研究プロジェクト

衛星搭載機器の開発の心得 その2

宇宙空間プラズマをその場で観測するために、衛星に搭載する観測装置の研究開発をしている人々に、機器開発をする上での心得を聞きました。第二回は、向井利典先生です。

心得2

1) “Think about the end before the beginning.”

この言葉の意味するところを、実験の計画立案、準備、セットアップ、データ取得・処理・解析、全ての段階で肝に銘じること。

2) 物理的感性を磨く

データを素直に見て不思議を感じる物理的感性を磨け。それは、普段からどれほど考えているかによる。また、自分がセットアップした実験のデータが物理的に説明できないとき、その解決を後回しにしないこと。

3)「不思議」結果は人為的原因

「不思議」な結果は、往々にして、実験の方法や条件、データの取り方などの間違い、人為的原因によることもある。実験の基本動作を身につけ、やるべきことをきちんとやること。

4)基本動作やノウハウは盗み取る

基本動作やノウハウは教わっても身につかない、盗み取るものだ。つまり、見るべき所を考えること。しかし、基本動作は考えてやるものではない。それが無意識のうちにできなければ、身についたとは言えない。

5)基礎的・原理的なところをしっかり

基本的な実験技術は、電子回路、真空、計算機による数値計算技術の3つに集約されるが、単なる小手先ではなく、基礎的・原理的なところをしっかりと勉強してほしい。

<向井利典 / 編集: 田中健太郎>