んでいく。高揚感はあるものの、ドキドキというよりも静かに打ち上げを待つという気分であった。KAGUYAの旅立ちの無事を祈る。カウントダウンが続く、5,4,3,2,1、Lift-off。閃光とともに白煙が舞い上がり、静かに上昇を始める。カメラ越しに見ながらシャッターを切っていく。数秒もすると バリバリと空気を裂く音が聞こえてくる。このころには、ファインダーから目を 離し、肉眼でロケットの飛跡を追っていた。ロケットの状態をアナウンスする放送が 流れてくる。「順調」という言葉だけが頭に残っていく。白い尾を引きながら、 雲間へと消えていく。肉眼ではもう見えないところまで飛んでいった。

打ち上げその1 打ち上げその2

館内に戻るとロケットの正常燃焼のアナウンスが流れている。しばらくすると、衛星の正常分離信号を確認したとの放送がはいる。KAGUYAが独り立ちした瞬間である。その後、記者会見にむけて相模原から入ってくる衛星状態を順次関係者に伝えていく。届く連絡はすべて、「正常」の文字で埋まる。関係者の顔にも笑みがこぼれる。記者会見も無事に終了し、私の業務も無事に終了。疲労感が気持ちよい。 衛星組立棟に戻ると、打ち上げにかかわったメーカーを含めた全員が笑顔であった。「多くの人の力で衛星は上がっている」と本当に実感する瞬間でもある。

KAGUYA(SELENE)にかかわり出したのが、1998年。9年目にして打ち上げに たどりついた。異なる文化、次々と出てくるトラブル、意見の違いによる衝突と様々な経験をした。どの一つの経験も無駄ではなかったと、振り返る。KAGUYA運用は、まさにこれから1年が正念場。 移り気なお姫様のご機嫌をとりつつ、姫からの新しい便りに期待している。
----------

9/13

この日記を現在書いている時刻は朝の5:45。いよいよ打上にむけたY-0作業が今日からスタートする。天候判断による延期がかからなければ、打上後の記者会見まで作業が続き、次の日記は打上後14日の夜になる。

今日は7時に宿をでる。7:30には宇宙センターに入り、朝会を行う。朝会後は、 すぐにノンフライトアイテム外し(GN2パージ外し)作業を行いにロケット組立棟に入る。フェアリング越しに衛星からのノンフライトアイテムの取り外し作業、 最終外観確認、写真撮影、アクセスドア閉めという作業を4回繰り返す。終了予定時刻は夜の19時。決められた時間内で作業を終えていかないと、ロケットの打上は延期となってしまう。長い作業だがメーカーとともに慎重にのぞむ。 作業終了後は一旦、衛星組立棟(衛星管制室)に戻り、ロケットが射点に移動するのを待つ。ロケットが射点についた後、日が14日にかわる頃に衛星を立ち上げ るための外部電源装置のスイッチを入れにロケットの真下に位置する電気室に向 かう。射点で真下からロケットを見上げる機会。緊張と伴に期待感もある。 衛星電源が無事に立ち上がるのを確認後、総員待避命令にしたがい、3km外へ移 動を始める。この後に、液体燃料のロケットへの注入が始まる。 総員待避後は、総合指令室経由で打上4時間前に観望台へ移動。観望台に入って からは相模原から来る衛星状態を、主要関係者に伝える情報連絡班として記者会見終了まで作業を続ける。

「かぐや」が無事に衛星になった連絡を受けて、14日の夕方頃に今回の出張作業は、ほぼ終了する。14日夜には、心地よく焼酎に身を任せていたいものだ。

下記にある種子島ライブカメラの映像は、丁度、ロケット組立棟と射点を移して います。位置的には、深夜のロケット移動が見られるかもしれません。

WEB: http://www.jaxa.jp/countdown/f13/index_j.html

衛星打ち上げに向けた作業は淡々と続いています。午前中は、齋藤さんの機器で あるPACE(IEA、IMA、ESA-S1、ESA-S2)のGN2パージ・ノンフライトアイテム外しが終了しました。11:45から上記PACE機器へのアクセスドア2カ所を閉じます。 種子島の現在の天候は、小雨でどんよりとした雲に覆われている状態です。 作業は前倒しで進んでおり、端末のある衛星組立棟に戻っています(10:15JST)。
----------

9/12

衛星打ち上げに向けた作業は淡々と続いています。午前中は、齋藤さんの機器で あるPACE(IEA、IMA、ESA-S1、ESA-S2)のGN2パージ・ノンフライトアイテム外 しが終了しました。11:45から上記PACE機器へのアクセスドア2カ所を閉じます。 種子島の現在の天候は、小雨でどんよりとした雲に覆われている状態です。 作業は前倒しで進んでおり、端末のある衛星組立棟に戻っています(10:15JST)。

早朝より雨が続き、さらなる延期を予感する。午前中の天候判断待ちとなる。天気図を見る限り17日ぐらいまでは、すっきりしない天気のようだ。なかなか”わがままな姫”である。天候判断が出た、14日打上に向けた作業がGoの連絡が届く。 13日早朝から始まる衛星側作業とロケット側作業の再確認を午後から実施した。 延期がどのタイミングで決まっても、衛星側作業やロケット側作業に対して制限 時間、体制、人員配置、作業員の疲労に問題が起きないかを22時過ぎまで何度も確認・議論・修正を行う。明日は7時30の朝会から始まり、打上まで作業が続く。 「かぐや」を載せた御輿が姿を現すのは、13日の深夜になる。もうひとがんばり!
----------

9/11

朝からどんよりとした雲が空をおおっている。天気予報は昼前から雨の予報。打上作業に雨は影響しないが、雷雲が発生すると作業が中断する。9時から始まる朝会では、予定通りの作業を確認する。午前中に天候判断による作業のGo/NoGo判断が行われるとのこと。10時過ぎからロケット組立棟に入り、打上に向けた衛星のコネクタ接続設定などを実施していく。「かぐや」のシステムメーカーであるNEC/NTSがダイビングボードを用いた作業を行っていく。その、横で作業内容の確認を続ける。作業場所は地上約10階付近。足下は跳ね上げ可能な金属板で出来ており、隙間から下が見える。高いところが得意でない私は、なるべく目線を上げて作業にのぞむ。隙間から見えるロケットの下の部分には、SELENE(かぐや) のマークが大きくプリントされている。

作業を終えて第2衛星組立棟に戻ると、天候不良による打上日延期の決定がなされ、プレス発表の準備がすすんでいた。”姫”がご機嫌をそこねたからか、月に 帰るのを悲しんでいるのか、大粒の雨が外では降り続いていた。 明日の午前中には、今日と同じく天候判断が行われる。ここまで来たのだから、万全の天候で打ち上げたいと願う。

WEB1: SELENE(かぐや)ミッションのロゴマーク http://www.selene.jaxa.jp/ja/event/mission_logo_j.htm

WEB2: H-IIA 13号機打上ポスター ロケットの2段目にミッションマークがプリ ントされている http://www.selene.jaxa.jp/ja/document/pdf/Launch_pamphlet.pdf
----------

9/10

今日は衛星側の作業は特になく、打上作業に関する手順書の最終調整が行われた。 射場には広報の部隊が到着し、JAXA-TVをはじめとするプレス対応の準備が観望台で行われていた。 打上時は、第2衛星試験棟よりコマンドが打たれ、最終打上GO判定は総合司令棟にある衛星班とロケット班の”準備OKボタン”で行われる。宇宙センターの中で打上射点が見えるのは3km以上離れた観望台のみで、あとは宇宙センター内のケー ブルテレビによる映像で確認する。打上3時間ぐらい前から、情報連絡班として観望台に入る。衛星の打ち上げに立ち会うのは、「のぞみ」M-5以来だ。初めて体験する轟音の中で、センサーが懸命にロケットの振動に耐えながら飛んでいく のを見守っていたことを鮮明に覚えている。「かぐや」にも二つのセンサーを搭載しており、自分の製作したセンサーの無事を祈るとともに、ミッションシステム全体の担当という立場で、すべてのミッション機器が無事に宇宙空間に到達することを何よりも願う。

写真:ロケットの成功を、南種子の町を上げて祈っている。宿泊旅館の入り口の垂れ幕と至る所にある垂れ幕の様子

垂れ幕その1 垂れ幕その2
----------

9月9日

好天が続き衛星側作業も順調に進んでいたため、種子島出張で初めての休日となった。天気も薄曇り程度で、まずまず。地元の人はもう泳がないと言われながらも、 北の方にある浦田海水浴場に若手(?)4人で向かった。車で約1時間。ちょっとした丘を越えると、目の前に広がるのは遠浅の砂浜。我々以外には、5-6名ほどの家族連れしかおらず、ほとんどプライベートビーチ状態。海水の温度も丁度よく 心地よい浮遊感を久しぶりに味わう。少し離れた岩場に向かうと、そこには珊瑚 が群生し、熱帯魚系の色鮮やかな小魚たちが泳いでいる。1時間ほど、南国バカ ンスの気分を味わいながら波間を泳いでいた。帰りには西之表にある”鉄砲館” により、種子島の歴史をお勉強。最後に種子島温泉につかり、リフレッシュ終了。 明日から打上終了まで、一気に駆け抜ける。

明日は、打上に向けた手順と施設設備確認。

写真1:浦田海岸

浦田海岸

写真2:鉄砲館の前にて(火縄銃のレプリカ)

鉄砲館
----------

9月8日

打上まで最終審査会が開催された。射場安全審査など普段は気にもせず接する機会もない会議も含まれていた。管制卓の電源や部屋の空調がダウンすれば、打上は中止となってしまう。そのため、施設の電源設備の機能確認もしっかりと行われている。当たり前のことではあるが、見えない場所で多くの人が確実な仕事を していることを理解できる。審査会には、向井先生や井上理事も参加されていた。 午後からは、ロケットのY-0リハーサルが行われた。衛星本体のリハーサルとは異なり何カ所かに”リハーサル用の不具合”が組み込まれている。その不具合に対して制約された時間内で対応することが、現場の人達に要求されている。ロケッ トの不具合は周辺への影響も大きい。対応者達の緊張度合いは、想像に難くない。 ”不具合”対応を見事に数回クリアした後に、打ちあがっていった。「本番もまかせたぞ」という気持ちでリハーサルへの参加を終了した。

明日は、種子島作業での唯一の休日。リフレッシュして打上終了までのエネルギー を充填しよう。

写真1:種子島食堂付近からの観望台(画面中央)。打ち上げ当日はプレス関係者で埋まる。打上中継時のJAXA-TV(岡田さん出演)は、この観望台から中継される。

種子島食堂付近からの展望台

写真2、3:種子島宇宙センターで行われているツアーで見ることの出来るH-II 7号機の実物。

センターツアー1 センターツアー2

センターツアーURL http://www.jaxa.jp/visit/tanegashima/tour_j.html
----------

9月7日

午前10時、衛星側のY-0打上リハーサルが始まる。SC (Spacecraft Conductor) の指示のもと手順書に従って作業を実行していく。 リハーサルでは音声模擬だけであるが、本番ではロケット組立棟の中で、GN2パー ジされた機器のパージ治具外しから衛星側の作業がスタートする。フェアリング には、人が衛星にアクセスできるように直径1m弱の窓が複数あけられている。衛星にアクセスするには、ダイビングボードと呼ばれる担架のようなものに人が腹ばいになったまま、フェアリングの中に入っていき作業する。打上当日は、取り外し作業は約8時間にわたって行われた後に、フェアリング窓を閉じる作業が行われて、「かぐや」を載せたH-IIAロケットは、いよいよ発射台に移動していく。 リハーサルでは、発射台に移動した後に衛星を立ち上げるところからスタートだ。 新GN増田局アンテナで衛星からの電波を受信して、テレメトリが種子島管制室と相模原管制室(SOAC)に流れてくる。コマンド毎に送信前確認、送信後の衛星ステイタスを複数の目で確認する。コマンドを送信するごとに「かぐや」は、”月にもどるため”の準備を整えていく。打上5分前には衛星の準備はすべて終わり、 打上を待つのみとなる。5,4,3,2,1、リフトオフ!リハーサルでは無事にロケッ トは打ちあがっていった。あと6日。リハーサルと同じく万事うまくいくことを 願う。
明日は、打上前最終審査会が開催される。

写真1 種子島宇宙センター内の展望台からの景色(SELENE中澤さん提供):
左の大きな白い建物がVAB。ここに「かぐや」を載せたH-IIAロケットがいる。画面中央の砂浜奥にみえるのが射点場 (クリックして拡大)。

展望台からの景色

写真2 VAB横からみた射点場 (くっりくして拡大)。

VAB横からみた射点場
----------

9月6日

衛星点検2と題した今日の試験は、打上前に観測機器を含めて衛星機能の確認する最後の試験になる。問題が起きれば打ち上げられないと同時に、不具合の片鱗を見逃すと、次はもう手の届かない宇宙空間。見落としが無いように皆の目も真剣。

衛星はすでにフェアリングの中にあり、ロケットに接続されている。そのため、 衛星とコマンドやテレメトリデータをやりとりするためには、衛星のそばにホー ンアンテナと呼ばれる小型のアンテナを設置して、電波放射を行って試験をする。 このアンテナの設置を行うために、地上約10階付近でロケットのすぐそばで作業を行う。清浄度が管理されているため無塵着を着用するが、火工品の固まりであるロケットのそばでの作業なので、静電防止対策に気をつける。無塵着や靴が帯電防止加工がされているだけでなく、靴下も木綿製に履き替えて静電気が発生することをなるべく排除する。面倒な点も多いが、安全と成功に向けて細心の注意がはらわれている。

11時頃より衛星の立ち上げが始まり、バス系の機能確認を慎重にひとつづつ進めていく。15時前にバス系の機能確認が終了し、いよいよ観測機器の確認が始まる。 15の搭載観測機器をひとつづつ電源を入れながら機能確認を慎重に進めていく。 「不具合が出るなよ」という気持ちと同時に「もし、何か不具合があるなら、まだ地上にある今なら間に合う」という気持ちもどこかに持ちながら自分の担当機 器の確認をすすめていく。自分の開発した機器の確認を無事終了、ほっとする。 が、また気を引き締めて他の機器の試験確認作業の確認を続けていく。19時過ぎにすべての観測機器の機能確認が終了。「全機器問題なし」の結果に、緊張した 面持ちから笑顔がもれた。観測機器達が次に目覚めるのは宇宙空間。機器達も短い休暇となる。

明日は、Y-0(打上日当日)リハーサル。打上時刻までに、必要な作業や設定が終了することを打上当日と同じ手順を行い確認していく訓練である。「かぐや」 の打上時刻に幅はほとんどない。1日にワンチャンス。手順の遅れは、そのまま 打上日の延期につながる。本番と同じ気持ちで皆が訓練の臨む。

WEB:最終確認試験の様子 http://www.selene.jaxa.jp/ja/communication/com_information_j.htm

管制卓のある第2衛星組立棟2階からの景色。種子島宇宙センターは山の中に様々な施設が点在している(白い建物)。(クリックして拡大)

センターから望む種子島の景色
----------

9月5日

朝8時過ぎに種子島に向けて、何かと話題のボンバルディアのプロペラ機で出発する。天候もまずまずで作業に向けて気合いも入ってくる。種子島空港からかぐや(SELENE)が待つ種子島宇宙センターまで、サトウキビ畑が広がる景色を眺めながら車で約30分。常駐する第2衛星組立棟(STA2)に到着する。各建物は、安全とセキュリティーからIDカードにて入退出が管理されている。特徴的なのは、ゲートチェックを受けたあとの挨拶。「ごあんぜんに」と声を掛け合うのが慣わし。最初は違和感があったが、打上間際の今の時期では自然と言葉が発せられる ようになった。

一日の作業は9時前後で行われる合同朝会から始まる。衛星、ロケット、施設、 射場安全他、打上作業にかかわるメーカー関係者が顔を合わせて、前日までの作業実績と当日の作業予定に関して念入りな確認作業を行う。多くの人が同じ意識で作業をしないと、ロケットも衛星も打ち上げられないのだと毎回実感する。

いよいよ明日は、打ち上げ前に観測機器に電源が入る最後の点検日。ISASにあるかぐや管制室にて種子島にいる「かぐや」からのデータを受信して、念入りな最終確認が行われる。問題なく試験が終了することを祈りつつ試験に臨む。

プロペラ機へ搭乗@鹿児島空港と、種子島空港 (クリックして拡大)

鹿児島空港 種子島空港

関連WEB:
種子島宇宙センター http://www.jaxa.jp/about/centers/tnsc/index_j.html
かぐや打上特設サイト http://www.jaxa.jp/countdown/f13/index_j.html

かぐやフォトアーカイブ http://jda.jaxa.jp/jda/p1_j.php
ジャンル:人工衛星・搭載機
カテゴリー:月・惑星探査
ミッション:月周回衛星(かぐや)
種別名称:写真

で検索すると最近の写真が見られます。
----------

9月4日

13日のSELENE打上に向けて最終作業ため種子島に向けていよいよ出発。 種子島へは、鹿児島から午前1便、午後2便しかない。午前便は朝8時20分発のため前日は鹿児島空港のそばに宿泊。ネットもない旅館なので、つかの間の休息(?)。

SELENE衛星もすでに、フェアリングに収缶されてH-IIAロケットに接合され、また打ち上げ当日に向けた人員配置やリハーサル予定が送られてきており、打上に向けた緊張感が徐々に高まってきている。 予定通り無事に打上ってくれよ!

夕飯と旅館の窓からの鹿児島空港 (クリックして拡大)。

夕飯 鹿児島空港