研究活動
ここでは宇宙プラズマ研究系に所属する大学院生や研究者が行っている、様々な研究に関連したトピックについて、
・日々の研究活動で用いる、研究ツールに関する簡単な説明
・研究グループ内で開発した機器や解析手法の詳説
・修士論文・博士論文
を紹介しています。
理論シミュレーション系では、プラズマ宇宙で生じる様々な時空進化を大規模スーパーコンピュータ内に再現し、磁気リコネクション現象やプラズマ渦などの、大規模で複雑な系の中で発現するイオン・電子スケールの鍵領域のダイナミクスを解くことで、大規模構造変化と粒子スケールの相互連携(スケール間結合, Cross-Scale)の理解を目指します。
データ解析系では主に、衛星観測などによって得られたデータから、惑星間空間におけるプラズマの物性やそこでの現象論の研究が行われたり、高エネルギー粒子の加速機構や衝撃波の物理などの基礎物理学の観点からの研究が行われています。下のリンクではその中からいくつかのトピックを紹介しています。
- ○東大総長賞への道(村上豪, 2011)
- ○ かぐや搭載の超高層大気・プラズマイメージャ (UPI) (山崎敦, 2008)
- ○ かぐや搭載のプラズマ観測装置 (PACE) (横田勝一郎, 2008)
- ○ 衛星搭載機器の開発の心得その3 (松岡彩子, 2007)
- ○ 衛星搭載機器の開発の心得その2 (向井利典, 2007)
- ○ LEF-TOF型質量分析器の測定原理(田中孝明, 2007)
- ○ 衛星搭載機器の開発の心得その1 (齋藤義文, 2007)
- 〇 磁場観測器(岡田, 2004)
- 〇 静電プラズマエネルギー分析器の原理(斉藤美穂, 2004)
- 〇 プラズマ粒子観測器の設計(佐々木 ,2004)
研究開発系では、宇宙プラズマの三次元速度分布やイオン核種、磁場といった基礎パラメータの情報をより効率的に、より正確に知るための新たな観測器の研究開発が行われています。下のリンクでは一般的に使われる宇宙プラズマ観測装置の基本原理や、開発中の観測器に関する話題を紹介しています。
宇宙プラズマ研究系では数多くの探査衛星を打ち上げてきました。 現在は地球磁気圏尾部探査衛星の「ジオテイル(GEOTAIL)」や、オーロラ観測衛星の「あけぼの(EXOS-D)」、オーロラの撮像と粒子計測を同時に行う小型衛星「れいめい(INDEX)」が現役で活躍しており、毎日貴重な データを送ってきています。また、火星の上層大気の研究のために打ち上げられた火星探査機「のぞみ(PLANET-B)」でも宇宙プラズマ研究系が先導的な役割を果たしました。現在は今夏打ち上げ予定の、月探査衛星「かぐや(SELENE)」による月周辺プラズマの観測が期待されています。今後は水星探査計画 「BepiColombo」における水星磁気圏探査衛星「MMO」や、次世代の磁気圏探査衛星「SCOPE」 などの計画に向けて本格的に動き出して行くことになります。
<編集: 藤本 晶子>