研究プロジェクト

衛星搭載機器の開発の心得 その1

宇宙空間プラズマをその場で観測するために、衛星に搭載する観測装置の研究開発をしている人々に、機器開発をする上での心得を聞きました。第一回は、齋藤義文先生です。

心得1

1)先読みが大切

今行なっている事、行なおうとしている事がどのような結果になるか常に先を予測しながら実験する事が大切です。これは、実験の正しい方向を見つけるのに役立つだけでなく、機器の故障や危険を防ぐ事にもつながります。

2)全てを説明する努力を

実験で得られたデータ、機器のモニター記録などは細心の注意を払って見落とさないことが大切。小さな変化から全体の様子が理解できることもあります。 説明できない事を残さないことが大切です。

3)実験前には“データ解析の頭”から“実験の頭”に切り替える

データの解析をするときの集中の仕方と、実験をする際の集中の仕方は少し違うように思います。この意味で、D棟(特殊実験棟II)に実験室があるのはいい事なのかもしれません。歩いて行く間に切り替える事ができます。長期間どちらかになっていると完全に切り替えるのにもっと時間がかかりますが。

4)とにかく掃除

D棟3階の実験室にはクリーンルームがありますが、クリーンルームといえど少し気を抜くとすぐに埃がたまります。こまめに掃除をすることが必要です。金属粉、ケーブルの切断クズは特に事故につながり易いので要注意。

<齋藤義文/編集 三谷>