磁気圏尾部観測衛星「GEOTAIL」

地球の尾っぽのプラズマ科学探査「GEOTAIL」

第一線の研究者の声

Geotail衛星との出会いから現在まで・・・

高田 拓

私がGeotail衛星と関わりをもつようになったのは、大学の卒業研究で惑星間空間研究室に配属されたのがきっかけだった。漠然とプラズマという物に興味を持っていた私に、科学衛星で計測したプラズマのデータを面白そうに眺めている先輩達の姿が印象的だった・・・。以来、地球の周りで起こっている物理現象を理解することを目指し、長いことGeotail衛星には関わりを持たせてもらっている。

今、宇宙科学研究本部で働いていて気付くことがある。大学院時代は、地方大学で衛星データをダウンロードして解析を行ってきたため、ミッションを陰で支えている部分がよく見えていなかったのだ。通常運用されているGeotail衛星のデータでさえも、表に出てくるまでには、現在でも多くの人達の労力の積み重ねがあったりする。特に日本では科学者への負担が非常に大きいこともあり、ミッションの中核をなす研究機関で過ごす中で色々と考えさせられる。

衛星ミッションは、計画段階から数えると非常に長期にわたり、多くの人達の協力の上で成り立っている。私自身、Geotail衛星に対しては、データ解析を順調に行えていた最終フェーズでミッションに関わったことになる。その後、Geotail衛星だけでなく、ESAやNASAのミッションのデータを使って研究活動をしてきたが、そうした今までの経験を、今後の日本の科学ミッションに対しての寄与と言う形で生かすことができたら、それはGeotail衛星に恩返しを出来たということになるのかもしれない。

(編集: 三津山和朗)